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「妊娠しました」と伝える不安と希望と

『デートクレンジング』を読了。

「妊娠しました」と相手に言うのはいつだって緊張する。高校の時からの同級生、友達、上司、同期、子どものいない先輩、独身の後輩、、、。周囲はまず「おめでとう」と言ってくれるけれど、自分の状況が変わることでこれまでの関係性はどう変わるんだろうという不安がよぎる。もしかしたら羨ましいと思われるんじゃないかとか、仕事の引き継ぎが負担になると思われるんじゃないかとか、これから付き合う人が変わるんじゃないかとか。

そんな不安は気にしすぎなくてもいいんじゃないか、関係性は自分が大事にすればどうとでもなるのでは?と思う本だった。

図書館で見かけたらあらすじを知らずともとりあえず借りている、柚木麻子さんの本。今回は「デートクレンジング」を借りてみた。

独身の女性と結婚して妊活中の2人の女性を中心に物語は進む。結婚とか子どもとか少しずつ二人のライフステージが変わっていく中で、友情は続くのか?なんというか大の大人が女子学生のようにお互いを思うばかりすれちがうこともありながらも、それぞれの気持ちを確認していく。変わるものがあっても変わらないものをきちんと築いていけばいいのだと今の自分に言い聞かせておきたくなる本だった。

二人のやりとりのなかで、印象的だった言葉やセリフたち。
※ここからはちょっとネタバレに近いセリフかも。

システムに自分をあてはめるのではなく、自分に合うシステムを作ればいいのは、誰しも同じだ。雇用を探すのではなく、雇用を作り出せばいいのだ。
未来を不安に思うあまり、目の前で起きていることがぼやけて見えた。
あのね、実花。私、ずっとオタクになりたいって思ってたの。オタクっていう言い方は、失礼にあたるのかな。ただね、自分の好きなものにまっすぐになれて、他の人からどう見えるとか、どう思われるとかおかまいなしの、好きなもの以外はどうでもよくて、なにがあっても平気な人になりたかったの。迷いのない人になりたかったの。
私がさっちゃんに出来ることなんて、なくなった気がしたんだよ。でも、私は私で、これまで身につけた何かを使えば、きっと力になれる部分もあるはずなんだよね。やってみる前から、なーんであきらめたんだろう。

こんなにぶつかれる友だちがいるっていいなぁと思いながら、私もまわりにいてくれる人たちとの関係性を大事にしていこうと思った。

このお話に出てくるピラフが美味しそうで、ピラフ食べたくなったなー。

#日記 #読書 #妊婦


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