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vol.2 <ミニ四駆をつくって走らせよう> 開催メンバーへインタビュー / YOXO FESTIVAL / NPO法人未来のカタチ


2023年1月27日、28日にYOXO FESTIVAL ~横浜でみらい体験~ が開催されました。NPO法人未来のカタチでは1月28日、『ミニ四駆をつくって走らせよう』という体験型企画を出展しました。
今回は、開催にあたって携わったメンバーへインタビューを、NPO法人未来のカタチ池田がレポートいたします。


□インタビュイー紹介


〇家村 直樹 / まちづくり自動車エンジニア
自動運転のエンジニアというバックグラウンドを持ち、
横浜未来機構でのイノベーションコーディネーターを経て
自身の好奇心に向き合えるプロアクティブな地域活性を行う。


〇岩橋 雪野 / NPO法人 未来のカタチ Founder
機能不全家族や社会的養護で育った経験から高校時に不登校生徒向けの
居場所づくりを始める。
“かわいそうな子どもたちを支援する御涙頂戴な福祉に絶望”し、
現在は“支援と制度の狭間”にはまってしまう子どもたちが
クリエイティブや面白いことをキーワードに自分らしく生きるための
『生きる力』を育むお手伝いをしている。


〇盛田 雄介 / DNP 大日本印刷  
2009年~:大日本印刷(DNP)入社
様々な分野(金融、IoT、モビリティ等)どのセキュリティサービスの企画に従事。
2022年8月~2023年1月:横浜未来機構
ローンディールの「レンタル移籍」を通じて、横浜未来機構へ。
地域企業と連携してイノベーション創出や市民参加型のイベントを企画・開催。
2023年2月~:大日本印刷(DNP)
DNP帰任後は、金融関連で新規サービスの企画等に従事。

〇自動車デザイナーN氏 / コンテンツ提供者 

□インタビュアー紹介


〇池田 結香 / NPO法人未来のカタチ
「毎日にもう1つのフィールドを」をキーワードに活動する、
まちにほけんしつをつくりたい現役大学生。
高校生の頃、夢を還るキャンパス(現:NPO法人未来のカタチ)と出会い活動を始める。
将来の夢は養護教諭。


□インタビュー

■『今回のイベントでは、バキュームフォームを使用し、ミニ四駆を作成したかと思います。未来へ向けて、バキュームフォーム、そしてミニ四駆にはどのような可能性があると思いますか。』

(家村)ミニ四駆を通じて、新しいものに挑戦すること。それはコンテンツの発展だけでなく自分の可能性や挑戦を深めることへとつながると思います。また、新たなことへ挑戦することで、人とのつながりの輪も広がっていきます。ミニ四駆やバキュームフォームといった、一瞬でハマり、虜になるものに触れることは、もっとやってみたいといった刺激へとつながっていくのではないでしょうか。

(岩橋)可能性しかないと思います。バキュームフォーム、ミニ四駆の特徴は、考えや思考をそのまま形に表現しやすく、また量産しやすいことにあると考えます。だからこそ、つくったものを手元に残すだけで終わらず、量産し多くの人に発信できるという可能性もあると思います

(盛田)最初のものづくりのきっかけとなると思います。上手くいったこと、いかなかったことを自身で痛感し、そこからさらに発展させていく。手触りで感じた学びや体験は、今後のものづくりに対する好奇心へとつながると思います。

(N氏)両者ともに手軽にモノづくりの楽しい部分の神髄を簡単に体験できるメリットがあります。アクションと結果が分かりやすいところです。ミニ四駆は組み立てれば飾るだけでなく走るという機能に!バキュームフォームは平面が立体にと両者ともに行動から何かにつながる瞬間を体験できます。

