【パッドで遊びたい方向け】Dirt Rally 2.0各ロケーションかんたん紹介(スプリントラリー編)
今年、ついに日本にWRC(World Rally Championship)が帰ってきます。去年、一昨年は開催が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症の流行であえなく中止となってしまいました。
2004年から2008年、2010年にかけて開催されていたラリー・ジャパンは帯広、札幌と北海道を舞台としたグラベルラリーでしたが、今回は愛知県と岐阜県を舞台としたターマック。これまでのどのラリー・ジャパンとも異なる、まったく新しいラリーをすべての人々が体験することになるでしょう。
さて、そんなラリーですが、私はラリーゲームが好きで、Spikeが開発していた時代の『WRCシリーズ』や、リチャード・バーンズがプロデュースした『Richard Burns Rally(以下、RBR)』をかねてからプレイしてきました。
Playstation 2時代はパッドのみでしたが、最近はハンコンでもプレイしたり、Playstation 5のモーション・コントローラーでもプレイしたり、いろいろと楽しみながら大好きなラリーをゲームで満喫しています。
世界にはさまざまなラリーゲームがあります。特にラリーが盛んなヨーロッパを中心に数々のメーカーが作品を出してきましたが、今回はタイトルの通り、『Dirt Rally 2.0』をパッドで遊びたい方向けに、スプリントラリーの各ロケーションを紹介していきます。
簡単に環境を紹介すると、基本的に私はPCを中心に、Playstation 4、Playstation 5でプレイしていて、コ・ドライバーは英語、アシストはオフの設定です。あとは視点の微調整は行なっていますが、パッドの際はほとんど標準のままで遊んでいます。
かなり趣味性の強く、対象が限られた記事となりますが、最後までお付き合いくださると幸いです。
グラベル系
① アルゼンチン
正直なところ、『Dirt Rally 2.0』は最初から収録されているロケーションの方が難しいです。全体的に緻密に作り込まれているステージが多く、ちょっとしたミスも許してくれません。
アルゼンチンはステージの所々に岩が配置されていて、しかも道幅が狭いので緻密なコントロールが要求されます。さらに、平均速度は90キロを越えず、かなり慎重な走りをしないとすぐに壁にぶつかってしまいます。
焦れったさと、針に糸を通すような快感。何度も走り込んでいるうちに楽しくなってくるのがアルゼンチンです。
② オーストラリア
アルゼンチンは平均速度がスローなのでまだコントロールがしやすかったのですが、このオーストラリアはミディアムで路面変化が多く、さらに轍や凹凸が激しいので、最初はドライで走るのがオススメ。
パッドは凹凸をハンコンほどは忠実に拾ってくれません。そのため、轍でステアリングを取られて、そのままスピン……のようなパターンが多くなります。
あと、各所に橋やゲートが多く配置されているので、まずはその位置を覚えてみることが近道かもしれません。
③ ニュージーランド
道幅が狭くて平均速度が速いので一見難しそうに見えますが、パッドでは走りやすい部類に入るのではないかな……と感じたのがニュージーランドです。
正確なライン取りを求められますし、クレストや緩やかな起伏も多いので決して簡単ではなく、路面状況もあまり良いとは言えません。ワンミスで大ダメージが入るのも怖いところ。
ただ、滑りすぎず、粘り過ぎずといった路面特性がちょっとした遊びを生んでいて、そこが走りやすさに繋がっている気がします。
④ ポーランド
ここは本当に難しいです。“高速”と書いたニュージーランドを遥かに超える速さが求められ、さらに狭く緻密で、起伏の影響も大きい。パッドがいちばん苦手とするロケーションかもしれません。
しかしながら、こういったロケーションを走れるようになると楽しいというのも本音。実際、ちゃんと走れるようになるとガンガン飛ばせるようになります。
岩も少ないですし、立ち木もそんなに邪魔にならないので、高速ステージの練習には最適。ここをちゃんと走れるようになったら、スコットランド以外の高速パートは対応できます。ぜひ、挑戦してみてください。
⑤ アメリカ
前置きしておくと、私はこのロケーションが一番苦手です。パートや路面状況の問題ではなく、グラフィックが影響しているのですが……
木々に囲まれた場所を走ることになるので、基本的に昼間でも暗め。さらに、高速パートと低速パートがバランスよく組まれているので、どこを走っていても気が抜けません。岩も障害物も多く、ウォータースプラッシュもあります。
そうは言いつつも、悪路に慣れるための入り口としては最適なロケーションです。
⑥ フィンランド(要DLC)
サマー・ラリーの王様、世界最多のクレストを誇る“フィンランドGP”はゲームの世界でも容赦なくプレイヤーに極度のスリルを与えます。
なんといっても、その速度がとんでもない。130キロを越える平均速度はこのゲーム中最速ですし、そんな状態でクレストを飛ぶと簡単にステアリングが取られます。さらに、必然的に膨らみやすくなるので転倒や激突もしやすく、一発のダメージが即リタイアに繋がります。
ですが、ポーランドと同じで、この速さが本当に気持ちいいんです。しかも、ポーランドよりも道幅が広いので、わりと気兼ねなく飛ばせるのも好きなところ。
ぜひ、スリルとコントロールを体験してみてください。
⑦ ギリシャ(要DLC)
ギリシャはこの作品でも屈指の悪路が特徴です。さすがにダメージが入らないとパンクはしませんが、ラフな路面に豊富な凹凸と、難しいコースの特徴がかなり入っています。
