父が鳥の首を…
虐待サバイバーのゆうかです。
私の父が、犬を虐待した話を書きましたが、今回は鳥の話です。
私が小学生の頃の話です。
ウチで飼っていた様々な動物のうちのひとつに、チャボがいました。父が好きだったようで、ある日嬉しそうに2羽買ってきました。チャボは、ニワトリの種類だと思います。
ウチに来た時は、小鳥だったのかまだ小さくてかわいい鳥でした。
父は、夜遅くまで働き、朝は遅くまで寝ていることが多くありました。
私ちた家族は、小さな公営団地に住んでいましたので、父が寝ているときは、カーテンで仕切られた、隣の部屋で、物音ひとつ立てずに、朝ごはんを食べ、学校の準備をするしかありませんでした。
そんな時、チャボが鳴くのです。
当たり前なんです。朝ですから。
すると、眠りたい父はいつもイライラして「うるさい!!」と怒鳴るのです。
静かに過ごしている私達は、チャボに「お願いだから静かにしてっ!!」と、心の中でひたすら祈っていました。
はじめのうちは、父は怒鳴るだけでした。
怒鳴るといっても、チャボに対してです。それだけでもおかしな話なのに、父は、イライラが頂点に達すると…
なんと!!チャボの首を締めるんです。
チャボはまだ小さかったので、片手でつかめるサイズでした。父は2羽のチャボを、片手で1羽ずつ首を握り締めたのです。
ものすごく恐ろしい光景でした。
子供の私達には、とてもおぞましい光景で、父のその時の狂ったような表情や背中を思い出すとゾッとします。まだはっきりと覚えています。
チャボは苦しそうで、消え入りそうな、か細い声を出してから、声が聞こえくなるんです。しばらくしてから父は手をはなします。殺すことはしないのです。
私達は、この光景を繰り返し見せられることになりました。もちろん、やめてほしいとずっと思っていましたが、父には何も言えませんでした。
子供に見せるには、あまりにも恐ろしい体験でした。
父はどう考えても狂っていました。
チャボの首を絞めて黙らせるなんて、全く意味がわかりません。
私たち子供は、殴られれば黙りますが…まさか鳥も子供も同じ扱いなのかなぁと、考えたのを覚えています。
そういえば、チャボがいついなくなったのか覚えていません。
とても短い間しかいなかったような気がします。成長した姿を見た記憶がないので。
もしかしたら、父が処分したのではないかと思っています。
父は、動物を育てることも教育のひとつだと、よく言っていましたが、おぞましい光景を見せることが、一体何の教育だったのか、全くわかりません。
ただの精神的虐待でしかなかたっと思います。
きっと、父は病んでいたと思いますので、何かに苦しんでいたと思います。理想と現実の狭間で苦しんでいたのではないかなとも思っています。
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