見出し画像

手術室ものがたり アンプタの後に…

こんにちは。
Remember to Remember.の大橋優気です。
こちらのページを開いて下さりありがとうございます。

まずは、こちらのページの目次



はじめに。

こちらでは、私が手術室で看護師をしていた時代の
印象に残っていることを
「手術室ものがたり」と題して、いくつか綴っています…

Remember to Remember.と、大橋優気については、
こちらの記事をご覧いただけると嬉しいです。


また、なぜ、こういう記事を書こうと思ったかについても、
こちらで綴っています。
ご興味があればぜひ、お立ち寄りくださいませ。


そして、この「手術室ものがたり」のシリーズは、
あくまでも個人的な「私視点」での語りです。
医療全体を描いている訳ではありませんし、
医療情報を提供する目的の内容ではございませんので、
ご了承くださいませ。


※手術の場面や状況を記していることもあります
 医療場面等の描写が苦手な方は、
 ご自身の判断で読み進めるのをお控えくださいませ。
 ほかの記事を愉しんでいただけると嬉しいです。


と言うことで、今日の手術室ものがたりは、


『アンプタの後に…』

はじまりはじまり~

(*タイトルにあえて使った
 アンプタと言う言葉については、後に記しています)

糖尿病

きっと読んでくださっているあなたも
耳にしたことのある病気だと思います。

ん?手術のお話しなのに、糖尿病???
と思われた方も、
ぴんとこない方もおられるかも知れませんが。

糖尿病は、内科的な(内臓の)病気のひとつで、
一般な印象としては
外科的な(切ったりはったりの)手術とは
結びつきにくい病気かもし知れません。

糖尿病自体の治療は、
食事療法や運動療法とお薬による血糖コントロールなど、
一部の合併症をのぞき、 (←後ほど詳しく記します)
糖尿病自体のコントロールに手術を要する病気ではありません。
 
ただ、
糖尿病は、一般的にもとても多い病気なので、

手術室でも、その患者さんの目的の手術とは別に、
既往症(それまでに罹ったことのある病気、罹っている病気)として、
一定割合で糖尿病の患者さんにお目にかかります。

例えば、腫瘍を切除する目的で手術を受けられる患者さんが、
たまたま持病として糖尿病も発症しておられる、とか。

そして、

糖尿病の既往があるというのは、
内科的な意味として全身に関わるので、
麻酔の管理への影響など、手術を担う側は気をつけています。

先にも記載しましたが、この記事では、
私が手術室で看護師をしていたときの印象的な経験を、
あくまでも個人的な体験として記していきます。



 そんな中、
 糖尿病が原因で手術にいたる患者さんもおられます。

~ココからは、少し、細く説明的な糖尿病知識~
 なので、飛ばして読んでくださってもOKです。

 糖尿病の合併症として、
 特に多いとされる3つの症状があります。

 血糖値が高い状態にさらされ続けると、
 細くて脆い毛細血管が損なわれてしまいます。
 つまり、特に毛細血管が集中している箇所に
 糖尿病の合併症が起こりやすくなります。

 私たちの身体の中で、
 毛細血管が集中する箇所というのは、どこでしょう。

………シンキングターイム………

………答えは~?………


 ・目の網膜 
   (とっても繊細に毛細血管を巡らせて私たちは「見て」います)
 ・おしっこを濾過する腎臓
   (たくさんの毛細血管を網を巡らせておしっこを濾過しています)
 ・手足の細小血管たち
   (私たちの身体の先端に向かうほど細く密に先まで巡っています)
 
 つまり、それぞれの箇所で、
 毛細血管が損傷されてしまうと起こるのが
 「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」
 
 糖尿病を煩うと必ずそうなると言うわけではなく、
 血糖値のコントロールがうまくいかない状態が続いたときに
 起こる確率が高くなる合併症たち。

 ~これを糖尿病の三大合併症と呼びます。~

 前置きの補足説明は、ココまでにして。


前述の三大合併症のうち
網膜症では眼科の手術を要することがありますし、
腎症では、透析が必要な場合、透析の準備ための手術を要します。
 
と言うわけで、内科的な病気の糖尿病も、
合併症の状態によっては、それが原因で手術に至ることがあり、
手術室で働いていた私も、よくお目にかかる事がありました。

今日のお話は、
三大合併症のうちの1つ糖尿病神経障害
手足の毛細血管が傷つき損なわれることで、
手足の神経障害が引き起こされます。

さらに、
神経障害の症状の状態が良くない状態に至ると、
 
※ココからは少し衝撃的な内容もあるかも知れませんので、
 この記事の最初の※を再度ご一読くださいませ。

損傷部分の切断、という手術に至ることがあります。
前置きが長くなりましたが、今日のお話で登場する場面は、
糖尿病だけど、整形外科の手術です。

手術室の看護師と、糖尿病起因の手術に関わるとは


私が担当させていただいた、
下肢切断の手術に至った患者さん○さん

今でも、なんとも言えない気持ちになる印象深い手術です。
手術自体は整形外科的な切断手術なのですが…

ご想像の通り、圧倒的に、心のケアが必要な状況です。
そういう場面で、私は、心のケアではなく、
手術という場面で、手術室の専門職として関わりました。


さて、手術は、
直接看護師と間接看護師と言って2つの役割の看護師が担当します。

大きな手術では、それぞれの役割の看護師が複数名いたり、
長時間の手術の場合は、交代制で担当したりします。

ここから先は

2,752字

¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?