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The Isley Brothers「3+3」(1973)

最近アイズレー・ブラザーズを見直しております。かなりファンク色の強いグループという先入観から、ちょっと敬遠していたグループですが、たまたま「グルーヴィー・アイズレーズ」というベスト盤を安く購入。これがまたすごく私の好みにぴったりだったんですよね。

ということで彼らのオリジナルも物色し始めてます。本作は1973年発表。ヴォーカル3人+ミュージシャン3人の編成となって最初のアルバム。アルバムタイトルはズバリ「3+3」。

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本作には5曲のオリジナルと4曲のカバーが収録されていますが、普通カバー曲は楽曲のクオリティが高くて、そちらに注目が行きがちなんですが、アイズレーは違います。特に本作、オリジナルが強烈に素晴らしい。

まずはアルバムトップの①「That Lady」。これはアイズレーらしく、ネチッこいソウルチューン。ただアーニーの弾くギターソロがロックしてます。ジミ・ヘンドリックスがアイズレーのバックバンドにいたことは有名ですが、本作からメンバーに加わったアーニー(アイズレー)は、世代的にはジミから影響を受けた立場にあり、アップした映像でもその容姿からギタースタイルまで、ジミの影響が窺えます。

近年ではエリック・クラプトンのカバーが秀逸だった②「Don't Let Me Be Lonely Tonight」。
もちろん原曲は私の大好きなジェームス・テイラー。もともとR&B的な要素も感じられたバラードですが、ここでは完全にスィート・ソウルに仕上がってます。アップした映像の聞き手もチークダンスを踊ってますね(笑)。このカバーにはきっとジェームスも狂喜したことでしょう。素晴らしいカバーです。

私の大好きな③「If You Were There」。
これは山下達郎率いるシュガーベイブの「Down Town」の元ネタですね。そしてあのワムもカバーしておりました。ちょっとドラムのタムがうるさいのですが、とてもサラッとしたアレンジで、黒人グループらしくない、どちらかというと後のAORを連想させるような爽やかな1曲です。後半のコーラスがいいですね~。でもクラビネットのグルーヴ感はソウルらしいです。

このカバーには驚きました!ドゥービーの超大ヒット曲の⑤「Listen To The Music」。
ドゥービーとアイズレーの共通項・・・、やっぱりコーラスでしょう。おそらく彼らもそれを意識したのでしょうね。それにしてもアレンジは見事にアイズレー節全開。ファンキーです。もうこれはノるしかないでしょ。

私が購入した「グルーヴィー・アイズレーズ」に収録されていた本作収録曲は①③の他に⑥「What It Comes Down To」が収録されてました。
この曲もまさにグルーヴィーなんですね。明らかにスライ&ザ・ファミリーストーンから影響を受けたと思われるグルーヴ感。そこにアイズレーならではのポップ感覚とコーラス。これもまた素晴らしいですね。

本作には前述の通り4曲のカバー曲が収録されている訳ですが、その4曲の中でも白眉は⑧「Summer Breeze」でしょう。
オリジナルはシールズ&クロフツ。オリジナルも独特の世界観を持った曲でしたが、この難しい曲をアイズレーはアイズレーらしくカバーしてます。とことんメロウに・・・、アーニーのギターは官能的ですらありますね。エンディングにかけてはアーニーの圧巻のギターが堪能できます(途中で切れてしまうのですが)。

本作の他にもアイズレー、素晴らしい名盤がいっぱいあるようです。追々チェックしていく予定です。

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