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月に住む超絶美男子、月人壮士の歌

こんにちは、この秋初めて減農薬梨をゲットしたら
めちゃめちゃ美味しくてご機嫌なこの頃の
絵本作家まつしたゆうりです。

無添加の白ワイン、シナモン、蜂蜜、少量の塩と
コトコト煮て、秋の乾燥対策の常備薬にします。

(秋は五行でいうと白、肺と関連があり
 梨、蓮根、里芋、白キクラゲ、白胡麻などなど
 白い食べ物を摂ると良いそうです。)

月の住人

さてさて。

月といえば「兎がいて、餅をついている」
というのが今広く知られているお話ですが
1300年前は「超絶美男子が住んでいる」
というお話が一般的だったよう。

月の擬人化だとも言われる月人壮士(つきひとをとこ)
さん、いろいろな歌に詠まれていますが詳細は謎が多く。

分かっているのは

・月に住んでいる
・超絶イケメン
・月にある超巨大な桂の木を切り続けている

ということのみ。

月=月人壮士さんということで
月の出を彼の出現と重ねたお歌もあります。

「いつでも、何度でも恋してる(私が)」の
キャッチフレーズでお馴染み(?)の
ユハさまこと湯原王(ゆはらのおおきみ)さまの
こちらのお歌はイチオシです!!!

万葉集 985 湯原王

天(あめ)にます 月読壮士(つくよみをとこ) 幣(まひ)はせむ
 今宵の長さ 五百夜(いほよ)継ぎこそ

(訳)天に居られる月読壮士さん、贈り物をしますので
今夜の長さを五百夜に長く継いでください

大切な人(恋人? 友達?)と会える夜なのでしょうか…
やわらかく品のある控えめなお願いの表現、
優しさ&爽やかさ&気遣い感という
イケメンタルな要素てんこ盛りに感じて
ときめきが止まらないのですが皆さまどうですか🔥
(興奮しすぎ)

あとは、月の形から見立てられ、
物語を妄想できるお歌があります。

月の舟を漕ぐ

月の舟、といえば七夕!
(七夕の♆でもお話しました🎋↓過去記事&アーカイブ)

インスタライブ📺アーカイブはこちらクリック▶▶

彦星が織姫の元へ会いに行くための舟を
月人壮士さんが漕いであげている、という
解釈のお歌もあるのです。

彦星くんと月人壮士さんはお友達なのでしょうか…
織姫に会えない364日を一緒に過ごし、
彦星くんを慰めてくれているのかも?!

1年に1度しか会えない織姫とより
よっぽど仲良しなのでは…と思わずにいられません(笑)

(桂の木を切る月人壮士さんを、
彦星くんは毎日応援してくれたりするのかしら。
(でも手伝わ(え)ない?!))

ちなみに舟を漕ぐための舵は
延々切り続けてる「桂の木製」だという解釈もあります。
(繋がった!(笑))

弓の標的は…?!

そんな三人の関係に、新たな解釈の歌が!

三日月は「白真弓(しらまゆみ)」とも言われ
月人壮士さんの引く弓に見立てられてもいます。

万葉集 2051

天の原 行きて射てむと
 白真弓 引きて隠れる 月人壮士

(訳)天を行って射てやろうと
白真弓を引きながら隠れる月人壮人よ。

この、弓の標的が、どうやら件の2人では…?!
という解釈もあるそうで。

「2人の仲を妬んで、弓を射ようとしている」
ということですが、その場合、誰を射ようとしているかで
関係性や心情が変わってきそう!

「誰を」の場合は下記3パターンかと思われますが

①織姫を射ようとしている
②彦星を射ようとしている
③ふたりとも射ようとしている

理由は無限大…

・2人を妬んで居なくなればいいと2人共殺す
・織姫をゲットしたくて彦星を殺す
・手に入らない織姫を憎んで殺す
・仲のいい彦星を取られたくなくて織姫を殺す
・実は彦星が好きでゆえに殺す

殺伐とした昼ドラものの様相を呈してきましたが(笑)
考えていたら妄想が尽きません!
(三角関係は沼ですね)

一番平穏なのは、

「2人を邪魔するものを射て、
陰ながらサポートしてくれてる」

っていうのがいいなあと*

大親友(勝手にこの設定ししまってますが(笑))のため、
七夕の夜に、日々切っている桂の木で作った舵を持ち、
大好きな人の元へ舟を出し送ってあげる…

なんて心優しい人なんでしょう!!

一人寝を寂しく思っているのか、
親友の幸せを共に感じているのか…

7日目の月は早めに登り、早めに沈みます。

そこから先の長い夜、
ひとり星を眺めているだろう月人壮士さんを想像して
同じ気持ちで共感したり
慰める気持ちで仰いだり、
当時の人々もしていたかもしれませんね。

私はとりあえず
彦星くんと364日何して暮らしてるのかを
妄想しておきまーす*(笑)(ほのぼの日常モノを期待)

皆さまはどんな物語を想像されますか?

今回のインスタライブ📺アーカイブ▶▶CLICK

今週のお着物

紬のお着物は今の小物を使った
カジュアルコーデにもぴったり。

夜の闇に、月の黄色い光が
さあっと差し込んできたイメージで*

帯留めは満月のような硝子のもの。


🍀明日のインスタライブはイベント参加のためお休みします*

新作グッズやカレンダー販売、似顔絵イベントも催します*
ケータリングもあったりで盛りだくさんなイベント、
ぜひぜひ遊びに来てください🍀

絵本作家・万葉&民話作家 まつしたゆうり

「心をつなぐ扉を描く」水彩画

共感覚で感じる色と模様を描く。
昔から伝わる物語を、今に届く形にして
お届けしています*

大阪在住、滋賀県長浜出身
大阪芸術大学デザイン学科卒
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一面に田んぼの広がる田舎町で、
虫と草花と、本を友として育ちました。

幼い頃から 古典と歴史と仏像と恐竜と特撮と漫画とアニメが大好き!
心に触れることで果てしない空想の旅を一緒にできるような作品を作っています。

ゆったり季節に寄り添う暮らしと、日々 野鳥観察&着物。
鳥は愛でるのも食べるのも好き。

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