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Paul McCartney「Tug of War」(1982)

ポール・マッカートニーがファイナルツアーとして10月に来日!なんていう噂もありますね。年齢も考えると、本当にファイナルかもしれません。

ということで今回は80年代にビッグヒットしたポールのアルバムをチョイスしました。
ポールのアルバムって、正直完成度は高くない。ポールファンを自認する私でさえ、そう感じます。個人的には名作「Venus And Mars」も多少の駄作が収録されていると感じます。
ですから特に80年代以降のポールのアルバムって、真面目に聴いたことがありません。この「Tug of War」も、発表された当時はリアルタイムに洋楽を聴いていたにも関らず、聴いたことがなかったんですね。
数年前に縁あり、再チェックしたのですが、これが結構イイ。本来のポール節が随所に聴けますね。

当時⑫「Ebony and Ivory」がヒットしまくったので、次のシングル②「Take It Away」の存在が薄かったと思いますが、私は当時からこの曲が大好きでした。久しぶりにこの曲を聴きなおし、やっぱりいいなあと惚れ直しました(笑)。
メロディはポールらしいポップチューン、でもこの曲の良さはアレンジにあります。イントロはスカ風なリズム、と思ったらカントリータッチなピアノに導かれ、軽快なリズムに。しばらくすると豪快なホーンが・・・。この素晴らしい楽曲のドラムはリンゴ・スタースティーヴ・ガッド。タイトで、リズミカルな訳が理解出来ました。ベースはポール自身? それともスタンリー・クラークでしょうか。相変わらず面白いベースです。
そしてこの曲の最大の聴き所はエンディングの3分20秒あたりの分厚いコーラス、それに絡むホーンだと思ってます。素晴らしい!

④「What's That You're Doing?」は一聴してスティーヴィー・ワンダーと分かるファンクナンバーです。
そう、このアルバムには「Ebony and Ivory」だけではなく、この曲でもポールはスティービーと共演しているのでした。こちらは80年代R&B。絶対ポール単独では作れない音です。こうした異色作が収録されると、アルバムも通して聴きやすくなりますね。

ジョンへのオマージュが⑤「Here Today」。
アコギと弦楽器のみのアレンジは「Yesterday」と同じ。そしてもちろんこのアレンジはジョージ・マーティンです。私は「Yesterday」よりも「Here There And Everywhere」を想い出してしまいました。それからビーチボーイズにも同タイトルの楽曲があります。
ポールはビーチボーイズの「ペットサウンズ」が大好きですから、間違いなくビーチボーイズの「Here Today」も頭にあったと思われます。

⑨「Get It」ではポール憧れの人、カール・パーキンスがポールとデュエットしてます。
間奏のギターソロは如何にもカール・パーキンスらしい。ビートルズはカールの「Matchbox」「Honey Don't」「Everybody's Trying To Be My Baby」等のカバー曲を発表してますね。そしてなぜかそれぞれヴォーカルはリンゴ、リンゴ、ジョージとポールはカールのカバー曲ではリードヴォーカルを取っていません(笑)。

ちなみに地味な⑪「Dress Me Up as a Robbe」って曲、イントロがちょっとスペーシーな曲なんですが、ここでのドラム、パラディドルを駆使したカッコイイ、ドラミングなんですが、やっぱり叩いているのはスティーヴ・ガッドだったんですね~。妙に納得。ポールのヴォーカルは裏声でしょうか。それともヴォーカルはリンダ?? スパニッシュギターのアレンジもgood。

もう聞き飽きたと思いますが、やっぱりイイ曲なんでアップしておきます、⑫「Ebony and Ivory」。このPVは当時、ガンガンにオンエアされてました。でもこの映像、2人は合成とのこと。ポップスとしても超一級品の作品。エンディングでスティーヴィーが「Ivory(白鍵)」、ポールが「Ebony(黒鍵)と歌っているところがミソですね。

う~ん、やっぱりポールらしいバラエティに富んだアルバムですね。80年代の名盤。

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