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今こそみんなで観たい! 私の大好きな特撮作品ベスト10(前編) | GO AHEAD -僕の描く夢- 第221回

 こんばんは、坂岡 ユウです。
 明日、いつも参加しているイベント「特撮meetup!」が最終回を迎えます。今日はそれを記念して、私の大好きな特撮作品たちを10作品ほど紹介させていただきます。慣れないリモートワークに疲れてしまったり、「子どもに見せるべき特撮作品がわからない!」という方にこのランキングが参考になれば嬉しいです。

【作品パラメータ(★×3が普通)】
作品の面白さ度:面白くない・少し面白くない・面白い・超面白い・めちゃくちゃ面白い
作品の難しさ:未就学児向け・低学年向け・高学年向け・中高生向け・大人向け
子どもに見せたい度:見せたくない・注意が必要・大丈夫・見せたい・教科書に載せてほしい
大人になっても面白い度:子ども向け・一緒に観ても飽きない・観入ってしまう・子ども以上に楽しめる・一緒に変身ポーズを完コピするレベル
オススメ度(総合評価):オススメしない・みんなにはオススメしない・オススメ・誰にでもオススメ・全地球人にオススメ


10位:「ウルトラマンギンガS」(2014年・円谷プロダクション作品)

出演:根岸拓哉・宇治清高・小宮有紗・杉浦太陽・滝裕可里・最上もがほか
脚本:小林雄次・中野貴雄・三好昭央・武井彩・小林弘利・黒沢久子・林壮太郎
音楽:小西貴雄
監督:坂本浩一・石井良和・田口清隆・小中和哉

 まず最初にご紹介させていただくのは、「ウルトラマンギンガS」です!
 ずばり、私が一番最初に生で観たウルトラ作品。それゆえ、めちゃくちゃ印象に残っています。
 2013年の夏に「ウルトラマンギンガ」で6年ぶりに新作テレビシリーズを復活させた円谷プロダクション。復活二作目となる今作は、前作のジュブナイル指向とは打って変わり、巨大ヒーロー作品の王道となる要素が次々と復活しました。具体的にいえば、防衛チームの再登場です。ギンガには防衛チームがありませんでした……
 前作(「ウルトラマンギンガ」)は大人の事情的な部分も散見されましたが、予算管理と派手な映像を撮るのが上手な坂本監督の加入によって、新たなオープンセットをフル活用した煽りカットや日本映像クリエイティブが手がけた迫力満点のデジタル合成、東映作品を彷彿とさせる敵・味方の群像劇など、ようやく円谷作品らしい体制を整えられたのが今作です。ウルトラシリーズのフォーマットを知るには最適の一作。劇場版の必殺技連呼がファンの間では賛否両論ありますが、そんなのどうでもいい!
 とにかく映画として面白ければそれでいいんです。少なくとも、私は劇場版がかなり好きです。書籍では「予算は増えていない」と各監督が仰っているにもかかわらず、明らかに映像の見栄えは良くなっています。
 異色のジュブナイル作品「ウルトラマンギンガ」と、王道と新機軸「ウルトラマンギンガS」を両方視聴していただければ、現行の『ニュージェネレーション・シリーズ』が歩んできた道のりの基礎を掴めるでしょう。オススメです。

 (余談ですが、私がTHE ALFEEと出会った作品です。「英雄の詩」は本当にかっこいいです。この曲がなかったら創作してませんでした!!)

作品の面白さ:★★★★☆
作品の難しさ:★★☆☆☆
子どもに見せたい度:★★★☆☆
大人になっても面白い度:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆

9位:「仮面ライダードライブ」(2014年〜2015年・東映作品)

出演:竹内涼真・内田理央・上遠野太洸・稲葉友・クリス=ヘプラー・片岡鶴太郎ほか
脚本:三条陸・長谷川圭一・香村純子・毛利亘宏
監督:田崎竜太・柴崎貴行・諸田敏・山口恭平・金田治・石田秀範・鈴村展弘・舞原賢三

