神話部投稿自分用倉庫。
☆note神話部〖公式マガジン〗→ https://note.com/lentoy/m/me5e64a3aa3f1
☆note神話部〖目次〗→ ◉部活…
- 運営しているクリエイター
2021年3月の記事一覧
『玉と石の神話11』
琥珀の顔を窺うように、今度は金剛が眉をひそめる。
「何が言いたい?」
「お主が応えたが故、逆にこの国が注目を浴びてしまったのだ」
思いもかけぬ言葉に、周囲にざわめきが走った。
「お主の力を欲する者、力を競いたい者にとって、王国は今や標的となったと言う事ぞ」
〘新話de神話2〙異聞・瀧夜叉姫
清廉だとて。
悪辣だとて。
所詮は時流に飲まれるのみ。
例えそれが悪であっても受容される時があり、どれほどの正論であろうと打ち捨てられる時もある。その時、己に都合の良いことだけが選別される。
『己』とは力ある者──時の権力者の心ひとつのこと。
その争いに敗れた者にはもはや、何を申し開く人権すらない。
*
目の前には、妖しい空気を纏いながらも目を奪われるほどに
『玉と石の神話10』
琥珀が眉をひそめた。
「意図はわかっておる。だが、では、お主の方は私の言う意味を理解しているか?」
二人の話を聞き入る他の者たちも、生じた間に緊迫する空気を感じた。
「お主は我らをひとつ所に、と思うたのであろうが、それが徒となったこと、わかっておるのか?」
『玉と石の神話9』
金剛を見据える琥珀の眼差しは厳しさを含んでいた。それこそ非難をすら含んでいる。
「では、何故来てくれたのだ」
「訊きたいのは私の方だ。何故一国の招集に応じた?」
一呼吸視線を交えた後、金剛は静かに口を開いた。
「そなたにわからぬはずないと思うておるのだが……」