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Rainbow「Straight Between The Eyes」(1982)

リッチー・ブラックモア率いるレインボーの6枚目のアルバム。
レインボーのヴォーカリストはロニー・ジェイムス・ディオグラハム・ボネット、そしてジョー・リン・ターナーと続きますが、ジョーは過去2人の強烈な個性と較べると、幾分ノーマルなヴォーカリストと見られても仕方ないでしょうね。
レインボーはあくまでもリッチー・バンド。リッチーのやりたい音楽をやっているバンドですから、その時代、その時代によってリッチーの嗜好も変化し、このときのアメリカン・ロック・バンド的な嗜好にはジョーが一番フィットしているかもしれません。

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1曲目のスピーディーな①「Death Alley Driver」はイントロから効果音が平常心ではいられなくさせ、ボブ・ロンディネリのドラムから始まる名曲です。
個人的にはボブのドラムは好きではありません。とてもリズミカルで手数も多く、恐らくテクニシャンなドラマーだと思いますが、やっぱりハードな力強さを感じさせるコージーの後釜ということが印象を悪くさせているのかもしれませんが・・・。コージーが叩く「Death Alley Driver」も見てみたかった・・・。

②「Stone Cold」はシングルヒットしたアメリカンロックチューン。というかフォリナーそのもの。この曲を聴くたびにフォリナーとそっくりだなあと思ってしまいます。
この当時、新たにレインボーファンになった方々には好評だったこの曲、個人的には当時レインボーもそうなってしまったのか・・・と複雑な心境でした。今、聴くと、なかなかいい曲ですね。
今となっては懐かしい当時のPVをどうぞ。

従来のレインボーファンも納得の③「Bring on the Night (Dream Chaser)」は、これぞレインボーサウンドといった感じのサビがポップですがハードな楽曲。イントロはハイハットでボブが軽快にシャッフルビートを刻んでおります。こうしたシャッフル系はボブのプレイが実にいきいきしております。

私がこのアルバムで一番大好きな楽曲が⑥「Power」。ジョー、はじけてますね~。リッチーのカッティングギターが非常に心地よく、実にかっこいい。ファンには不評の曲のようですが、私は大好きですよ~。
ここでのボブもいいドラム叩いているじゃないですか~。リッチーのソロプレイにおいては、スネアを連発するリズミカルなプレイでしっかり自己表現してます(笑)。
白熱のライヴ、でもジョー、歌い始めを間違ってしまってます(それとも最初のは掛け声?)。この曲、ジョー在籍時の楽曲のなかでも一番好きかもしれません。

エンディングの⑨「Eyes of Fire」はリッチーの中世趣味が色濃く反映された、御馴染みのパターンの楽曲。このアルバムを語るとき、多くは「Death Alley Driver」「Stone Cold」が素晴らしいと挙げられますが、このエンディングの「Eyes of Fire」もなかなかだと思うのですが。
(なかにはこの曲だけ浮いているとか、この曲の影響でアルバムが散漫な印象となっているとか、そういうコメントも見受けられますね)

前作同様アメリカ市場を意識しつつも、リッチーの個性が発揮されたアルバム。そういった意味では非常にバランスの取れたアルバムです。

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