 第9位、「仮面ライダードライブ」です!
 こちらも、最初に生で観た仮面ライダーです。やっぱり思い入れがあります。
 きっかけは、初代ホンダ・NSXを改造したトライドロンに乗っているドライブを見て「これじゃあ仮面ドライバーじゃないか」と突っ込んだことでした。あと、「片岡鶴太郎さん出るんだ!?」というのも一つ。もちろん、鶴太郎さんは良い味出してますよ!
 本編の話をすると、前半から後半にかけてのエンジンのかかりっぷりが凄い作品です。一話だけを抜き出してみるのではなくて、とにかく全編観て欲しい作品。大森プロデューサーの(仮面ライダー)初チーフプロデュース作品なので、話題性のあるキャスティングや陰陽上手く使い分けた作品テイストなどは現行の「仮面ライダーゼロワン」に通ずるものがあります。
 平成二期ライダーの入門作品として最適の一本です。Wから始まった二期でも、「仮面ライダーエグゼイド」以前と以後ではかなり色が変わってくるので……二期ライダーのエッセンスがどちらも詰まっています。
 仮面ライダーのお約束、劇場版もいっぱいありますが、まずは本編を観てください。もちろん劇場版を観た方が作品を楽しめますけど、とにかく初めは「全50話」のボリューム感に慣れましょう!(笑)

作品の面白さ:★★★★☆
作品の難しさ:★★★☆☆
子どもに見せたい度:★★★★☆
大人になっても面白い度:★★★★★
オススメ度:★★★☆☆

8位:「炎神戦隊ゴーオンジャー」(2008年〜2009年・東映作品)

出演:古原靖久・片岡信和・逢沢りな・碓井将大・海老澤健次・徳山秀典・杉本有美・及川奈央ほか
脚本:武上純希・會川昇・古怒田健志・宮下隼一・荒川稔久・香村純子ほか
音楽:大橋恵
監督:渡辺勝也・諸田敏・竹本昇・中澤祥次郎・鈴村展弘・佛田洋・加藤弘之

 ごめんなさい、こちらも初めて観た戦隊から選出させていただきました。初めて観た戦隊にして、「(当時)これまで観た作品の中でいちばん面白い」とさえ思わされたほどの魅力溢れる戦隊です。
 この作品の特徴ですが、とにかく明るい!!!!
 先輩自動車戦隊の「激走戦隊カーレンジャー」は天才脚本家・浦沢義雄さんの手による狂気溢れた脚本とノリノリの演出陣・サポート脚本家陣が噛み合った結果、奇跡的な怪作(人はめちゃくちゃ選ぶ)になってしまったわけですけど、今作は限りなく万人向けの面白さ。明るさがあります。
 現在でも世界的な課題となっている「環境問題」を題材とした敵組織『ガイアーク』はまさにタイムリーな話題をいっぱい取り上げている上に、ヒーロー番組としての王道「正義とは何か?」「仲間との協力」正面から描く快作。
 一年を通して勢いを失わず、最終回まで駆け抜ける。まさに、「正義のロードを突き進む」戦隊となっています。
 戦隊シリーズの入門編、いや、特撮の入門編として超オススメです!!

作品の面白さ:★★★★★
作品の難しさ:★☆☆☆☆
子どもに見せたい度:★★★★☆
大人になっても面白い度:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆

7位:「ブルースワット」(1994年〜1995年・東映作品)

出演:正木蒼二・白鳥夕香・土門廣・田中優樹・干潟智子・佐野茂・長門美由樹
脚本:宮下隼一・扇澤延男・鷲山京子・曽田博久・小林靖子・浅香晶ほか
音楽:若草恵
監督:辻理・小西通雄・蓑輪雅夫・三ツ村鐵治・石田秀範・折田至

