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今日は立秋、万葉集の秋の風物詩の七夕の歌と、織姫彦星伝説の日本&中国の違いを月の形と暦からお話する

こんにちは。
日照時間が減り始めた夏至以降の方が暑いのは、
フライパンの火を止めた直後が一番暑いのに
似ているなと思う、絵本&万葉作家のまつしたゆうりです。

今日から立秋、暮らしを秋仕様に。

今日から二十四節気では立秋(りっしゅ)、
七十二候では涼風至(すずかぜいたる)ということで
夜半過ぎはだいぶ涼しさが増しているなと思うこの頃です。

まだ夏気分、夏仕様の暮らしでいると
来月の体調に響いてくるので
ぜひとも今から秋仕様に変えてもらえたら*

具体的には、秋は西、白などと関連付けられていて
体でいうと肺。
乾燥のため肺に負担がかかるので、

①深い呼吸を心がける
②白い食べ物を食べる
 (白キクラゲ、蓮根、白ゴマ、大根など)

が良いとされています。

夏は減らしていた油分を少し増やしていくのも
潤いにつながりますよね。
普段の食事にぜひ取り入れてみてください*

万葉集では秋の風物詩、七夕

意外に思われるかもしれませんが
万葉集では「秋の雑歌(ぞうか)」として
七夕の歌が巻十に多く載っています。

「雑歌って何?」と思われた方は
前回の記事をチェック✅↓

巻十の七夕歌は、万葉集界のスターオブスター、
トップアイドルの“ヒトサマ”(勝手にニックネーム)こと
柿本人麻呂サマの歌集から引用された
素敵キラキラ歌がたくさん載っていて激トキメキます!

お気に入りは

万葉集 2029 柿本人麻呂

天の川 楫の音聞こゆ
 彦星と 織女と 今夜逢ふらしも

《訳》天の川から月の舟の楫の音が聞こえる
彦星と織姫が、今夜逢っているらしい

聞こえないはずの舟を漕ぐ音が聞こえる、だなんて
なんてロマンチック…!
人麻呂歌集の夜空の歌は、壮大で夢見心地にさせてくれる
歌が多いのが特徴で激!推しです!!

日本、中国、七夕伝説の違い

七夕伝説は元々中国から輸入されたお話。

天の川を挟んで光る星、
牽牛(けんぎゅう)(鷲座のアルタイル)と
織女(しゅくじょ)(琴座のベガ)が
年に一度だけ天帝の赦しを得て
天の川にかかるカササギの橋を渡り逢えるというお話です。

ここで、橋を渡っていくのが織女の方
というのがポイント。
日本では彦星が会いに行く方に変化します。

これは、日本が妻問婚(男性が夜に女性の家を
訪れる形式)であることに関係しているのでは
と言われています。

天の川を、どうやって渡る?

そして渡る物も、カササギの橋から月の舟へと変化。

カササギという鳥をご存知の方もいらっしゃるかもですが、
大きさは鳩くらい。
全身がカラスのように黒く、羽に白い点(星)があり
たくさん集まる姿がで天の川にかかる橋に
見立てられたのではと思います。

しかしこの鳥は朝鮮半島から九州北部にしかいない鳥。
日本の大部分、もちろん奈良でも見れないので、
馴染みのある月に置き換えられたようなのです。

月の舟は、どんなカタチ?

さあ、月の舟を思い浮かべてください。

思い浮かべましたか?
どんな形をしていますか??

もしかして三日月の、ゴンドラみたいな形を
思い浮かべたのではないでしょうか。

実はこの月の舟、ちょうど半円の形なんです!

え? なんで断定できるかって?
「別に三日月でもいいじゃない」って思いますよね。

これが暦と合わせてみると、
半円形でしかありえないんです。

どいうことかというと、
当時の暦は旧暦、月の満ち欠けを基準に日を数えていたわけで、
ツイタチは「月立ち」つまり新月のこと、
十五夜は十五日目の夜ということで満月。

…ということは…?!
七日の月は上弦の月、つまり半円形の月の舟が
空を渡っていくんです!!

「月の舟なんて空想じゃない?」って思っていたけれど
リアルな景色とのミックスだというのが分かった瞬間、
リアルな景色と知っているお話を結びつけ、
脳内でバーチャルな映像を楽しんでいた人々の暮らしが
なんと豊かなだったろうと思えてきます。

今の私達はいろんな情報が手に入り
いろんな画像も見れてしまうので、
何でも体験したつもり、知ったつもりになりがちなことって
気付かぬうちに結構やってしまっているのかなと。

でも、得た情報を深く掘り下げ
実際にその場を体験しに行くと、
体感覚で腹落ちし、自分だけの言葉でそれを
語ることができるようになると思うのです。

GWに箱根に行った時に、すごーくそんな体験をしたので
動画ではそんなお話を最後の方にしています。

皆さんはいかがですか?

暑さムシムシでなかなか出掛けられない日々かと思いますが
身近なところ、何かでも、「体から感じる」ことを
ぜひぜひ楽しんで深堀ってみてください*

他のオススメ七夕歌もご紹介しています♪
📺アーカイブはこちらから↓

七夕にオススメの御朱印

大阪は北浜にある少彦名命神社さまで
毎年七夕限定の御朱印をご授与してくださるそうです。

七月七日は繋がったバージョン!

他の神社さんでも限定御朱印がいろいろあるそうなので
お近くのところで探してみられるのも
毎年の楽しみになるかと☆

来週のインスタライブ【万葉週話】は

放送中のリクエストにより
万葉集の月のお歌をご紹介*

月をどんな風に見ていたか、や
月に住んでいる超絶イケメンのお話も。(笑)

無料で見れるので、気軽に遊びにいらしてください♪

🌟8/14(土)AM11:00〜

絵本作家・万葉&民話作家 まつしたゆうり

「心をつなぐ扉を描く」水彩画

共感覚で感じる色と模様を描く。
昔から伝わる物語を、今に届く形にして
お届けしています*

大阪在住、滋賀県長浜出身
大阪芸術大学デザイン学科卒
🌟第5刷 『よみたい万葉集』

初心者から中級者まで楽しんでいただける入門書。
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一面に田んぼの広がる田舎町で、
虫と草花と、本を友として育ちました。

幼い頃から 古典と歴史と仏像と恐竜と特撮と漫画とアニメが大好き!
心に触れることで果てしない空想の旅を一緒にできるような作品を作っています。

ゆったり季節に寄り添う暮らしと、日々 野鳥観察&着物。
鳥は愛でるのも食べるのも好き。

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