ミニ四駆のメリットの一つとして、自らの力でもはじめやすい点にあると思います。だからこそ、“ものづくり“に触れていくにあたってのひとつのきっかけとなりうるのではないでしょうか。また、自分がつくったものが実際に走るという体験は、より良くするためにはといった、アイディアをブラッシュアップする体験のひとつとなるはずです。
考えや思考を量産しやすく発信ができることは、自分のアイディアを見てもらえるだけでなく、他の新たなアイディアを受信しやすいという可能性も秘めていると思います。

■『このミニ四駆のイベントに携わったスタッフ、そして参加してくださった方々との触れ合いを通し感じた驚きやわくわく、発見、未来へ向け感じた可能性はありますか。』


(家村)ヨコハマには、考えを発信できる、伝えることのできる人がとてもたくさんいます。そして今回のイベントは、普段生活しているだけでは体験できない、マイノリティのコミュニティ、技術がとても多く出展していました。親子で参加されている姿、特に保護者の方が熱心にコンテンツとコミットしている様子を見て、発信できる人だけでなく、コンテンツに興味を示す感度が高い人がとても多いと感じました。

(岩橋)プログラムを設定する際、大人はミニ四駆を走らせ“レースをする”ということにこだわっていました。しかし、子どもたちは、“走らせる”ということに興味を示し、わくわくしていました。その姿を見た際、新たな体験がもたらす集中力のすごさを感じたとともに、新たな経験をすることの楽しさを軽んじていたと感じました。子どもたちの視点に立って考えていたつもりが、知らず知らずのうちに大人の尺度が出来上がっていることに気付かず、大人の尺度ではかっていたことを痛感し、悔しさもありました。

(N氏)『ミニ四駆をつくって走らせよう』という本イベントへは子どもたちがとても多く参加されていました。YOXO FESTIVALは多くの会場にわたり出展されていましたが、各会場の様子を通し、会場ごとに個性があり、カラーがあったように感じます。

私自身、今回のYOXO FESTIVALは、ほかの団体の方のアイディアや考え方に触れ、吸収し、思考するきっかけとなりました。お話を直接聞くことが出来たことで、考えや発見が深まったように思います。
また、参加してくださった方が、バキュームフォームで車の型が出来ていく様子を見て「おぉ!」と反応をくださった方がとても印象的でした。新たな発見や驚きに触れた瞬間を共にすることができ、自分のものさしもさらにアップデートされました。

■『新たなアイディアや技術を目で見て実際に体験し、生で触れることにはどのような意味や価値があると思いますか。』


(家村)考える、知識を得ることだけではなく、それをアウトプットする場所が私は必要だと感じています。ものづくりにはリアルが伴います。そのような場面では、見ること、観察することがアウトプットする場となります。だからこそ、手を動かすこと、ものづくりは必要であり、これからも残していってほしいと思います。

(岩橋)人とのコミュニケーションへとつながると思います。実際に体験し、自分の作ったものに対して周囲からほめてもらえることは、成功体験へとつながります。そして、人がつくったものに触れることで、多角的な視点を自らの力で見つけることが出来ます。この、自らの力で見つけるということが価値へつながってくるのではないでしょうか。

(盛田)実際にたくさん体験した方が自分の選択がゆるぎないものになります。靴を買う場合も、ネットで見ているだけと、実際に何足も履いて決めるのでは満足度が違うはずです。たくさんいろんな経験をした方が、きっと自身が楽しめる将来を決める選択にも影響するはずです。

(N氏)頭の中を出力することはとても大切です。出力することで、新しい欲求へとつながっていきます。また、トライ&エラーを繰り返すことは、自分自身の財産となり、未来へとつながっていくのではないでしょうか。

