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作品集

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私の経験や体験をもとに、さまざまな思いを綴ったエッセイです。似たような思いをしている人の背中をそっと支えられますように。
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記事一覧

来た道を戻り、日々少しの後悔を拾い集める

今思うと、何事も要領よくこなせる側の人間ではない、ということに早い段階で気づけたのは幸い…

鶴田 有紀
1か月前
35

よく食べよく寝て、できるだけ穏やかに過ごせていますようにと。

表示された懐かしいアイコンに、思わず声が零れた。 生活に馴染み、今や多くの人が活用してい…

鶴田 有紀
5か月前
66

欲しくなると、秋が来たと実感する

以前、別のnoteにも書いたのだけれど、秋が近づくと化粧品が欲しくなる。今年もその時期がきた…

鶴田 有紀
10か月前
38

「書くこと」を通して人や思いをつなぐ物語。三浦しをん著『墨のゆらめき』

歳を重ねるにつれ、「もっと知りたい」と思える相手に出会えた時ほど、近づくことを躊躇してし…

62

3年目も、ありがとうございました

3年目もありがとうございました 5月1日から、ライター4年目に突入する。1年前にnoteに書いた目…

48

偶然も重なったので

大変だ。 この頃、「読みたい本が多すぎる問題」に直面している。出合わない時はパッタリなく…

53

寝る前に物語をひとつ

先日noteにも書いた『鯨オーケストラ』に続き、吉田さんの『中庭のオレンジ』を購入。今回は21つのショートストーリーが綴られているため、毎日就寝前にひとつずつ読むことにした。すると、読み進めていくうちに嬉しい発見がいくつかあった。 個人的に本は、一度その世界にどっぷりと浸かってしまうと読み切りたくなる。そのせいで、「あと1ページ……やっぱり、もう1ページ」となり、何度寝不足になったことか。 一方でショートストーリーは、数ページで完結するため、続きが気になりモヤモヤすること

私の頭では、平凡な答えしか出てこなかった。

時代が変われば、いろいろなことが起こる。今までできなかったことも、できるようになる。人が…

77

偶然見つけてくれた、あなたと。

あれこれ。のマガジンを始めるにあたって、私は1つ決まりごとを作った。 "Twitterでのお知ら…

44

桜の時期に会いに行けるように

祖父と祖母が眠るお墓に行くためには、桜並木を通るのがお決まりのコースだ。車通りも少ない田…

31

あなたが見てきた世界を、私にも少し共有させてほしい。

自分から誰かに話しかけることが苦手だ。(苦手なのに、よく接客業を7年もしてきたなぁと思う)…

43

私の場合は“書くこと”だった。

今は写真や音楽など、自分を表現する方法はいくらでもある。表現方法が無数にある世の中で、私…

53

笑顔でその手を握りたい

「おばあちゃん、危ないかもしれない。今ならまだ話せるから会いに来てくださいって」 90歳を…

34

それぞれの過去が重なり合い、やがてひとつの物語になる。吉田篤弘 著『鯨オーケストラ』

書店でさまざまな本を眺めていると、その黒く品の良い装丁が目に留まった。そして、ページをめくり少しだけ物語の世界に触れた時、「この方が選ぶ言葉がとても好きだ」と感じたのだ。それが、筆者と吉田篤弘氏の物語との出会いであった。 そんな筆者にとって、記念すべき一冊目となった『鯨オーケストラ』(角川春樹事務所)は、声優や朗読など声の仕事を生業にする青年、曽我哲生(そが てつお)の視点で描かれている。ある日、担当する深夜のラジオ番組で、17歳の時にモデルをした絵が行方知れずになっている