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”その時を再現してもらう”インタビューを実施してみて

この春から顧客のインタビュー調査と競合調査を行っています。

今後、更なる市場シェアをとっていくために、改めて、顧客からどのように自社が認知されているか。

また、競合はどんなサービスを行っているかを丁寧に理解し直そうということで、外部のコンサルティング会社に入ってもらい進めてきました。

インタビューでは当社をいつ、どのように認知したのか。競合と見比べてどのような印象だったか。当社のお店に来ていただいてどのような接客を受けたのか。その時の購入の決め手は何だったのかという具合に、一つひとつを先入観や誘導などを意識的に排して、その時を再現してもらうようにインタビューしていきました。

また、内容はすべて録音し、その方がおっしゃったとおりに忠実に書き起こしを進めました。

ようやくその資料がまとまり、この週末にじっくりとすべてを通して読み直したのですが、本当に多くの示唆があるということを実感しました。

その内容をここで書くことはできないのですが、この作業をやってみて再認識したのは、人の話を正しく聞くというのは本当に難しいということです。

たとえインタビューを行ったのは自分であっても、改めて文字に起こしてみて相手が言わんとすることが何だったのかを考える時間をとると、その時に聞き流しただけではわからない顧客の発言の奥にある重要なメッセージに気づくことがあります。

マーケティングにおいても、営業においても、あるいは採用面接のインタビュー等々、幅広い仕事、職種で重要なスキルに「相手の声を正しく聞くこと」があると思います。

正しく聞けた上で、何をやればいいかを理解し行動につなげていかなければ、解決すべきテーマがそもそも違ったということになってしまいます。

その意味で「聞く」ということは仕事のベースではないでしょうか。

もう一つ、この仕事から感じたのは、一次情報を加工せずに得ることの大切さです。

顧客の声、競合の状況をどのレベルまで深く理解しているかというのは、ビジネスをする上で大きな違いを生むのではないかということです。

ビジネスをしていると、なんとなく顧客はこうだろう、競合はこうだろうとある種、思い込みで意思決定を進めてしまうのは避けられません。

一次情報は現場から階層が上がるにつれて、どんどん形を変えていったり、重要なメッセージが落ちていきます。

今回のように、音声をそのまま文字で書き起こす過程においてですら、その人のその時の表情だったり、声色だったりから伝わるものがたくさん落ちていきました。

私はマーケティングを担当していながら、顧客理解がまだまだ浅かったと思わされました。

一次情報にあたらず戦略やマーケティングを検討したり、フレームワークに頼るのではなく、このような情報がそのまま経営層まで伝達され、組織内の認識が共有されていく。

そのことで現場で日々行われる一つひとつの意思決定に違いが出てくるように思います。

すべての会社が顧客のことを日々考えていたり、把握しようとしていると思いますが、どのレベルまで徹底してやれているか、ということはあると思います。

改めて、顧客の声を一次情報として加工せず得る機会をつくってみる。      その上でいつも以上に一言一句に集中して聞いてみる。

そのような機会をつくることはぜひおススメしたいです。

また来月もどうぞよろしくお願いいたします!

VOL38  2013/7/29                                                                                 sakaguchi yuto

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