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John Lennon「Double Fantasy」(1980)

ジョン・レノンの生前最後の作品。名義ははジョンとヨーコとなってます。
永いブランクの後、ジョンは本格的に音楽活動を再開し、この作品を制作します。
私が洋楽を聴き始めたまさにその頃、1980年12月8日、ジョンは亡くなってしまいました。そして「Woman」がヒットし、ジョージの「All Those Years Ago」がヒットしました。私にとってこのアルバムは、近くて遠い存在。リアルタイムに洋楽を聴き始めた直前の作品ですが、アルバムを通して聴いたのは、それから30年近く経った頃。それまで通して聴いたことがありませんでした。

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このあまりにも有名なジャケットは篠山紀信氏によるもの。
そして本作、すべてはこの1曲目が象徴しておりますね。名曲①「(Just Like) Starting Over」。ミディアムテンポのロックンロールとでも言いましょうか? 
ジョンの置かれた立場と詞が見事にシンクロして、ジョンの気合が伝わってきます。また音楽的なキーとなっているのはドラムスのアンディ・ニューマークでしょう。もちろん言わずと知れたスライ&ザ・ファミリー・ストーンに在籍していたファンクドラマー。そのアンディのタメを効かせた重いドラムが、この楽曲を引き締めてます。ベースはトニー・レヴィン。後にキング・クリムゾンに加入するテクニシャンですね。
この詞とリズム隊が心地いいです。私が洋楽を聴き始めた頃、この曲は大ヒットしておりました。

そして突然ヨーコの怪しげな囁きが・・・。いやな予感が・・・。②「Kiss, Kiss, Kiss」はヨーコの作品。
このアルバム、そもそもジョンとヨーコの楽曲が交互に収録されているもので、あくまでもジョンのソロ作ではなく、ジョンとヨーコの作品なのです。
通勤時間にこのアルバム聴くと危険です。特にヨーコの楽曲、もっというとこの②「Kiss, Kiss, Kiss」は危険過ぎます(笑)。通勤時間中、この曲がかかると、どんなに眠くても目が冴えてしまい、唐突にこの曲を飛ばしてしまいます。さすがのヨーコもこのレコーディングでは男性の目を気にして、スタジオを真っ暗にしたとか。

ファンの間では人気の高い⑦「Beautiful Boy (Darling Boy)」は息子ショーンに捧げた楽曲。
トロピカルでエキゾチックなバラードでアレンジが見事です。そういえば昔、ホンダのフリーダのCMにショーンは出演してましたね。もう彼もすっかりおじさん顔してますが・・・。

そして私のビートルズソロ作の第1位として挙げたい⑩「Woman」。ポール派の私でも、コレは素晴らしい曲と感じます。こんな素晴らしい楽曲が他にあるでしょうか? 
歌詞、メロディ、アレンジ、どれも素晴らしいポップスです。ジョンらしい女性賛歌ですね。これを聴いた当時、私は中学生でしたが、そんな坊主のときですら「なんて美しい曲なんだろう」と思ったものです。
特に後半の曲が転調するところなんかグッと来ますね~。

⑫「Dear Yoko」はジョンらしからぬ明るさでいいですね。
ヴォーカルも少しふざけた感じだし、肩の力の抜けたリラックス感がいいです。本作は(特にヨーコの楽曲は)少しトーンの暗い楽曲が多いのですが、この曲は清涼剤のような1曲ですね。

ヨーコの楽曲をどう評価するのか賛否両論あるアルバムですね(私は苦手です)。あえて交互に収録した理由がよく分かります。

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