私自身、一人の活動者として何かを発信する世界に飛び込んだ時は、知識ばかりが先行してしまっていました。しかし、たくさんの方と出会いお話を聞いたり、バックグラウンドに触れたり、子どもたちと交流したりすることで、少しずつ、“リアル”をつかみ始めました。そして、自分の思考がよりクリアになり、新しく取り組みたいことにもつながっていきました。実際に体験し生に触れることは、自分の思考と結びつけてアウトプットすることにも、そして自分をアップデートすることにもつながるはずです。
そして、私の世界では普段の生活を同じように繰り返しているだけでは出会わなかったかもしれない人とのコミュニティも増えていきました。実際に触れることは、コミュニケーションをとるきっかけの一つとなり、コミュニティが増えていくきっかけの一つともなると思いました。

■『今回のイベントも含め、今後新たな技術がさらに生み出され浸透していくかと思います。変化していく未来に対し、必要となる力や価値観、感性等は何だと思いますか。』


(家村)原動力には欲や怒りなど様々なものがあります。しかし、今の世界に必要なのは好奇心だと考えています。個人で様々なものが具現化できるこの時代。だからこそもっと好奇心を大切にしていくことが必要ではないでしょうか。

(岩橋)戻る勇気、退化する勇気だと思います。変化する世の中で、多くの人は前ばかりを見て、前ばかりを考えて過ごしているように思います。そしてその結果、昔、普通にできていたはずのことが出来なくなっていくのです。だからこそ、時には戻る勇気が必要だと思います。

(盛田)知ってもらうこと、認知してもらうことだと思います。そしてそれを発信していく力も重要ではないでしょうか。また、視点を広くアンテナを持ち、柔軟に考え、得たものを受け入れてみることがまずは大切だと思います。

(N氏)即動力と柔軟性。価値観のスピードは年々加速しています。自分が経験してないことを否定するよりいろんなことをやっちゃう人の方が確実に楽しい人生になると思います!自分で過去の自分をアップデートできる更新力も人生を楽しむスキルかもしれません。


好奇心を持って挑戦していくこと、戻る勇気、発信力、即動力、柔軟性…。全て新たな未来に必要なものとしても、実際の生活へそれらを落とし込んでいくのは容易ではないかもしれません。しかし、きっと落とし込んでいく物事は必ずしも壮大で大きなものでなくてもよいのではないでしょうか。読もうか迷っている本を読んでみる、子どものころは楽しんでいたけれど大人になったからと離れてしまった遊びにもう一度触れてみる。自分の趣味をSNSに投稿してみる、少し気になっているお店に思いきって寄ってみる。そのような些細なきっかけが、自分の人生を豊かにしてくれるかもしれません。それこそが、新たな未来へと少しずつつながっていくと私は思います。

□最後に

 今回はYOXO FESTIVAL ~横浜でみらい体験~ において開催した、『ミニ四駆をつくって走らせよう』について特集してきました。
 イベントを開催したことで、新しい技術に触れることでより膨らむ発想に驚かされました。ミニ四駆、バキュームフォームという個々の技術を掛け合わせることの面白さも感じました。そして何より、新しいものに触れることで生まれる“楽しい”、“もっとやりたい”という感情は、すべての物事においての原点であり頂点である原動力ではないかと考えさせられました。
  そして、新たなものへ触れること、挑戦することが生み出す可能性にも触れることが出来ました。しかし、挑戦することへの第一歩のハードルは高い時もあると思います。私は、昨日より今日、今日より明日の自分を好きになれるように、目標を逆算して、今日出来る小さなことから取り組んでいきたいです。
 子どもから大人。成長することで新たな世界を目にする機会も、そして触れる機会も増えていきます。見える視点、見えなければいけない視点が増えていくことで、私たち自身が持つ物事に対するものさしは、良くも悪くも変化している、今回のイベントではその事実を肌で感じる機会にもなりました。自身のものさしの変化を無理に止める必要はないのかもしれません。むしろ変化させなければならないものなのかもしれません。変化し続ける社会の中で私は、新しいものに触れることへのわくわくを忘れずに、ものさしは変化するということを理解したうえで、日々と向き合い続けいきます。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


〈「毎日にもう1つのフィールドを」まちにほけんしつをつくりたい現役大学生〉
池田結香