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Rolling Stones「It's Only Rock 'N Roll」(1974)

ミック・テイラー在籍最後の素晴らしき名盤

ローリング・ストーンズというと根っからのワンパターンロックンロールというイメージが先行していたため、特に70年代のストーンズのアルバムって十数年前まで一枚も聴いたことがありませんでした。
ただ本作をきっかけに次々と購入。特に本作の、ファンク色の強いかっこいいストーンズに当時感動したものです。

ミック・テイラーは初期ストーンズのリーダーであったブライアン・ジョーンズの代わりに加入したギタリストで、1971年の「Sticky Fingers」、72年の「Exile on Main St.」、73年の「Goats Head Soup」、そして本作の4枚のスタジオアルバムに参加。これらは非常に充実したアルバムとして評価が高く、後にミック・ジャガーもローリング・ストーン誌のジャン・ウェナーとの1995年のインタビューで、ミック・テイラーがメンバーだった時期がバンドの最も音楽的に充実した時期であったと認めております。

そのミック・テイラーのベース(本来はギタリストですが)が炸裂した⑩「Fingerprint File」がなんといっても刺激的です。本来アルバムラストの曲からご紹介するのはご法度ですが、この「Fingerprint File」は従来私の持っていたストーンズのイメージを覆す素晴らしい1曲なので、敢えて先にご紹介します。
ファンクを見事にストーンズ・ミュージックに昇華した名曲。よく動くミックのベースラインと、ざっくりとえぐるようなキースのカッティングギター。チャーリー・ワッツのドラムは相変わらずねちっこい。エンディングでのミック・ジャガーの語り・・・。どれもかっこいい・・・!
これは素晴らしいですよ。

もちろんこのアルバム、1曲目からノリノリのストーンズナンバーが続きます。①「If You Can't Rock Me」はサビがなんとなく「Get Off Of My Cloud」に似てます。この曲も間奏部分にはファンク色が漂ってますね。これぞストーンズ、かっこいい~。

表題曲③「It's Only Rock 'N Roll (But I Like It)」はあまりにも有名な1曲ですね。久しぶりにこの曲を聴いたのですが、いや~、モロにT.REXですね(笑)。これを初めて聴いた青年時代は、そんなことには気付きませんでした^^。というよりもブギーを商業的に認知させたのがT.REXであり、ストーンズ自体は別にT.REXを意識していたわけではないと思うのですが・・・。

このアルバム、①~③で完全に、のめり込んでしまいますね。
④「Till the Next Goodbye」ではその流れをクールダウンさせるべく、フォーキーな仕上がりとなってます。

⑤「Time Waits for No One」はミック・テイラー色が強いのでしょうか? 彼のウェブサイトのタイトルは「Time Waits for No One」なんですね。
確かに従来のストーンズのイメージとは違うアーシーな作風です。

本作、なかなか味のあるアルバムですが、本作を持ってミック・テイラーは脱退。ただし仲違いをした訳ではなく、後にキースのソロに参加したり、ストーンズのコンサートにも参加したりしています。

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