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わたしは書籍を出したい | 20世紀生まれの青春百景 #84

 この際だから、あらためて宣言しておこう。わたしは商業で書籍を出したい。

 創作を始めてから、どちらかといえばウェブに特化してきたし、最初は商業で書籍を出せるようになるまでは、紙媒体には手を出さないでおこうと思っていた。装丁や構成へのこだわりがありすぎて、わたしには手に負えないだろうと思っていた。

 だが、いざDTPを触ってみるとおもしろくて、紙媒体のポスターやパンフレットを作っているうちに、ちゃんと文字組みや書籍の作り方を学んでみようかという気持ちが強くなっていて、実際、この夏はわたしなりにInDesignをがっつり触っていく予定でいる。仕事にするなら専門家に学んだ方がいいんだろうけれども、今回はあくまで個人用途なので、わたしなりに成果物を決めた上で作り込むつもり。まあ、過去にちょこちょこと触っていたこともあるので、リハビリテーションのようなもの。

 紙媒体はやり始めると止まらなくなる。ちょっとした部分が気になったり、新しく作り直したくなったり、そういった欲求と向き合いつつも、ほんとうに必要かどうかを吟味しながら、自分自身で決めた締め切りに間に合うように成果物をつくる。この締め切りが大事で、締め切りがないとダラダラと作り続けてしまうことになりがち。

 どちらかといえば書籍を作る方の話になってしまったけれども、やはり、わたしの言葉や物語がきちんと評価されたうえで、専門家たちの手によって書籍にしたいという思いはずっと秘めていた。何度か賞の最終選考に残ったり、編集者さんがついていた頃もあったりしたが、今は国内外の気の置けない仲間たちとともに自主制作を続けている。ただ、自主制作で作り続けることはできても、販路や広報の角度には限界があるので、そういった部分の規模も大きく作り込んでいける商業の書籍化にはやはり大きな憧れを抱いている。

 作品を読んでいただきたいし、社会全体に広まってほしい。誰かに認められたい。

 こういった承認欲求のようなものは常にある。ないと言ったら嘘になるし、せっかく書くのだから、ちゃんと読まれたい人に届いてくれなかったら悲しい。最近の作品は完成したはいいものの、広報活動をしっかり出来ないことがほとんどで、作品に対しての機会損失が大きかった。

 まずは作品の練度を伸ばしながら、出来ることを増やしながら、ほんとうに求めてくださる方が現れた時、満点以上のものをお出しできるように、日々創作に対しての準備を積み重ねていかなければいけない。そうやって、最善の準備をきちんとした者にのみ、ベストセラーという最高の栄誉を掴み取ることが出来るのだろう。

 いつか来る日まで、わたしが出来ることを。

 2024.7.11
 坂岡 優

最後までお読みいただき、ありがとうございました。 いただいたサポートは取材や創作活動に役立てていきますので、よろしくお願いいたします……!!