ただ、パッドでは走りやすい部類に入ると感じているのも確かです。何故かというと、中速パートが中心でそれほど緻密なコントロールが求められないから。大岩もありますし、一撃リタイアの部分もあるので気は抜けませんが、わりとパッドでもブンブンと車体を振り回せるので楽しいです。
⑧ ウェールズ(要DLC)
ベースゲームに収録された新作ステージほどタイトではありませんが、かなり正確な状況把握が求められるのがこのウェールズです。ナビゲーターの声をよく聞いて、攻めるところは確実に攻めていく。次に紹介するスコットランドはウェールズがちゃんと走れないとまず難しいと思います。
ウェールズの特徴はなんといっても濡れた路面。オーストラリアの滑りやすいぬかるみ道とはまた異なる、正統派の濡れたグラベルがプレイヤーを待っています。ただ、正統派で癖が少ないので、慣れると走りやすいのがウェールズの面白いところです。
高速パートはパッドでは難しいのですが、中・低速パートは乗りこなしやすい部類に入るかと思います。
⑨ スコットランド(要DLC)
個人的に、このゲームでいちばん難しいと思っているのがスコットランドです。ポーランドやオーストラリア、アメリカは練習を重ねていくうちに好タイムを出せるようになるのですが、ここはその倍くらい練習しないと乗りこなせません。
お察しの通り、路面自体はウェールズに似ているんです。標準的な濡れたグラベルで、ただ、ステージ自体がタイトで速く、ワンミスが大きなダメージに繋がる構成になっています。切り株や立ち木、丸太、ゲート、これまでの難しさとは訳が違います。先が見えづらく、スピードを出さないと順位が上がらないのに、簡単にミスをしやすい作りになっています。
それでも「よく作り込まれているなあ……」と思うのは、この難しさにも立ち向かっていこうという気にさせる構成が施されている点です。何度か“ぶつかり稽古”を行なっていくうちに走れるようになる。気がつくと順位が上がっていき、目標としていたタイムが出せるようになっていくのです。
最高速度が決められているレッキとは異なりますが、幾度の反復が徐々にタイムへと繋がっていく。ラリーの魅力が凝縮されたロケーションといえるのではないでしょうか。
ターマック系
① スペイン
私はこのロケーションが好きです。特にサーキットに近いようなスムーズな路面はパッドでもハンコンと遜色ないタイムが出せるようになるほど、たくさん遊びこみました。
それでも縁石がないので正確なコントロールは要求されるのですが、普通のレースゲームに近い感覚で走れるので対応がしやすいですし、少なくともぬかるみに悩まされることはありません。あと、『Dirt Rally 2.0』では実在の名ロケーションに似せて作られた部分もあるのですが、スペインは特に間近で観客が観戦できるエリアが再現されているので楽しいです。あのヘアピン、名物ですよね。
個人的にはシュコダ・ファビアWRC05をよく使っています。
② ドイツ(要DLC)
ストップ・アンド・ゴーを楽しめて、軍事演習所特有の岩を避けながら走るスリルも味わえる。さらに、雨の日になると荒れに荒れまくる路面がドライバーを苦しめるのがこのドイツです。パッドはターマックの雨にとにかく弱く、毎回探り探りでステージを攻略しています。
個人的にドイツには思い入れがあって、かつて遊んでいた『WRC3』で初めて優勝したのがこのラリーでした。
一筋縄ではいきません。滑りやすいですし、ワンミスですべてをダメにしてしまえる岩がそこら中に転がっていますから。
でも、そういった難しさが独特の走りごたえを実現している。そんな気がしています。サイドブレーキターンを一番使うのがこのドイツかもしれません。
スノー
① スウェーデン(要DLC)
壁や土手を恐れることは数あれど、それに当てながら走ることを要求されるのはスノーラリーのみです。しかも、ゲームではスノーバンクでスタックすることはありませんから、それを使わない手はないでしょう。
『Dirt Rally 2.0』のスノーバンクは前作よりも柔らかくなりました。柔らかくなったということは、より当てやすくなったということです。これが高速化に貢献していて、同じステージでも前作より平均速度が上がっているような感覚があります。つまり、難しくなったともいえるのですが……
実在の名物ステージのような高速パートもあり、走りがいのあるロケーションです。
スノー・ターマック
① モンテカルロ(要DLC)
初めてラリーゲームをプレイされた方がいちばん戸惑う確率が高いと個人的に思っているのが、このモンテカルロです。実感としては、ほぼ100%のプレイヤーに「めっちゃ難しいんだけど!?」と言われます。
何が難しいかというと、やはり舗装路をベースとした凍結路面である点です。ほとんどスノーに近いような路面で、いつも高速道路で出しているような速度を出さなければいけない。しかも、ちょっとしたミスが崖下へと誘い、ワンミスが本当に命取りとなるのです。
実はパッドよりもハンコンの方が対応に手間取りました。おそらく、現実の雪道や凍結路の体験がないとなかなか慣れないのかなあ……と。
チュリニ峠越えは忍耐との勝負です。ノーミス=勝利。
おわりに
「難しい」「注意が必要」としか言っていない気がしますが、今回はこの『Dirt Rally 2.0』に収録されているスプリントラリーの13ロケーションをすべて紹介してみました。
パッドでやるのはかなり難しく、何度も何度もミスを重ねるのはストレスにもなります。そうです、このゲームは本来パッドでやることを想定して作られてはいません。でも、そうだからこそ、「ぜひパッドで乗りこなしてやるぞ!」と思ってしまうのがプレイヤー心だと思います。なんだか、燃えてきてしまうんですよね。
いつもプレイされている方にはあまりお役に立てなかったかもしれませんが、ほんとうによく出来た作品なので、ぜひ遊んでみてください。Steamはときどきセールもやっていますし、DLCほぼ全部入りのパックを買うとお安く手に入るので……
2022.9.24
坂岡 優