 B級映画ファンのみなさん、お待たせしました!
 特撮作品は時代の流行・人気作品がふんだんに取り入れられています。とくに、その色が濃かったのが90年代前半の特撮作品たち。80年代後半から、当時王道と言われていた作品がマンネリ化し始め、「脱・王道路線」を模索し始めたんです。スーパー戦隊シリーズはトレンディドラマやRPG要素を取り入れ、円谷プロはハリウッドやオーストラリアに進出しました。
 その最後となったのが、「ブルースワット」です。
 ブルースワットはアメリカ映画を彷彿とさせるガンアクションを軸とした特撮ドラマ。小学校低学年くらいまでをターゲットとしていた従来の作品とはまったく違う路線に舵を取りました。
 主人公たちは現実のSWAT部隊などでも用いられるプロテクターやヘルメットを身に纏い、現実に限りなく近い武器を使用。敵も得体の知れないエイリアンになりました。若草恵さんの手によるサウンドトラックも海外映画のオマージュとも取れるメロディラインがふんだんに使用されています。第一話では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のような旋律も!(笑)
 しかーし! 作品は無謀ともいえる路線変更を始めます。どうも、子どもたちにウケなかったらしく、子ども受けする超兵器やゴールドプラチナムが登場しました。一応、作品としての体裁は保っていますが、初期設定を無視した無茶苦茶なエピソードが多数登場する始末。敵組織「スペースマフィア」の広報CMを作る回とか、主人公の怒りでゴールドプラチナムが紹介される回とか、もう散らかりまくっています。でも、そこが逆に面白い。
 それがこの作品の魅力になってしまったんですから、不思議なものですね。路線変更される前の硬派なドラマ、路線変更後の迷走期。ありとあらゆることをやってみたけど、結局上手く消化されないまま作品が終わってしまって……
 特撮作品は「子ども」というメインターゲットがありますが、彼らの成長やまた別の視聴者層に対応した作品が作られることも。いろんな視点から作れる分野なんです。
 作り手の苦労と葛藤が見られる貴重な作品となっています。初めて観る作品としてはあまりオススメしませんが、機会があれば是非ご覧あれ。

作品の面白さ:★★★★★
作品の難しさ:★★★★★
子どもに見せたい度:★☆☆☆☆
大人になっても面白い度:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆

6位:「獣電戦隊キョウリュウジャー」(2013年〜2014年・東映作品)

出演:竜星涼・斉藤秀翼・金城大和・塩野瑛久・今野鮎莉・丸山敦史・飯豊まりえ・千葉繁ほか
脚本:三条陸
音楽:佐橋俊彦
監督:坂本浩一・竹本昇・小中和哉・渡辺勝也・加藤弘之・柴崎貴行

 「きーいて、おどろけーっ!!!!」
 千葉繁さんのナレーションが、今でもご本人の声で再生されてしまいます。もう何回観たことか。超王道戦隊です。「戦隊とは?」というテーマを鍋に入れて、とことん煮出したような作品。爆発、友情、巨大戦、追加戦士、人間ドラマ。
 「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」や「仮面ライダーW」でお馴染みの三条陸さんのテンション満点の脚本と、王道大好きの坂本監督を中心とした演出陣の組み合わせがもう最高!!
 ここまで明るくて、楽しくて、一年中お祭りをやっているような作品は初めてでした。「炎神戦隊ゴーオンジャー」はサキのお姉さん回を中心に「子どもに説明しづらいシチュエーション」がいくつか登場しますが、キョウリュウジャーは安心して観せられます。
 毎日二話ずつ、教科書代わりに見せてもいいくらい。
 しかも、変身はサンバのリズムに乗って。お子さんが変身ポーズを練習すればするほど、リズム感が養われます。セリフを真似すればするほど、どんどん性格も明るくなっていきます。
 もちろん、大人が観ても楽しめます。声優ファンや過去の戦隊シリーズファンは特に楽しめるはず。キャスティングめちゃくちゃ頑張ってます。戸松遥さんに、宮野真守さんに、千葉繁さんに、木下あゆ美さんに、春田純一さん。松風雅也さんや出合正幸さんも忘れてはいけません。
 レジェンド大集結。東映さんはこの二年前にも「海賊戦隊ゴーカイジャー」でありとあらゆる戦隊ヒーローを集結させましたが、キョウリュウジャーでも非常に上手くヒーローたちが描かれていますよ。
 ちなみに、かつてのジュウレンジャーでは「ジュウレンジャーだから十人戦隊なんだよね」と思われる方が何人か出てしまいましたが、このキョウリュウジャーでは実際に十人います。いや、正確には十人以上。
 一年間ぶっ通しで熱くて、燃えて、面白い作品です。みんな、一度は観るべき!!

作品の面白さ:★★★★★
作品の難しさ:★☆☆☆☆
子どもに見せたい度:★★★★★
大人になっても面白い度:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆(子ども向けは★×5)


 前編は以上です。計らずも、「ブルースワット」以外は万人にオススメできる作品がランクインしました。
 あくまで私の主観による感想の趣が強いランキングですが、よければ後編もお付き合いいただけると幸いです!

 2020.2.28
 坂岡 ユウ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!