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Vanilla Fudge「Vanilla Fudge」(1967)

サイケなロックが聴きたくなり…、今日はヴァニラ・ファッジです。
1960年代後半、アート・ロックというジャンルのバンドがロック界を席巻しました。クリームやジミ・ヘンドリックス、ドアーズなんかがそれらの代表格でしょうか。そして忘れてならないのがヴァニラ・ファッジ。
私にとっては名ドラマーのカーマイン・アピスが在籍していたバンドとして、その名を記憶に留めておりますが、彼等のアルバムはじっくり聴いたことがありませんでした。
それがたまたま10年くらい前にオフで500円で売られているのを発見。早速購入し、じっくり拝聴。当時、実にサイケしていて、ぶっ飛んだ記憶があります。

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このデビューアルバム、実はインタールードの楽曲以外は全てカバーなんですね。このヴァニラ・ファッジ、原曲をぶち壊すようなカバーをしております。しかも10年以上前の楽曲のカバーではなく、比較的当時のつい最近のヒット曲を見事なまでにオリジナル的にカバーしているんですね。まさにぶっ飛びます。

その凄いアレンジがいきなり1曲目。この曲、題名を聞かなければ、イントロではその曲のカバーとは思えないでしょう。その曲が①「Ticket to Ride」。
ビートルズの楽曲ですね。かなりサイケでハードロック的にキメてます。意外とコーラスもサマになっているんですよね。

2曲目はインプレッションズのカバー、なんと②「People Get Ready」。
ここでもコーラスがいいアレンジとなっております。こうした斬新なアイデアはリードヴォーカル兼キーボードのマーク・スタインによるものでしょうか。

そして③「She's Not There」。云わずと知れたゾンビーズの名曲。
これもまたイントロがサイケしてますね。カーマイン・アピスのドラムは自由奔放に暴れまくってます。

彼らの代表的なヒット曲といえば⑥「You Keep Me Hanging On」でしょう。モータウンを代表するシュープリームスの大ヒット曲。1966年11月に全米No.1を記録してます。つまりほぼリアルタイムにカバーしているんですよね。ホントに大袈裟なアレンジです。
アップした映像、マークがやたらと左手を振りかざすのが気になってしょうがありません。振り付けの一種でしょうか(笑)。ギターのヴィンスはマラドーナでしょうか・・・。
このヴァニラ・ファッジのヴァージョン、エンディングに向かっていくエネルギーがとてつもなくパワフルです。

エンディングはまたしてもビートルズのカバーです。それも大胆にも⑩「Eleanor Rigby」をカバーしております。これも正直3分過ぎに入ってくる歌を聴くまでは、それがEleanor Rigbyだとは全く分かりません。彼等なりの解釈ですね。

当時ヴァニラ・ファッジはドラムのカーマイン・アピスとベースのティム・ボガードの強力なリズム隊が業界において注目を集め、そんななかジェフ・ベックが彼等に惚れ込んていきます。
そして1969年8月、ギターのヴィンスが急病で倒れ、その代役になんとジェフ・ベックが参加します。そのときに収録されたらしい1曲がコカコーラのCMソングです。なんだか彼等のようなバンドがCMソングを歌うというのは違和感がありますが、音源がありましたのでアップしておきます。
ホントにジェフが弾いているのか分かりませんが、確かに強力なギターです。
後にジェフは見事に彼等とバンドを組むに至ったことは皆さん、周知の事実ですね。


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