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キャンディーズ「ふたりのラブソング」~Steve Eaton「Hey Mr. Dreamer」(1974)

先日キャンディーズの洋楽カバーで少し盛り上がったので、もう1曲、洋楽、カーペンターズのカバーで私の大好きな曲をアップ致します。その曲とはカーペンターズの8枚目のアルバム「Passage」に収録された「All You Get from Love Is a Love Song」。邦題「ふたりのラブソング」。

キャンディーズ、特にミキちゃんが洋楽ファンであることは有名な話で、キャンディーズのオリジナルアルバムでも、結構洋楽カバーありますね。この曲は1977年9月21日、15枚目シングル「アン・ドゥ・トロワ」のB面。いちばん歌唱力のあったミキちゃん、渾身のカバー。実はこのカバー、オリジナルはカーペンターズではなくスティーヴ・イートン。今回はそのオリジナルバージョンが収録されているアルバムをご紹介致します。

ジャケも時代を感じさせます。彼の着ている服もSSW系アーチストっぽい(笑)。このジャケの通り、そのサウンドは優しくて素朴。ハートウォーミングなんですね~。

スティーヴ・イートンは1972年、ビル・ラバウンティも在籍していたファット・チャンスというバンドでメジャーデビューを果たします。このファット・チャンス、6人組のバンドなんですが、正直スティーヴ・イートンの繊細なイメージを想像すると全く裏切られます。かなりハードなカントリーロックって感じでしょうか。プロデュースはJay Senter。本作やビル・ラバウンティのソロもこの人のプロデュースです。

さて、本作参加のミュージシャンですが、コレがまた名手揃いなんです。ギターにディーン・パークス、ベースはリーランド・スカラー。ドラムはジム・ゴードン。キーボードはラリー・ネクテルマイケル・オマーティアン。なかなかそそられるメンバーですよね。

後に彼を一躍有名にした先のカーペンターズがカバーした⑩「All You Get from Love Is a Love Song」を先にご紹介しておきます。歌詞といいメロディといいセンスを感じさせます。原曲はすごくフォーキーで味わい深いバージョン。キャンディーズはカーペンターズのバージョンをカバーしてますね。個人的にはスティーヴの素朴なバージョンが好きです。

爽やかに始まるアルバムタイトルトラックの①「Hey Mr. Dreamer」。後にヒットしたランディ・ヴァンウォーマーの「アメリカン・モーニング」を思わせるようなイントロ、軽快なアコギのアルペジオ、日本人好みの優しいメロディとサビ。スティール・ギターも胸に染みます。いいですね~。

次ぐ②「Beatin' Me With Kindness」も同系の曲。マイケル・オマーティアンのフェンダーローズの調べが心地いい。この時代のSSW系の音、大好きです。

そして泣きのバラードの③「Rag Doll」。云わずと知れたアート・ガーファンクルのカバーで有名になった名曲。アートのバージョンが収録されたアルバムBreak Awayは超名盤でしたね。ちなみにこの曲を最初にカバーしたのはカントリー歌手のサミー・ジョンズ。1973年に発表しているので、スティーヴは本作でセルフカバーしたことになります。

ぬいぐるみのように愛らしい幼馴染に恋した少年が夜毎、

♪ And Bring Back The Rag Doll To Me ♪

と思いを募らせます。なんかポエムというか…、ドリーミーな詞ですよね。

ちょっと毛色の違う曲もアップしておきます。ドブロ・ギターが非常にカッコいい④「Movin' On」。スティーヴってきっとカントリーがお好きなんだなあと思わせる1曲。こういう曲もいいですよね。

スティーヴが1980年に発表した「Steve Eaton」はAORの名盤として知られていますね。こちらは近日中にアップ予定です。
YouTubeにはスティーヴ自身のチャンネルがありました。そこには今のスティーヴの音楽を楽しむ姿がアップされております(2016年の映像)。せっかくなので、彼がブルーグラスを楽しむ姿をどうぞ。最高ですね~。


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