シンガポールに帰りたい　#6

シンガポールに行くことを決めたけど、そもそもパスポートを持っていなかった。なんせ、最後に海外に行ったのは、14歳の時。とうの昔に期限は切れている。

そう、海外に行ったのだって、18年も前のこと。大学で英語を学んでいた割に、海外に行ってなさすぎた。母親に「何のためにその大学行ったの？」と言われるわけである。

とりあえず、日本の外へ行くために必要なパスポートを取得した。

次に、シンガポールへ行く飛行機とホテルの予約へ。

思えば、海外旅行はおろか、日本国内の旅行もあまり行ったことがなかった。引きこもり、というわけではないけど、私の生活の中に「旅行」は存在感がなかった。

自分でネット予約とか絶対できる気がしなかったので、HISへ飛び込んだ。

「10月に行きたいです。」

それしか決めていなかった。何日間行くかも、そんなに考えていなかった。そんな曖昧どころではない私に、HISの方は親切に相談に乗ってくれて、旅行の計画を立てることができた。

3泊5日でシンガポールの滞在することに決めた。そのくらいがちょうど良いかなと、なんとなくである。

どこに行くかは、まだ何にも考えていなかった。ガイドブックさえ買っていなかったから。何せ、今回のシンガポールへ行く目的は、Sallyと会うこと。観光などは全くの後回しだった。

日程が決まって、Sallyにメッセージをした。

私「10月6日から9日にシンガポールに行くよ！」

Sally「じゃあ8日のランチに会おう！予定は何かある？1人で来るの？」

私「8日ね、ありがとう！1人で行くよ。実は、あなたに会う以外の予定がないの。観光するから、今どこに行くかを考えているよ。」

Sally「7日も会えるようにしてみるよ。フライトの詳細ある？送ってくれる？どこのホテルに泊まるの？」

私「7日もありがとう！チャンギ国際空港に10月6日16:20に着いて、10日1:20に発つよ。ヴィレッジ・ホテル・ブギスに宿泊。どのホテルがいいかわからなくて、駅近くのを選んだよ。」

そんな感じで、Sallyに旅行の日程を伝えた。

久しぶりの海外旅行、しかも初めての本気一人旅。本当に行けるのかと、少し心配もしていたけど、私はSallyに会うことしか考えていなかった。

その思いがあれば、なんでもできるような気がしていたから。

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