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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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#ソウル

Donny Hathaway「Live」(1971)

ライヴアルバムの名盤を挙げていくと必ず上位にランクされる名盤。 私の愛読書であるローリングストーン・レコードガイドブックでは、なぜか三ツ星(五ツ星が満点)評価であることが非常に不思議です。 ダニー・ハザウェイについては皆さん、よくご存知とは思いますが、70年代に活躍した黒人アーチストです。このライヴではヴォーカルはもちろん、浮遊感のある彼のキーボード・プレイが聴けます。ダニーの3枚目のアルバム。 メンバーはギターにフィル・アップチャーチ(①~④)、コーネル・デュプリー(⑤

Laura Nyro「Gonna Take a Miracle」(1971)

フィフス・ディメンションが大好きだった私にとって、彼等がよく採り上げていたローラ・ニーロの楽曲はどれもお気に入りの楽曲でした。そういった訳でローラ・ニーロ自身も大好きなアーチストです。 本作はローラ・ニーロの5枚目のアルバムにして、カバーアルバムです。 まず気になったのはプロデューサーがなんとギャンブル&ハフ。フィリー・ソウルの大御所ですね。そして裏ジャケにはラベルが厳つい顔で映ってます。ラベルはパティ・ラベルをリーダーとした黒人女性3人組のコーラスグループですね。 う~ん

The Temptations 「All Directions」 (1972)

CD全盛期の頃、名盤が1,000円で発売されていたシリーズがあり、結構充実しておりました。なかでもビル・エバンスの「パリ・コンサート」とテンプテーションズの「オール・ディレクションズ」は良かったですね。いい時代になったものだ…と思ったものです(今ではサブスクでもっと簡易に名盤が聞けますが)。 さてテンプスの「オール・ディレクションズ」ですが、サイケデリック・ファンクの名曲③「Papa Was A Rolling Stone」を収録していることでも有名な名盤ですね。そしてプロ

The Rascals「The Island of Real」(1972)

ここ最近、ラスカルズのラストアルバム「The Island of Real」が超名盤じゃないかなあと思い始めてます。昔は聴くのも嫌だったアルバムだったんですが(苦笑)。 ラスカルズは初期のR&B路線から徐々に音楽的変化を遂げ、70年代に入り、メンバーだったエディ・ブリガッティ、ジーン・コーニッシュが脱退。フェリックス・キャヴァリエとディノ・ダネリの2人となったラスカルズは、バジー・フェイトン(G)、ロバート・ポップウェル(B)、女性コーラスにアニー・サットンとモリー・ホルト

Stevie Wonder「Talking Book」(1972)

ソウルの歴史、いやロックの歴史においても絶対外せないアーチストのひとりであるスティーヴィー・ワンダー。今や存在そのものが神格化されてますが、確かに所謂70年代3部作のクオリティの高さは凄まじいものがあります。本作はその3部作の最初を飾る素晴らしい名盤です。 その超名盤の1曲目が①「You Are the Sunshine of My Life」。あまりにも有名な曲ですね。このイントロ、メロディに何度心が癒されたことか…。この曲を聴くためにこのアルバムを聴くと言っても過言では

Sly & the Family Stone 「Fresh」 (1973)

スライ&ザ・ファミリー・ストーンのアルバムというと、個人的には1971年発表の「There's A Riot Goin' On」でスライは燃え尽きた印象があって、次作にあたる本作は全くスルーしておりました。ところが今回、縁あり本作を購入。そのファンクな作風に、本作こそ彼らの名作!と思った次第。 本作ではベースがラリー・グラハムから当時若干19歳のラスティ・アレン、ドラムがグレッグ・エリコからアンディ・ニューマークに交替。リズム隊が一新されております。アンディは既にカーリー・

The Isley Brothers「3+3」(1973)

最近アイズレー・ブラザーズを見直しております。かなりファンク色の強いグループという先入観から、ちょっと敬遠していたグループですが、たまたま「グルーヴィー・アイズレーズ」というベスト盤を安く購入。これがまたすごく私の好みにぴったりだったんですよね。 ということで彼らのオリジナルも物色し始めてます。本作は1973年発表。ヴォーカル3人+ミュージシャン3人の編成となって最初のアルバム。アルバムタイトルはズバリ「3+3」。 本作には5曲のオリジナルと4曲のカバーが収録されています

