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世界遺産が3つ。鹿児島には自然も歴史もあるんです。

日本本土の最南端に位置する鹿児島県。

大河ドラマ「西郷どん」の舞台であり、活火山・桜島がもくもくと煙をあげるこの地には、日本の都道府県で最多タイである3つの世界遺産(自然遺産2つ・文化遺産1つ)があります。

世界自然遺産に登録されているのは、鹿児島本土のさらに南にある屋久島と奄美大島・徳之島。県の総面積の約27%は島々が占めており、世界遺産の島々に行くことはまさに鹿児島の自然を味わうことと言っていいでしょう。

また、鹿児島は自然が豊かなだけでなく、日本近代化の歴史において重要な役割を果たした場所でもあります。23の資産で構成される明治日本の産業革命遺産のうち、旧集成館・寺山炭窯跡・関吉の疎水溝の3つが鹿児島県に位置します。

この記事では、これら3つの世界遺産の紹介を通じて、鹿児島県の魅力をお伝えします。

記事を書いた人:トラベルクリエイター・Yuto
1998年鹿児島生まれ、鹿児島育ち。大学進学とともに上京し、現在は国内を旅して暮らしている。上京した当初は「鹿児島ってなにもないよ」と大真面目に言っていたが、今では鹿児島大好きな24歳。


樹齢千年超の木々が生い茂る神秘の島・屋久島

引用:鹿児島県観光サイト・かごしまの旅

鹿児島本土から南に約130km。飛行機で40分、フェリーで4時間かけてたどりつく屋久島は、日本で初めて登録された世界自然遺産です。島の90%が森林であり、九州最高峰の宮浦岳(1936m)をはじめとして、1000m以上の山々が連なっているため、洋上のアルプスとも言われます。

樹齢数千年の屋久杉、ダイナミックな滝、ウミガメの産卵地である浜辺など、屋久島には数々の見どころがあり、できることなら長い期間をかけて一つ一つ味わうのがおすすめです。この記事では、屋久島観光で絶対に外せない場所として、縄文杉と白谷雲水峡を紹介します。

推定樹齢7200年!屋久島のシンボル・縄文杉

引用:鹿児島県観光サイト・かごしまの旅

高さ25.3m、周囲16.4mと最大級の老大木である縄文杉は、樹齢7,200年とも言われる屋久島のシンボルです。表面の激しい凹凸は、台風の多い屋久島の厳しい自然の中を生き抜いてきたことの証であり、その迫力は圧巻です。

縄文杉は手付かずの原生林の奥にあり、往復22kmのたいへんなコースを10時間かけて歩かなければ出会うことができませんが、それでも行く価値があると言えるほど圧倒的な存在感を放っています。きちんと装備を揃えて、ガイドさんとともに向かうのがおすすめです。

■アクセス(荒川登山口まで)
[車とバス]
・宮之浦港から屋久杉自然館前まで約40分、屋久杉自然館から荒川登山口バス停まで登山バスで約40分
・屋久島空港から屋久杉自然館まで約20分、屋久杉自然館から荒川登山口バス停まで登山バスで約40分
■駐車場
有(屋久杉自然館前)

https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10734

もののけ姫の世界に迷い込める森・白谷雲水峡

引用:鹿児島県観光サイト・かごしまの旅

白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)は、宮之浦からバスで30分ほどの場所にあるトレッキングスポットです。木々も岩も、目に入るものすべてが緑色の苔で覆われた森は幻想的で、もののけ姫の舞台としても有名です。

白谷雲水峡は6.5kmの遊歩道が伸びており、高低差が小さいコースもあるので体力に自信がない方でも安心です。最大の見どころである苔むす森は、入口からおよそ90分。もののけ姫に登場する木の精・コダマが暮らしていそうな森をぜひ楽しんできてください。

■アクセス
[車]
・宮之浦港から約25分
・屋久島空港から約40分
■料金(森林環境整備推進協力金)
高校生以上:500円
■駐車場

https://www.kagoshima-kankou.com/guide/10740

多様な生命が息づく森と海・奄美大島&徳之島

引用:世界自然遺産 奄美・沖縄

鹿児島本土から南に380~580kmの海上に点在する奄美諸島。その中の2つ、奄美大島と徳之島が世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」に登録されています。この2つの島にしか生息せず、近縁種が存在しないアマミノクロウサギが暮らすなど、生物多様性が特徴です。

