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真夏のスーツ事情 | 20世紀生まれの青春百景 #88
今日は面接だった。朝は尼崎で、夕方はオンライン。七月中に転職活動を終わらせようと考えているので、ここからの二週間はかなり慌ただしい。
それにしたって、この夏は異様に暑い。そもそも夏になっていないんだよね。梅雨明け間際なのに、かつての真夏を越えるくらいの暑さに列島が覆われている。熱帯雨林のようなスコールがやってくるようになったし、気候の変化がより大きくなった。そんな中でスーツで仕事をされている方は本当に大変だろうし、なんとか暑さを和らげる方法はないものかと会社や自治体も考えてやらなければいけないと思う。
こういう時、スーツを複数持っていて良かったと思う。礼服にも使えるスーツと、ユニクロで二着購入した感動ジャケット。後者は夏の心強い味方だ。
真夏にスーツを着なければいけないこと自体がどうかしていると思うが、スーツがふさわしいと感じる人が多数派なうちは、少数派の我々がどう騒いでも状況はなかなか変わらないだろう。だからこそ、決められた服装の中でいかに機能的に、かつ、見た目を損なわずに居られるかに力を注ぎたい。ただ、難しいのは、それが複数着あらなければいけないということ。ECサイトには安いスーツもあるが、あまりにも安すぎると粗悪な縫製だったり、生地が風を通さなかったり、いろいろと問題が生まれる。
革靴も悩ましいところで、足はそれほど汗をかかないが、一日中履いていると気持ち悪くなっていくもので。スニーカーを許してくれる職場なら履き回しもできるが、古典的な職場はそれも許さないところがあり、革靴でいることを強いられる。そうなると、もはや足にとっては地獄でしかなくなってしまうよね。
夏の過ごし方が「暑さの中で涼む」というよりも、いかに「暑さを回避するか」という行動に移り変わりつつある。新しいウイルスやこれまでのウイルスの変異体の流行が始まっている中で、リモートワークを有効に使いながら、ウイルスとともに気象条件にも柔軟に対応できる働き方をできるように社会そのものが変わっていかなければいけない。そんな時期が来ている。
スーツにはスーツの良さがあるし、きちんとオーダーされたスーツに生まれる風格は他の礼服には代えられないものがある。素晴らしい文化だからこそ、人々にとって不快なものであってはいけない。
気象条件や人々の声に合わせて、衣食住は常に変化を続けていくんだろうし、特に服は気象に合わせて常に見直す風土があるべきだ。わたしは成熟した文化を見つめる時、こういった変化と伝統の両面を持っていることを特に重視するようにしている。大切なのは、双方向性。軸がひとつになると脆いのだ。
2024.7.17
坂岡 優
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