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「JellyCar Worlds」のRTAを走ってみた。

はじめに

JellyCar Worlds公式のRTAイベントに出場することになりました。
2024年4月14日(日)の朝9時に、開発者WalaberさんのTwitchにて開幕します。

JellyCarってなに?という方もいると思うので、ここから下はJellyCarシリーズについての説明とこれまでのRTAへの取り組みを書いています。

僕は幼少期、スマホでゲームができるようになったくらいの頃「JellyCar 3(以下略、JC3)」というゲームが大好きでした。ゼリーみたいにプルプルのクルマを操作してゴールに行き、ステージを攻略していくゲームなのですが、大好きすぎて、2年くらいずっとやり込んでました。

JC3のプレイ画面(直撮り)

そんな大好きなJC3なんですが、リリースから数年後、アプリストアから消滅してしまい、二度と遊べなくなってしまいました。完全コンプリートする直前だったので、すごく悔しい思いをしました。「このままJellyCarは知る人ぞ知る作品になるのかなぁ・・・」と思っていたのですが。なんと2022年に続編が発表。今回はその続編である「JellyCar Worlds(以下略、JCW)」のRTAを走ってみた記事になります。

JellyCar Worlds

説明

JC3から、10年以上の時を越えて蘇った作品です。何気なくスマホのストアで「jellycar」と検索していた時に見つけて、出かけていて外にいるのに「うおッ!!!!!」という声が出ました。

そもそも、何気なく「jellycar」とわざわざ検索しないやろというツッコミは置いておいてください。大好きすぎるからです。

JCWのプレイ画面

基本的なゲーム性は先ほどのJC3と変わりません。プルプルのクルマを操作してステージを攻略するゲームです。ですが、ギミックとしてパワーアップが大幅に追加されていて、ロケットで飛べたり、シグナルを発信したり、グラップリングフックでスパイダーマッになったり、色々進化してて泣きそうになりました。

Steamによると「タクタイルソフトボディ物理演算ゲームプレイ」だそうです。なにもわかりませんね。

Steamの概要

普通にやり込む

最初は、JCWを普通にやり込んでいました。このゲームは、1-1、1-2、1-3・・・と、8ステージあるワールドを攻略していき、ワールド8まであって合計64ステージあります。この時点ですごくボリュームがありますが、さらに隠しゴール、タイムアタックもあるのでもっと遊べます。

1週間くらいでクリアして余韻に浸っていたのですが、やっぱり大好きなゲームは0から100までコンプリートしたくなるのが僕のゲーマースタイル。
さっそくコンプリートを目指しますが・・・一つ問題がありました。それはスカルステージという超絶鬼畜ステージの存在です。各ワールドに1つあり、100%コンプリートするにあたってそれを攻略する必要があります。

ワールド1のスカルステージ

ちなみに、クリアしたことをXでポストしたのですが、なんと開発者であるWalaberさんが直々に祝ってくれました。裏ボスが難しいということを直接開発者に伝えたくなるくらい難しいです。

嬉しすぎてオタク特有の早口を見せる投稿主。

ここから100%クリアを目指してやり込んでいますが、相当スカルステージに苦戦していることが当時のポストから分かります。

そして、ついにクリアが出始めます。少し弱めのスカルステージと言われている2-Skullでさえ44分かかっています。

2-Skullにてクルマを大きくするパワーアップで、なぜか壁キックを求められる場面。

そして、この頃に開発者WalaberさんのDiscordサーバーがあることを知り、試しに入ってみることに。これがRTAを始めるきっかけになりました。

RTAの道へ

JCWコミュニティ

WalaberさんのDiscordサーバーの中では、主に彼が作ったゲームについて話す場所と、創作をみんなで共有する場所がありました。その中にJCWについて話す場所があったので見てみると、#speedrunning(RTA)について話すカテゴリーがあったんです。そこで、前からRTAに興味があった僕はJCWでRTAデビューすることにしました。

Any%を走り、54:32.44というタイムを出してDiscordサーバーに投稿してみました。すると・・・

意外と反応がもらえた初RTA

2024年4月1日現在、世界ランキング1位のPatokyoに反応をもらえました。そして、これがきっかけとなり本格的にRTAの沼にハマりはじめます。56回目の走りで50分切りを達成します。

Walaberさんに反応をもらった瞬間、やっぱりオタク化する投稿主

そして、ここからはステージ別のRTAにも手を出し始めますが、とある走者との戦いが始まることになります。

ステージ別RTA

ステージ別のランキング
JellyCar Worlds - Levels - Speedrun.com

JCWにはクラシックステージ(JC1、JC2、JC3のステージ)が収録されていて、過去作が復活してほしかった僕は大喜び。さっそくクラシックステージのRTAをしてみました。

「Mouse」というステージのRTAを走ってみましたが、このステージは、回転する地面が多く、所々で回転の周期を待つ必要があり、最低20秒はかかると思っていましたが・・・

「Mouse」ステージ

当時の世界1位、Amberのルートはこんな感じでした。

・・・部屋くれぇよ。

色々とツッコミ所が多いですが、解説すると、まず最初に黄色の棒を下から強引にくぐり、思い切りジャンプして、ゴール付近の回転リフトをすべて無視してゴールしています。初めて見たときは、これが「タクタイルソフトボディ物理演算ゲームプレイ」か、と思いました。ぶっ壊れですね。

ですが、僕は気づきました。「あれ?この最初の黄色の棒って、上からくぐった方が速いんじゃ?」と。そして新しいルートを開拓しました。新ルート開拓は、RTAで一番楽しい瞬間かもしれません。