屋久島と同じくじっくりと楽しむのが良いですが、忙しい方のために奄美大島と徳之島で外せないスポットを1つずつご紹介します。

奄美大島でぜひ行ってほしいのは、黒潮の森マングローブパークです。マングローブとは、熱帯または亜熱帯の河口の湿地帯や沿岸部の干潟に生育する樹木群のことであり、奄美大島ではカヌーに乗って、この独特な自然を探検することができます。

徳之島では犬の門蓋(いんのじょうふた)に行きましょう。犬の門蓋は、隆起したサンゴ礁が長い年月のなかで侵食されてできた奇岩や断崖、洞窟などが並ぶ海岸であり、ダイナミックな景観が楽しめます。また、透明抜群の海中世界も変化に富んでおり、徳之島でダイビングをするのもおすすめです。

黒潮の森マングローブパーク
■カヌーツアー時間
10:00, 11:30, 13:00, 14:30, 16:00
※20分前集合
■カヌーツアー料金
大人:2,000円
小中学生:1,800円
■アクセス
[車]
・奄美空港から約70分
・奄美市名瀬から約20分
[バス]
・古仁屋行き、マングローブパーク前バス停
・西仲間行き、西仲間バス停から徒歩約7分
■駐車場

https://www.mangrovepark.com/canueing-trial

犬の門蓋
■アクセス
[徒歩]
平土野港から約35分
[車]
徳之島子宝空港から約10分
■駐車場

https://www.mangrovepark.com/canueing-trial

日本近代化の先駆け・明治日本の産業革命遺産

引用:鹿児島県観光サイト・かごしまの旅

日本は幕末から明治にかけて、西洋以外の地域ではじめて、かつきわめて短い期間のうちに産業化を果たしました。西郷隆盛や大久保利通ら、明治維新において重要な役割を担う人材を多く輩出した鹿児島県(薩摩藩)は、真っ先に富国強兵を進めていました。

軍事力強化、産業育成の中心となったのが、日本初の工場群である集成館です。集成館には反射炉があり、ここで鉄を溶かして大砲の砲身をつくっていました。反射炉は薩英戦争で破壊されてしまったため、現在は基礎部分のみが残されています。

同じく世界文化遺産の構成資産に登録された寺山炭窯跡と関吉の疎水溝は、集成館の動力源でした。寺山で焼いた炭の火力、関吉から引いた水力によって集成館事業が支えられていたのです。

1865年に竣工した集成館の機械工場は、現在では博物館・尚古集成館として薩摩・島津家の歴史と文化を伝えています。尚古集成館のとなりには桜島を望む雄大な大名庭園である仙巌園(せんがんえん)があるので、あわせて観光するのがおすすめです。

尚古集成館
■営業時間 ※2024年9月末まで耐震・リニューアル工事のため休館
9:00-17:00 年中無休
■料金
大人:1,000円
小中学生:500円
※仙巌園とセットで大人1,600円、小中学生800円

仙巌園
■営業時間
9:00-17:00 年中無休
■料金
大人:1,000円
小中学生:500円
※尚古集成館とセットで大人1,600円、小中学生800円

アクセス
[車]
鹿児島中央駅から約20分
[バス]
鹿児島中央駅からカゴシマシティビューで約50分、仙巌園前バス停で下車

https://www.shuseikan.jp/visit-us/
https://www.senganen.jp/access/

鹿児島で自然も歴史も楽しむ旅を

引用:鹿児島県観光サイト・かごしまの旅

緑に囲まれて全身にマイナスイオンを浴びるのも、瑠璃色に輝く海で泳ぐのも、日本の近代化に思いを馳せるのも、すべてできるのは鹿児島県だけ。

見どころ満載で語り尽くせない鹿児島県ですが、まずは3つの世界遺産に行くところから鹿児島を知ってみませんか?


執筆、編集:Yuto

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