もう報われても良くないか、人生。

せいぜい二十数年しか生きていないのに何を言うんだと笑われるかもしれない。大した努力もしていないのに、と。
でももう、疲れてしまった。頑張ること、困難に立ち向かうこと、心をすり減らすこと、全部に。

苦しいことばかり思い出すのはどうしてなのだろう。
大切にされた記憶が出てこないのはどうしてなのだろう。
満たされた心があっという間に空っぽになってしまうのはどうしてなのだろう。
自傷の衝動に耐える日々を強いられるのはどうしてなのだろう。

きっと頑張ってきたのだと思う。どうにか頑張れたから、過去の自分よりは穏やかに生きていられるのだと思う。
でもさ。そうだとしてもさ。こんなに辛いのはどうしてなんだろうね。
大切な人も信じたかった人も離れていって。
傷だらけの心を削って他人の空洞を埋めようとして。
離れないと言った人すら遠くに行ってしまったら、もう何を信じたらいいのか分からないじゃんね。

頑張った。頑張ったよ、自分。
生きるだけでHPを削られる人間が、世間で言われる“成人”にまでなったんだから。
だからもういいじゃん。報われても。
そろそろ与えられてもいいんじゃないかな。優しさだとか幸せだとか愛だとか、そういうやつ。
もう傷つかなくていいんじゃないかな。今まで何度も致命傷を負ってきたんだから。
人生何周目だよってくらい絶望して、怒ることも虚しくなって、心なんか幾度となく殺してきたんだから。

温かい手だとか、優しい目だとか、静かな声だとか、そういうのを無条件に与えられていたい。
「あなただから」ってだけで許されたい。
「この人なら」を積み重ねて、心の底から信じてみたい。
誰にも傷つけられずに生きていたい。
大好きな人と笑い合いたい。


もう報われても良くないか、人生。