Spinners「Spinners」(1973)

スピナーズの代表作、これぞフィリーサウンド!ホントいいですね~。 CDを購入した当時、Atlantic Soul 1500と題して、同レコードの主要作品が1500円で販売されたのですが、本作はその内の1枚。今もフィリーはよく聴きます。 フィリーサウンドとは以下はてなより引用。 文中では抜けてますが、付け加えるとすれば、トム・ベルという有能なプロデューサーとシグマサウンドの定番演奏集団「MFSB」がキーですね。 本作はそのトム・ベルのプロデュース。トムが新たにアトランティ

Average White Band「AWB」(1974)

GW明けから2週間、ようやく精神的にも日常モードに戻ってきました。ルーティン作業というのは大事ですね~。 さて、最近ちょくちょく聴いていたのがアヴェレイジ・ホワイト・バンド(以下AWB)の誉れ高き名盤のセカンド。過去にこの後のサード「Cut The Cake」は別ブログで紹介済ですが、ファンク&メロウ指数は本作が一番高いと感じてまして、既にこの時点でAWSサウンドが完成されていたことがよく分かります。 AWSは英国のバンドですが、本作で米国に活動の場を移します。ジェームス

Blue Magic「Blue Magic」(1974)

実は個人的には70年代のソウルミュージックが大好きです。特にフィリー系は堪りませんね。お気に入りはスピナーズなんですが、ブルーマジックも大好き。 本作は10年くらい前、ワーナーの「ATLANTIC R&B BEST COLLECTION 1000」シリーズにブルーマジックがラインアップされた際に購入。その素晴らしい内容に感激したものです(このジャケットも名盤らしい佇まいで、素晴らしい)。 このアルバムの何が素晴らしいのか。それはもちろんテッド・ミルズのスウィートでドリーミー

Felix Cavaliere「Destiny」(1975)

昨日ご紹介したAWBに限らず、ブルーアイドソウル系って素晴らしいアーチストが多いんですよね。 60年代後半を中心に活躍していたラスカルズは、ここでもご紹介していますが、このバンドのリーダーでもあるフェリックス・キャバリエ、彼は実に味のあるヴォーカリストで、彼こそが元祖ブルー・アイド・ソウル・シンガーだと思ってます。 その彼が1975年にバジー・フェイトン、スティーヴ・カーン、ウィル・リー、マイケル・ブレッカー、デヴィッド・サンボーン、ジョー・ファレル等を従え、発表したアルバム

Smokey Robinson 「A Quiet Storm」 (1975)

スモーキー・ロビンソン、言わずと知れたブラック・ミュージックの中心的人物。自身、ミラクルズを率いてデビューしていますが、作曲家としてテンプテーションズやフォー・トップスに楽曲提供もしていたりと、60、70年代は大活躍してました。またモータウン・レコードの副社長でもあった方ですね。 本作は自身の3作目のソロアルバム。AORやブラコンが好きな私にとっては、アルバムタイトルからして興味津々でした。クワイエットストーム、後に80年代中ごろでしょうか、フュージョンタッチなブラコンがそ

Van McCoy with The Soul City Symphony「Disco Baby」(1975)

「ドゥ・ザ・ハッスル!」 日本人の多くが、10年ほど前のCMのお陰でこの曲をご存知かと・・・。でも本当にこの曲の演者を知っている方はごく僅かかもしれません。洋楽愛好家としては、とても悲しいことですね。 ソウル・ディスコの仕掛け人でもあるヴァン・マッコイ。正直、私も彼のアルバムは聴いたことがなく、一発屋という印象すら持っておりました。今回縁あり、このアルバムを聴く機会があったのですが、これがまたいいんですよね・・・。 ヴァン・マッコイは1950年代から活躍していたアーチスト

John Valenti「Anything You Want」(1976)

白いスティーヴィーと云われたAORの名盤ジョン・ヴァレンティ、もともとはモータウンの白人バンド、パズルのドラマーであった人物。その声はスティーヴィー・ワンダーそっくりで、自身初のソロアルバムとなる本作では、そのソウルへの傾倒振りが窺い知れます。 2006年にようやくCD化が実現された幻の名盤。随所に最良なソウルポップが聴けます。またこのジャケットもいいですね~。 なぜ本作がそれほどまでにCD化を熱望されていたのか? それは1曲目の「Anything You Want」をお