そしてWRを獲得して喜んでいたのも束の間、Amberが記録を更新します。ここからはAmberとの更新合戦になっていきます。

Amber 8.908
Yuumayay 8.725
Amber 8.325
Yuumayay 7.633
Amber 7.625
Yuumayay 7.541
Amber 7.400
Yuumayay 7.308
Amber 7.300
Yuumayay 7.041

と、どちらかが倒れるまで続くバトルが巻き起こりました。そして、初の6秒台が誕生します。達成したのは・・・

Amberです。あまりの嬉しさに「OH… OH MY GOD!!!」と本場のオーマイガーが飛び出しています。そして、相変わらず部屋がホラゲーかってくらい暗い。

バグカーの発見

JCWにはクルマの形を変えられる機能があるのですが、「これってスピードに影響出るかな?」と思い、色々試していたんです。すると・・・

色んなクルマの形(ちなみに車輪多い系は全部弱い)

明らかにチートすぎる性能のクルマの形を見つけてしまいました。それは、バグカーです。バグは「虫」の方の意味です。性能はバグですが・・・

バグ(ってる)カー

バグカーの何がチートなのかというと、まず大きい状態の時すごい速いです。そして、なぜか滑空します。おまけにキビキビ回転してくれます。
Amberいわく「バグカー使ったら突然6秒台でた」らしいです。

そして、僕も6秒台に到達し、記録を更新します。

ここで僕は「バグカーのぶっ壊れ性能を利用したらクラシックステージ世界記録コンプリートいけるんじゃ?」と思ったので、制覇を目指すことにしました。

クラシック制覇

ケツワープもどき

僕はJCWのクラシックステージの制覇を目指すことにしました。まずはWashing MachineというステージからRTAを走ることに。

当時の世界1位、Fladanの記録はこんな感じでした。

ですが、僕は禁断の技を見つけます。それは「壁抜け」です。回転するゼリーに思い切りぶつかり、めり込みます。あとはそのままクルマを押し込むと壁抜けができます。

ですが、たまにゼリーが「裏返し状態」になることがあります。裏返った状態のゼリーはすごく不安定で危険なので、完全に裏返ったゼリーだと触れるだけでクルマを粉砕します。

完全に裏返ったヤバいゼリー

そして、上手くクルマが粉砕されないように壁抜けし、新記録を達成します。

Fladanも続いて記録を更新。初の5秒台を出します。

ここでふと思いました。「1回目の壁抜けの後に下にいかずに、そのまま右に飛んで、もう一度壁抜けすれば5秒切りいける?」と。さっそく練習してみます。そして、実際にその時が来ました。

これを見たAmberに「ケツワープつかうな マリオに帰れ」と言われました。Amberのツッコミセンスが一流ですね。

そして、このあとクラシックステージで100個以上の世界記録を出し、制覇まで残り1ステージだけになりましたが・・・

「最強」との死闘

制覇まで残り1ステージ、そのステージとは「Tree Skipping」。普通にプレイしたら何気ないステージなのですが、RTA勢が参入すると、そこは戦場に早変わり。ほぼ機械のような動きが求められるようになってしまいます。

そして、Tree Skippingの当時の世界1位、zyporの記録がこちら。

これでも物凄く速いのですが、僕は思いました。「バグカーじゃないやん」と。この記録が出たのは約半年前。まだバグカーの性能にみんなが気付いていない頃でした。

バグカーを使い、10.866という記録を出し無事更新できたのですが・・・1つだけ心配なことがありました。それは、このzyporという走者が今まで無敗だったこと。もし記録を取られたとしても、すべて4日以内に取り返しているとんでもないバケモノプレイヤーだったことです。

当然、最強プレイヤーであるzyporが記録を取られて何もしないわけがありません。zyporはバグカーを採用し、速攻で記録を更新します。そして「新規ランナー」VS「最強ランナー」という漫画とかでありがちな展開の争いが始まります。

zypor 10.266
Yuumayay 9.925
zypor 9.808

と、ここまでコンマ数秒づつタイムが縮まっていき、もうそろそろタイム的にも短縮が難しくなってきた・・・と思いましたが、zyporが突然0.3秒の更新をします。

立ちはだかる最強プレイヤー「zypor」に、僕は絶望して22日間「Tree Skipping」のRTAをしていませんでした。

空白の期間が過ぎ、僕はこのランを分析しました。そして「木を渡る所と、最後のゼリーで若干減速している」ということに気づきます。いきなり勝てる気がして4時間ほどぶっ続けでRTAをし、世界新記録、そしてクラシックステージ世界記録制覇を達成します。

このあともzyporの更新はなく(2024年4月1日現在)、こうして昔からJellyCarが好きすぎる僕は、JCWのクラシックステージRTAの王者になりました。

Any%をやる

Patokyoの新記録

Any%のランキング
JellyCar Worlds - Speedrun.com

ここまでクラシックステージのRTAをやっていた僕でしたが、その間Any%にてPatokyoが33:35.180を出して、さらに記録を縮めます。

クラシックステージは制覇してしまったので、僕はAny%を練習することにしました。

Yuumayay 39:42.960
Yuumayay 37:08.720

そして、2024年4月1日現在、世界2位の記録を出し自己ベストを更新します。

RTAイベント

僕が世界2位になって少し経ったくらいに、WalaberさんがDiscordサーバーで「JCW公式RTAイベントで走るカテゴリ、次はAny%にしようかな?どうだろう。」と発言。Any%はちょうど練習していたので僕のテンションは爆上げ。

その後、イベントの参加が決定し、本番は安定を取るか、それとも特攻するか・・・悩ましいですがいつも通りいきたいです。RTAイベントは2024年4月14日(日)の朝9時に、WalaberさんのTwitchにて開幕します。選手は、世界4位のZombie、世界3位のMetraberry、世界2位のYuumayay(僕)、そして世界1位のPatokyo。朝ですが、唯一の日本勢なので応援してね。

それでは。

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