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日々を書き留めて

40代に入りちょっともの忘れが増えてきた気がする。レンジでチンしたご飯を忘れていたり、「あれなんやった?」って言葉をひねり出すのに時間がかかったり。若い頃には気にも留めなかったけど、年を重ねる現実に直面して考えてみた。

物を忘れるってどういうこと?

頭の中にたくさんの情報が入ってくるから、出ていく情報も当然増えていく。一時的に保持されていたとしても少しずつ記憶は薄まる。
つまり、忘れるとは「頭の中に記憶がとどまらない」ということだ。

記憶がとどまらないことで、不便になることも
確かにあるとは思う。
しかし、忘れられるというのは、不便を感じられることや悪いことばかりではない。捉え方を変えてみると、記憶の新しい余白が生まれるとも言えるだろうし、残すための工夫も生まれると思う。

記憶をつなぎとめる


記憶をつなぎとめる方法を考えてみると、
「書くこと」が有効だと気づく。
手帳やメモ、日記をつけて、書き留める。

書いたら忘れても大丈夫。
そう思えれば心も少し軽くなる。
後から書いたものを見返してみると、
その日の音や色、匂いが記憶と共に蘇ってくる。
書くことで、一度忘れても、出来事の記憶をつなぎとめられるのだ。

言葉との向き合い方

調べる量、入ってくる情報が多くなり、出ていくものも増えていると気づいた。
だったら全部書き留めて、後で見直せば
脳にも定着しやすくなるはずだ。
「あっ、これ前にも出てきた」と、形を変えて何度も登場しているのにも気づけるし、目にも留まる。メモをとったときと、しばらくたってからメモを見返すと感じ方も変化している。
メモをして繰り返して脳にも焼きつけていく。
地道な作業の積み重ね。

私は、「メモ」という形で言葉と向き合うことにした。

日々の記録をとろう


ここからメモを活かして、表現の幅を広げ、相手に届けられる言葉をどのように紡げられるようになれるのか。
あらためて、ライターの大先輩にご相談をした。

「生活の中の言葉を拾って、それをつないでいく。ライターの仕事は、どんな経験も文字に変えて必要な誰かの手に届けられる。生活を言葉にできる者の強みを活かして、一次情報を丁寧に掘り下げていく。これは将来的には取材やインタビューにもつながってくるよ。」

……なるほど。
大先輩からのアドバイスをいただいて、まずは、自己対話を深めていくところから。生活の中の言葉を広げていくことが、遠回りのようで近道なのだと気づかされる。

「日々の言葉集めメモ」
飽きずに続けようと思えるのは、
書いて内側にある言葉に触れるのが
好きだからだとも思う。

最初は、記憶をとどめるための「書く」話だったけれど、ライターとしても日々の記録が生きてくると分かれば希望も湧いてくる。

言葉の先にいるまだ見ぬ相手に届けられるように。




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