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音楽の杜がおススメする70年代洋楽

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人生の大半を音楽に注いできた「音楽の杜」がおススメする洋楽アルバム集
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James Taylor「Sweet Baby James」(1970)

桜咲く中、新年度入りしました…。そして今日、いよいよジェームス・テイラーの、たった1日限りの来日公演に参戦致します。 何度もご報告の通り、8,000人収容のホールの1列目、そう、最前列のほぼ真ん中の席。もう2度とない機会と思い、iphoneも6Sから13proへ買い替えてしまいました(苦笑)。いい写真が撮れましたら、また別途記事を投稿するかもしれません。 今回のツアーは、実は日本がスタートです。なのでセットリストは全く分からず。そしてドラムはスティーヴ・ガッド。スティーヴの

Traffic「John Barleycorn Must Die」(1970)

60年代後半のUKロックシーンには欠かせない存在のトラフィック。トラフィックのアルバムはどれもクオリティが高いのですが、様々な音楽のフュージョン・・・という観点からいえば、今回ご紹介する「John Barleycorn Must Die」が一番様々な音楽を昇華して、自分達の音楽を作り出していると感じます。 トラフィックは1968年、セカンドアルバム発表後、デイヴ・メイソンがソロ活動に専念するため脱退。グループの中心的な存在のスティーヴ•ウィンウッドはエリック・クラプトン、ジ

Free「Highway」(1970)

仕事で福岡出張行ってきました~。 この職に就いてから初の福岡出張。以前何度か商用で福岡には行ったことがあるのですが、5,6年振りの福岡は活気がありました。というかインバウンド客がいっぱいいらしてましたね~。 飛行機から見た富士山等々を一番下にアップしておきます。 さて、今回はいぶし銀的なハードロックのフリーです。このバンドをハードロックというジャンルで括るのは多少抵抗があり、ブルースロックという方がフィットするような気がします。 バンドをやっていた方なら音の隙間が気になる

私の大好きなRaspberries

それは突然の訃報でした。 エリック・カルメン、享年74歳。それはちょっと早すぎるんじゃないでしょうか。 1980年のリバイバル・ブームでモンキーズを知り、そこから洋楽にのめりこんでいった私ですが、自然とベイシティ・ローラーズ、ビーチボーイズ、そしてラズベリーズへと聴き込んでいったのですが、特にエリック・カルメン率いるラズベリーズは大好きでした。 もちろんエリックのソロアルバム、特にファースト「Eric Carmen」、セカンド「Boats Against The Curre

Stephen Stills「Stephen Stills」(1970)

CSN&Yのメンバーのソロ作では最もよく聴くのがスティーヴン・スティルスです。その彼のファーストソロアルバム。1曲目の「Love The One You're With」があまりに素晴らしく、「このアルバムはこれを聴けばいい」と思い込んでいましたが、もちろんそれ以外の曲も素晴らしいですね。 当時のピープルズ・ツリーが楽しめる1枚。参加ミュージシャンはエリック・クラプトンにジミ・ヘンドリックス、リンゴ・スター、ダラス・テイラー、ブッカー・T・ジョーンズ。デヴィッド・クロスビー

Santana「Abraxas」(1970)

今回は今までほとんど語って来なかったバンド、サンタナのアルバム のご紹介です。音の複雑なアンサンブルが堪能できる彼等のセカンドアルバム。また彼等にとってはセカンドにして、初の全米No.1を獲得したアルバムです。邦題「天の守護神」。 ジャケット、実に華やかです。 そしてこのセカンドアルバムにはまだジャーニーの二ール・ショーンは参加しておりません(後にジャーニーを共に結成することなるグレッグ・ローリーは既に参加しております)。ギターはカルロス・サンタナひとり。そしてここにはフリ

Elvis Presley「On Stage」(1970)

60年代、エルビス・プレスリーは軍隊を除隊後、活動の中心を映画に移していきますが、1968年12月に「カムバック・スペシャル」と題されたTVショーに出演し、再び音楽活動に力を入れ始め、1969年1月には伝説のメンフィスセッションを行います。 個人的にはスワンプ音楽が世間一般的に拡まったのはエルビスのお陰と思ってますが、このメンフィス・セッションは実に味わい深いスワンピーな音楽が堪能出来ます。ロカビリーのエルビスには興味がなくとも、私がこの頃のエルビスに興味があるのは、ソウルフ

