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なぜあのおじさんは働かないのか?の記事を読んでピーターの法則を考えた

現在、東洋経済onlineで「なぜあのおじさんは働かないのか?」というテーマの記事が連載されています。

http://toyokeizai.net/category/not-work

この連載の中では、職場の中でやりがいをもって働き続けることが難しくなった中高年社員の課題が取り上げられており、興味深く読みました。

以前と比べて、一つの組織で働き続けるという人は少なくなりました。

そもそも、個人のやりがいや価値観、働き方というものは節目節目に変化していくものであり、その人にとって最適な職場や働き方は変わっていくのが自然です。

記事の中に、以下の一文があります。

「会社人生は、大きく分けると、入社してから仕事を通じて自立していく時期と、組織での仕事に一定のメドがついてから、自分の今後のあり方を考える時期の2つの段階がある。おのおのに通過儀礼があると考えたほうがいいだろう。」

私自身も30代も中盤に差し掛かり、自分の仕事の意味に変化が起きていることを感じます。

これまでは、何かを得ることや、能力を発揮する、いわば自分の成長が動機の中心がありましたが、最近は自分の仕事が社会にどう影響を与えるのかということに関心が向かっています。

これら自分自身の心の変化を時に考えてみることが大事だと思います。

もう一つ、こうした個人の価値観の変化という観点とは別に、組織内でポジションが上がることがきっかけとなって迫られる変化もあります。

ローレンスJピーターという方が提唱した「ピーターの法則」では、組織に所属するものは、インコンピテンス(無能)レベルまで昇進すると主張しています。

一営業マンだった人が、マネジャーに昇進すると、マネジャーとして必要な能力はゼロから(無能)スタートとなる。また、マネジャーが経営層になる時も、同様に経営層としては無能からスタートするという具合です。

節目において、上手くできていたこれまでの自分を捨てて、新たに活躍できる能力を獲得しなおすことができれば、また次のステージへの昇進の道が開け、ついに、無能レベルを超えられなくなった段階で昇進が止まるということです。

このことは、組織は放っておくと、能力が停滞する人間で埋め尽くされるということも指摘しており、人の成長の限界が、その組織のパフォーマンスの限界となることを示唆しているように思います。

人事課題としては、健全な新陳代謝の仕組みを持つと同時に、人が能力を埋もれさせたり停滞することのないよう、その人のキャリアに応じたふさわしいステージを用意したり、節目を乗り越える支援をすることが必要なのだろうと思います。

そういう意味では、キャリアを積むごとに、自分の価値観が変化し、ある種、無能だと感じる壁にぶつかったり、これまでの仕事に意味を感じられなくなったりということは、あながちマイナスなわけではなく、次のステージへのチャンスの兆しとも考えられます。

なぜなら、自分が無能だと認識しなければ、次のステップにはいけないのであり、次のステップにいくためにはこれまでの成功体験を捨てることが必要です。

非連続なキャリアを選択することは、自分の変化を健全に受け入れ、成長していくために重要ではないかと感じています。

また来月もよろしくお願いいたします!

VOL46  2014/3/31                                                                                          sakaguchi yuto


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