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Traffic「Mr Fantasy」(1967)

今回はスティーヴ・ウィンウッドがリーダーを務めていたトラフィックのデビューアルバムをご紹介します。
私自身はそれほどトラフィックにハマったわけではなく、それほど詳しくありませんが、たまたま以前スマホに本作を入れてあって、ふとしたことから聴いてみたら、コレがいいじゃないですか…。気が向いたときによく聴いておりました。

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スペンサー・デイヴィス・グループを脱退し、自身のグループを結成すべく動いたスティーヴ・ウィンウッド。1967年にこのトラフィックを結成し、3枚のアルバムを発表後、浮気心が生じたのか、エリック・クラプトンとブラインド・フェイスというスーパーバンドを結成。でもすぐにトラフィックに戻り、結局1974年に解散してしまいます。

このデビューアルバムは以降のトラフィックとは若干色彩が異なりますが、結構楽しめるアルバムです。
まずはインパクトの強いジャズサイケロック的な①「Heaven Is In Your Mind」。目まぐるしく拍子が変わって、聞き手を飽きさせません。ソウルフルでダイナミックなスティーヴのヴォーカル。妖しげなクリス・ウッドのサックス。後段から登場してくるデイヴ・メイスンのシャープなギター。タイトなジム・キャパルディのドラム。
もうデビューアルバムのこの1曲目から、極めて独創的な音楽ですね。

彼等の代表曲ともいえるのが⑤「Dear Mr. Fantasy」。
この映像は既にデイヴ・メイスンはいない、1972年の演奏のもの。スティーヴ、クリス、ジムの他に、ドラムはロジャー・ホーキンス。
ここでのギターはスティーヴ・ウィンウッド。実はギターも上手いスティーヴ。すごい才能ですね。

このアルバムは「味わい」という見地から言えば、B面が素晴らしいなあと思ってます。
独特の緊張感、そして展開がとてもスリリングなんですよね。
特に⑥「Dealer」・・・。
最初は静かなアコギからスタートするのですが、クリスの中世的な怪しさを醸し出すフルートが登場してから様相が一変します。そしてジムの鳴り響くパーカッション。このパーカッションが段々うるさくなってきます。
以前はこのテの音が苦手だったのですが、歳を経るにつれて、結構病みつきになってきてます(笑)。

そしてデイヴのシタールが鳴り響く⑦「Utterly Simple」。いや~、ジョージ・ハリスンがお得意のインドの世界ですね。
この曲も、このアルバムの流れの中に見事に納まってますね。
途中から電話の呼び鈴が鳴り、なにやら会話が聞こえてきます。サイケ感覚に溢れてますね。会話というか、1人で喋っている声ですが。

オリジナルアルバムのエンディング曲は⑩「Giving To You」。
スティーヴのオルガンが相変わらず黒っぽくてカッコイイ。
アップした映像はプロモーションビデオのようですが、なぜフォルクスワーゲンの工場をメンバーが視察する映像なのか、よく分かりませんね。逆にサイケな感じもしますね。

一般的にはトラフィックって玄人向きなのでしょうか。確かにポップではないし、商業的なヒット曲も少ないですしね。でも味わいあるアルバムばかりだし、何より若かりし頃の才気溢れるスティーヴが素晴らしい。

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