27 ほろほろ
あなたの手の中で、仄青い水の鍵はふるえている。
「一番大切で、一番思い出したくないことを、あなたは話しませんでした」
あなたは祈る。そのてのひらに、いっとう大切なものを隠したまま。
「どうか許してください」
あなたの顔は見えない。
泣いてもよかった。
悼みは痛みのままで。
そこから咲き、散り、沈む、花を。
「あなたをおいて、逝ったことを」
仄青く、あなたは崩れていく。
――ほろほろと。
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あなたの手の中で、仄青い水の鍵はふるえている。
「一番大切で、一番思い出したくないことを、あなたは話しませんでした」
あなたは祈る。そのてのひらに、いっとう大切なものを隠したまま。
「どうか許してください」
あなたの顔は見えない。
泣いてもよかった。
悼みは痛みのままで。
そこから咲き、散り、沈む、花を。
「あなたをおいて、逝ったことを」
仄青く、あなたは崩れていく。
――ほろほろと。
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