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Smokey Robinson 「A Quiet Storm」 (1975)

スモーキー・ロビンソン、言わずと知れたブラック・ミュージックの中心的人物。自身、ミラクルズを率いてデビューしていますが、作曲家としてテンプテーションズやフォー・トップスに楽曲提供もしていたりと、60、70年代は大活躍してました。またモータウン・レコードの副社長でもあった方ですね。

本作は自身の3作目のソロアルバム。AORやブラコンが好きな私にとっては、アルバムタイトルからして興味津々でした。クワイエットストーム、後に80年代中ごろでしょうか、フュージョンタッチなブラコンがそう呼ばれていた時期がありました。アニタ・ベイカーなんかがその代表格で、当時リアルタイムに音楽を聴いていた私は、そのテの音楽が大好きでした。

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1972年に健康上の理由からミラクルズを脱退したスモーキー。やっぱりヒーリング系を求めていたということでしょうか。アルバムタイトルでもある①「Quiet Storm」がとにかくいい!
 心地よいベースと淡いコーラス、まさに静かな嵐という感じを連想させます。実はメロディは単純で、曲はそのメロディを繰り返すだけのもの。ともすると単調なものに終わってしまうのですが、アレンジとスモーキーのファルセットっぽいヴォーカルが素晴らしい。
この曲、7分以上あるのですが、じっくり聞かせてくれます。間奏のビブラフォーンの浮遊感も堪りません。

「Quiet Storm」がお好みでなければ、このアルバムは好きになれないと思います。いぶし銀的な楽曲が多いですからね。
②「The Agony and the Ecstasy」もどちらかというとスローでじっくり聞かせる1曲。そしてやはり単調です。でもこのメロウ感が堪らないのです。①②はメロディを楽しむというよりも、曲調が持つ浮遊感を味わうべき楽曲と思います。

③「Baby That's Backatcha」はシングルとしても大ヒットを記録したダンスチューン。ダンスチューンといっても、ビージーズのようなディスコ系ではなく、しっとりと踊れるようなもので、ここでもスモーキーのファルセットヴォイス、そしてフルートが隠し味として実にいい音を出してます。バックのギターはMarv Tarplin。ミラクルズのギタリストですね。このギターも淑やかな感じでいいですよ。

⑥「Love Letters」、⑦「Coincidentally」だけは①~⑤の流れとはちょっと違い、ビートの利いたオーソドックスな70年代ソウルミュージックという感じ。
ついでに本作の流れを汲む曲で、私が大好きな彼の80年代のヒット曲「Being With You」もアップしておきます。このイントロ、なんかワムを連想させます(笑)。

スモーキー・ロビンソン、如何でしたか? 私は①~③の流れは後のソウルミュージックに多大な影響を与えたのではないか、と思ってます。実に心地いいし、こんな音楽を夜、じっくり聴くなんていいですね。

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