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脳が霧の中に?意外と身近な「ブレインフォグ」


聞いたことある!?「ブレインフォグ」

商社勤務の40代A子さんのケースです。
春から在宅勤務が推奨され、通勤のストレスがなくなりました。家事や育児への時間がとりやすくなって、生活の質があがるのでは?と思っていましたが、逆に、体調の不安定感が気になっています。
例えば日中の眠気やだるさを覚え、集中力が続かなくなり、また、気分の落ち込みも増えてきた、という具合です。更にオンライン会議のスケジュール調整でダブルブッキングをしてしまい落ち込みました。
同僚に「それってブレインフォグじゃない?」と言われたものの、「ブレインフォグ?聞いたことないわ」と頭の中がハテナ状態に。
A子さん初耳のブレインフォグとは何でしょうか。

ブレインフォグとは、いわば脳が霧ががっている状態です。注意散漫や倦怠感、疲労感が続いていて、本人は「なんとなく不調」と自覚します。
この時点で、睡眠障害やうつ、不安症などに進行しかねない、いわば脳の未病の状態です。コロナ禍においては、非接触型のライフスタイルが推奨され、ブレインフォグと思われる心身の不調が増えています。


脳によい習慣と悪い習慣があります

ブレインフォグの原因は、脳の中の「神経伝達物質(ホルモン)」の調整不足。幸せホルモンのセロトニン、行動ホルモンであるドーパミン、抗ストレスホルモンのコルチゾールなどの、認知と気分に作用する脳内の神経伝達物質の質と量の調整が出来ていない状態です。これは主に、食生活、睡眠、運動習慣、電磁波やブルーライトの影響だといわれています。
ブレインフォグの状態から健康的で集中できる脳に回復するため、意識したいのは2点。「食べ物」と「睡眠」です。

まず、1つ目の食べ物ですが「茶色いもの、良く噛む」と覚えましょう。
白米、パン、麺類など白い主食が多い場合、血糖値が上下しやすく、脳の神経細胞の負担が増えます。玄米、全粒粉、蕎麦など茶色いものをとりいれ、ゆっくりと良く噛んでいただきます。これだけでも血糖値の乱上下が落ち着きます。

2つ目は睡眠。私たちの脳は、睡眠中に神経細胞同士の間にあるスペースが広がります。そして脳脊髄液という脳内をめぐる液体が流れやすくなり、脳のお掃除がすすむのです。よく「寝る前に電子機器を使わないように」と言われますが、それはブルーライトの影響を考えてのこと。脳が「今はオンタイム」だと誤認識して、寝ていても実は脳のお掃除時間外になることを予防するためです。体内リズムが整って、はじめて脳の健康が保たれるのです。


生活習慣をあらためたA子さんは?

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2か月後のA子さんの様子です。ブレインフォグかもしれない、と思ったA子さん。まずは出来ることから、と22時以降はオフラインにしました。睡眠環境を見直し、シーツと枕を快適なものに買い替えました。食事は、夜はほぼそのままでしたが、朝のパン食をやめサラダとフルーツに、ランチは主に十割蕎麦などに置き換え、よく噛むことを心がけました。

そして何より「ブレインフォグ」を知ったことで、漠然とした不安感や焦燥感と、自分を切り離せるようになりました。見直す生活習慣を知り、それを具体的にとりいれてみるだけで、自分でもできることがある、と自信がついてきたのです。2か月前に比べて集中力や気分の落ち込みは大きく改善しました。さらにお肌の状態も綺麗になり、便通も整ったと嬉しいオマケも。

脳が快適な状態にあると、私たちは幸福感を感じやすく、生きやすくなります。ブレインフォグは認知症へ徐々に進行するひとつの入り口、と考えられています。毎日のシンプルな習慣から、快適な脳を育てていきましょう。

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