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The Beatles「Magical Mystery Tour」(1967)

私にとってのビートルズは聴く音楽の間口を拡げてくれた恩師みたいな存在。このアルバムが発表された時点では、私はまだ生まれてませんが、後追いリスナーとして、ビートルズはモンキーズとともに愛聴してきました。
ビートルズのアルバムはどれも名盤であり、また初期・中期・後期とビートルズ自身も変化していき、なかなか味わい深いアルバムが多いんですね。

ということで今回は「マジカル・ミステリー・ツアー」を紹介したいと思います。

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1967年6月、ビートルズはロック史上、最高峰の名盤「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を発表します。
「サージェント・・・」のレコーディング終了後、この年の4月にポールが映画「マジカル・・・」のアイデアを思いつき、レコーディングを開始。
映画自体は具体的な計画、ストーリーもなく、ビートルズがバスで旅をするという内容で、12月にBBCテレビで放映されたもの。映画の内容が難解であり、あまり受け入れられませんでした。

本作はそのサウンドトラック盤。正確には①~⑥がサントラ、⑦~⑪がシングルを集めたもので、米国の編集盤ですね。
アルバムのストーリー性でいえば、「サージェント・・・」や「アビーロード」のほうが断然魅力的なのですが、各々収録曲のポップス度からいえば、本作もかなり秀逸だと思います。

サントラでは⑤「Your Mother Should Know」(ポール作)と⑥「I Am The Walrus」(ジョン作)におけるポールのポップセンスとジョンのサイケ的な音作りの対比が面白い。特に「I Am The Walrus」におけるリンゴのバックビート感覚はスゴイですね。

後半はシングル集だけあって名曲ぞろい。個人的には幼少時代から大好きな曲が⑦「Hello Goodbye」。ポールもポップスセンスが十分発揮された曲。覚えやすいメロディ(サビがドレミファソラシド…となっていることはあまりにも有名な話ですね)、ベースもポールらしい。CDライナーノーツにも書いてありますが、ここでのリンゴのドラム・プレイも秀逸。
一旦フェイドアウトして、今度はリズムを裏打ちしてカントリータッチに仕上げるあたり、如何にもビートルズらしいですね。

⑧「Strawberry Fields Forever」はジョンの代表作のひとつ。逆回転のシンバル音、メロトロンなど、斬新なサウンドなのにキャッチーなメロディで、これも大ヒットしました。
ここでのリンゴのドラムも冴えてます。「おかず」の打ち方など、独特のグルーヴ感が出てますね。
この曲もフェイドアウトして、また曲が始まります。幼少時代はこの部分は聴くのが怖かった記憶があります。

⑨「Penny Lane」。こちらはポールの代表作のひとつ。ピッコロ・トランペットがいい味を出してますね。

そして最後はビートルズの曲のなかでも人気の高い⑪「All You Need is Love」(愛こそはすべて)。オープニングがフランス国家の旋律であることは有名ですね。
「Love」を素直に歌ったジョンらしい名曲。1967年6月25日。史上初の衛星生中継テレビで、世界24カ国へ向けて放送された曲。番組のためにジョンが書きおろした曲ですが、これ以上ぴったりくる曲はないですね~。
コーラスにはミック・ジャガー、キース・リチャーズ、エリック・クラプトン等が参加。エンディングでは「イエスタディ」「シー・ラブズ・ユー」も飛び出します。ジョンの神がかり的な詩・メロディと、ポールの洒落っ気が融合した名曲ですね。
アップした映像はバッキンガム宮殿にオールスターが勢ぞろいしたもの。ロッドやジョー・コッカーは分かりますが、ジョーの右にはなんとブライアン・ウィルソン!!クィーンのメンバーいるし、誰がいるのかチェックするのも面白い映像です。

やはりこうした聴いてみると、ポップスとしてレベルの高すぎる曲集ですね。やっぱりビートルズはいいなあ。

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