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問いは多次元で見ろ

今年度僕のテーマの1つが

「問い」

です。


以前、自立した学習者のキーワードの1つとして問いがあると書きました。

今回は、教師側から子どもたちに投げかける「問い」、相手に響かせる「問い」について言語化してみようと思います。


1 「問い」は多角的

日々、実践をする中で僕が意識していたことは

「すべての教科に共通するものはないか」

と、いうことです。各教科によって特性はあります。しかし、授業全般を貫くものもあるんじゃないかなと思ったのです。

その中で

「問い」

に対してある考えをもちました。

問いには

 ・「誰に」
 ・「何を」
 ・「どうして」
 ・「どのように」

の4つの視点があるのではないかということです。

以下に、それらの4つの視点をさらに言語化していきます。


「誰に」

 これは問いかける対象のこと。
何年生なのか、発達の段階は?どんな性格?好きなものは?最近の様子は?学力は?
こういったことを考えることで響かせる対象の輪郭がはっきりとしてきます。

例えば、6年生、男子、野球に夢中になっている。好きなものにはすごく取り組むが、苦手なことには極端に意欲が落ちる。余暇は漫画を好んで読んでいる。野球選手を目指していて、全国大会に出場したこともある。

「何を」

  教科は?思考?知識?方法?内容??
次の「どうして」にもつながってきますが、こちらの引き出したい内容のことです。

例えば、6年生の国語、物語文「海の命」太一が、クエをうたなかった理由について

「どうして」

 ここは「何を」とも繋がってきますが、それを問うことで、相手に対してどのような変化をもたらしたいかという部分になります。

例えば、クエを打たなかった理由を問うことで太一の心情の変化について、読み取る力をつけたい。また、太一の心情の変化から、生き方について考えるきっかけとし、自己の人生を見つめるきっかけとしたい。

「どのように」

 ここは問い方に直結してくるもの。例えば、理由を問う問い方でも「なぜ」「なんで」「どうして」というように色々なパターンがある。また、「どちら」と選ぶものもある。今までの「誰に」「何を」「どうして」を受けて、一番効果がありそうなものに調節するのがこの「どのように」


2 「問い」の作り方

「誰に」「何を」「どうして」「どのように」という4つの視点で問いを分解して考えてみました。

僕はこの4つの視点から全て重なった点に‘適切な問い‘があると考えています。

適切な問いとは
・答えたくなる
・問われていることがわかる
・きちんと考える要素を含んでいる
・周りの考えも気になる

などの要素を含んだもののこと

4つの視点のうち、どこか1つでもずれていては、「適切な問い」になることはありません。

4つの視点をよく見定めて

バランスが良くなるように調節することが重要になると考えています。


主発問、補助発問、中心発問、、、、

考えてみれば授業は多くの問いで構成されていますね。

例として示した6年生国語「海の命」での問い

あなたならどのように問うでしょうか?




3 教師は問う存在


1日を振り返ってみると、僕たちは子ども達に問う場面が無数にあります

授業中はもちろん、生活の何気ない会話の中、生徒指導場面、、、

本当に多くの場面で問いがあります

なぜ、教師はこんなにも子どもに問うのか

それは子どもたちを育てるための行為だから

大人から答えを与えるのではなく、問いを与えることで、自ら考えるように促したり、適切な行動を自分でできるようにしたいからですよね

だとすると、ここでいう問いとはいわゆる「質問」とは違う

子ども育てるための1つの教育的な指導というわけです。

だからこそ

僕たちはもっともっと問いにこだわっていかなければならないんだなあと言語化をする中で感じました。


4 終わりに


今回は大人目線、教師目線から問いについて考えてみました。

自分の教師人生を振り返ってみると

若い頃はよく

あれをしなさい!これをしなさい!!

「答え」を与えていたなと思います。

その中で、子どもの「なぜそれが正しいの?」という不信感が大きくなり、子どもとの関係がうまくいかなくなってしまうことがよくありました。

ベテランの先輩に

「こっちの言いたいことを子どもに言わせないとだめだよ」

と教えていただき

答えを与えることから問いを与えることへと意識的に変えていきました
(それでもなかなかうまくいかず、自分がどれだけ教えたがりなのかということに気づきました笑)

そして、今はその問いの質について考えています。

あなたは今

どんなことに問いをもっていますか?

今日はこれでおしまい。

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