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Eric Justin Kaz「Cul-De-Sac」(1974)

ここ数日、エリック・ジャスティン・カズのセカンドアルバム「カル・デ・サック」をよく聴いてました。これは以前ご紹介した彼のファーストアルバム「If You're Lonely」 (1972)をヤフオクで購入した際に、あわせて落札したもので、ファーストのついでに購入した、というのが実態でした。
でもじっくり聴いてみると、こちらのグルーヴ感が好きだったりします。リトル・フィートのポール・バレルジム・ケルトナー、そしてバーナード・パーディーデヴィッド・T・ウォーカーといった黒人グルーヴ感満点のミュージシャンが参加していたりしてるのですね。

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私のお気に入りはなんといっても③「There Is No End」。とってもアーシーで土臭い感じがなんとも心地よいのです。
ここで聴かれるスティール・ギターはスニーキー・ピート。泥臭いドラムはジム・ケルトナーでしょうか?
私が所有しているCDは各楽曲の演奏クレジットがないので、分かりませんが、どの楽曲も演奏が秀逸で、そのグルーヴ感に酔いしれてしまいます。

あと妙に心に残るのが⑥「My Love Will Never Die」。私はこのテのほろ苦い感じのメロディに滅法弱いのです。実に味わいのあるメロディですね。エリックのヴォーカルがなんとも頼りなく、かつ危なげな感じですが、それがまたこの楽曲には合ってます。
永遠の愛を誓った素晴らしいバラードです。

この美しいバラードの声と⑧「I'm Goin' Down Slow」でのダミ声ヴォーカルは、とても同一人物のものとは思えません。
というか「I'm Goin' Down Slow」はニューオーリンズ風サザンソウル的な楽曲なので、わざとそういった歌い方をしていると考えられます。
これもそのテの楽曲が大好きな方には堪らない1曲でしょう。楽曲の後ろで終始鳴っているクラリネット(?)が効果的。

でもいろいろ申し上げても結局はこの1曲にこのアルバムのよさは収斂されるのでしょう。それが⑩「Come With Me」。
間違いなくデヴィッド・T・ウォーカーのギターと思われるプレイ、それが華麗で、見事なカッティングでとってもかっこいいのです。そして全体に流れるグルーヴ感。スゴイですよ、このグルーヴ。しょぼいステレオでは分かりませんが、ウォークマン等で聴くと、ベースも凄いんですよね。誰だ、このベースと思い、クレジットを見ると・・・、ゴードン・エドワーズ。おお、納得・・・。
プチオザケンファンの私が申し上げるまでもなく、この曲、小沢健二の大ヒット曲「ドアをノックするのは誰だ?」に似てますが、オザケンはこちらよりもジャクソン・ファイヴの「I Will Find A Way」をパクッたのかなと。ということは「Come With Me」と「I Will Find A Way」も似ているということか(笑)。

しかしこんな素晴らしいシンガーソングライターが、日本では全く認知されていないのが残念です。毎度のことながら、最近の薄っぺらい邦楽(なかには例外あり)よりも、こうした味わい深い音楽を聴けと言いたいですね。

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