Delaney & Bonnie & Friends「On Tour With Eric Clapton」(1970)

スワンプロックの中心的存在であったデラニー&ボニー。今から考えると彼等の周りにはスゴイ面子が集まっていたんですね。エリック・クラプトン、デイヴ・メイスン、ジム・ゴードン、リオン・ラッセル、ジム・ケルトナー、ジョージ・ハリスン、カール・レイドル等。 そんな彼等のステージの熱気を記録した本作。1969年12月のイギリス公演の模様を収めたものです。 このライヴのメンバーは以下の通りです。 Delaney Bramlett (Vo,G) Bonnie Bramlett (Vo)

The Beatles「Let It Be」(1970)

本作をご紹介することは、ビートルズファンとしてはちょっと気恥ずかしいものを感じます。彼等の最後のオリジナルアルバムはあくまでも「アビー・ロード」であって、「レット・イット・ビー」ではないのですから。 ビートルズは「アップル」を建て直すべく、1969年1月より「Get Back」セッションを開始します。このレコーディング内容を映画化して、アルバムと共に発表するというのが当初のコンセプトでしたが、ご承知の通り、当時のメンバー間の仲は最悪の状態で、かなりの数の楽曲をレコーディング

Linda Ronstadt「Silk Purse」(1970)

個人的にカントリーロックの祖、マイク・ネスミスが大好きなのですが、今回はそのマイクの楽曲を採り上げたリンダ・ロンシュタットをご紹介。 といっても私自身は彼女が在籍していたストーン・ポニーズのことはあまり知らず。イーグルス結成のきっかけとなった1972年発表の「Linda Ronstadt」以降、その後のアサイラムから発表されたアルバムしか聴いてませんでした。 本作は「Linda Ronstadt」の前作、1970年に発表されたセカンドアルバム。このアルバムの存在を知ったとき、

The Byrds「Untitles」(1970)

バーズ・・・。一般的にはあまり知られていないし、知っていたとしても「Mr.Tambourine」や「Turn Turn Turn」あたりが有名で、本作を含め、バーズ後期の作品は埋もれた存在かと思われます。 私も以前はせいぜい1968年発表のカントリーロックの名盤「Sweetheart Of The Rodeo」止まりで、以降のバーズ作品は完全にスルーしておりました。 ところが数年前にたまたま録音してあった本作を耳にして以来、本作を見直しております。 バーズはメンバーの入れ

Grand Funk Railroad「Live Album」(1970)

そのものズバリのアルバムタイトル、「Live Album」。シンプルなタイトルですが、その中身も至ってシンプル。なんといっても3人編成、スリーピースバンドですから。 グランド・ファンク・レイルロード。メンバーはMark Farner(vo & g)、Mel Schacher(b)、Don Brewer(ds)の3人。 グランドファンクのライヴというと、1971年に雷雨の中で行われた後楽園球場での壮絶ライヴが有名ですが、本作はその迫力をそのままパッケージしたような素晴らしい内容

John Hall「Action」(1970)

ジャクソン・ブラウンの来日公演、大好評のようでしたね。多くのブロガーさんがレポートされておりました。コロナ明け、外タレが多く来日するようになってきたので、これから徐々にこうしたレポートが増えていくことを期待しております。 さて、今回は以前から気になっていたアルバムのご紹介です。それはオーリアンズ結成前のジョン・ホールのデビューアルバム…。 ジョン・ホールというとオーリアンズのリーダーであり、その音楽イメージからカラッとしたロックを連想されると思います。但しそういうイメージで

Michael Nesmith「Magnetic South」(1970)

モンキーズのマイク・ネスミスの訃報に接し、多くの方はモンキーズのマイクは知っていても、彼のソロ作品の存在まではあまりご存じないと思われます。彼の素晴らしい作品を継承していくことが、ファンであった私の使命でもありますので、彼の最初のソロ作品をご紹介致します。 1969年、ピーター・トークが脱退し、既に死に体であったモンキーズは3人組としてアルバムを発表します。それが「Present」です。詳細はリンク先のこのアルバムの紹介記事をご参照頂くも、実質はマイクが音楽的なイニシアティ