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自宅復帰に関わる要因は??

こんばんは!PHYSICAL ONLINEでは明日に使える臨床法をお届けします!

本日のテーマは自宅復帰に関わる要因は?と言う内容です。

今回は回復期の脳卒中患者さんに限定した話になります。

①自宅復帰に関わる在宅復帰率とは?

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【参照元】回復期リハビリテーション.net                  引用:https://kaifukuki.doctorsfile.jp/assets/pdf/byotou.pdf

そもそも回復期リハビリテーション病棟にはスタッフ人数や日々の単位数、重症患者の割合に応じて病棟基準が6段階に分けられています。(2020年5月現在)

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【参照元】厚生労働省 平成30年度診療報酬改定説明会 2018年3月5日 資料 https://www.pt-ot-st.net/contents4/medical-treatment-30/33

また上記の計算方法で施設基準:入院料1〜4のところは7割の在宅復帰率が求められてきます。

つまり、回復期病棟に入院した患者さんの中で1ヶ月のうちに退院した患者さんのうち70%の患者さんは自宅or住居系介護施設or有床診療所へ帰さなければなりません。

と言っても基本的には自宅に帰すことが第一目標になります。

そこで大事になるのが、『自宅復帰率』です。次項で紹介します。

②自宅に帰るために必要になってくること

脳卒中患者さんの転帰にに関しては、機能的自立度評価表(以下FIM)の評価だけでなく家族による介護が可能かどうか?実際の介助量の評価が必要不可欠となってくると言われています。

先行研究にて才藤らは以下に報告しています。

介助に要する時間はFIM1点あたり2分/日程度である。

FIMは運動項目91点、認知項目35点満点で計126点満点ですが、重症の患者さんは満点で帰る人はそう多くありません。

全てにおいて介助が必要な方で計算して見ましたが、介助している時間だけで1日3時間半介助に時間を当てなければなりません。

正直結構きついと思います。

そこで私たちの役割としては、点数を1点でも上げることで患者さんのできることを増やしてあげること。そして、介助するご家族の方の負担をいかに少なくすることが重要になってきます。

つまり自宅退院には、同居家族人数と介助可能な時間が自宅への転帰決定に大きく左右されることになります。

③自宅復帰率の計算方法がある?

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【参照元】脳卒中 機能評価・予後予測マニュアル     編集 道免和久

退院時

この式に数字を当てはめるた答え(自宅復帰Index(%))が自宅復帰率として算出されると言われています。

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今回は、なぜこの式で算出されるのかと言う話は省略しますが、式を見ていただくと協力的な家族一人の介護力は計算すると50となるため、FIM50てんに相当し、そのような家族がもう一人いるとFIM100点に相当するため、家族の介護力はとても大切です。

反対に独居の場合であると、退院時にFIMが高い点数になったとしても自宅復帰Indexは低値となるように、家族の協力がなければ自宅復帰は困難なことも容易に想像がついてしまいます。

このような計算式があるので、みなさんの担当されている患者さんは今何点なのか一度点数をつけてみるのも面白いかもしれません。

④最後に

最初に自宅復帰率の計算方法を知った僕の感想としては、

リハスタッフは、障害を受けた本人の機能回復を図るように努力することは当然ですが、それだけではなく本人の社会背景にも目を向け、自宅復帰した後の生活を具体的にイメージし、適切な予後予測を家族と共有していくことが今後求められてくるんじゃないかなと思いました。

本人だけでなく家族指導もリハビリのうち。本人から家族へ汎化させていくことも僕たちの役割なのではないかと思いました。

自宅復帰率の計算いかがだったでしょうか?

ご存知の方もいれば、知らなかった!と言う方もいらっしゃるかもしれません。

ぜひ明日の臨床に役立てていただけたらと思います。

拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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