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スポーツは人生の「目標」:高校生のアスリートたちへ

高校生のアスリートたちへ

「人生はスポーツだけが全てじゃない。」
「大事なことはスポーツで何を学ぶか。」
「人生は競技を引退した後の方が長い。」

そんなことは、耳にタコが出来るほど聞かされてきただろう。
「わかってるよ、でもこっちは命かけて来たんだよ!」
そう言い返したくなる選手も多いのではないだろうか。

インターハイや甲子園に向かって毎分毎秒目標を忘れず、その舞台をイメージして生きていた選手も多いと思う。その舞台が消えた。
僕が高校生なら、絶望感や虚無感でしかない。

これからオリンピックやプロを目指す選手にとって、インターハイや全国大会はオリンピックやワールドカップ級に重要なイベントであるはず。
それがなくなってしまった…。
でも、大丈夫!もう、すぐそこに、次のステージが君を待ち受けている。

君たちが目指して来たインターハイを通り、挫折を経験した僕から、君たちへ

「悔しさ」は努力してきた者だけに与えられた特権

もし悔しい気持ちを感じられたなら、それはこれまで努力してきた証である。
正真正銘、君は真のアスリートだ。
アスリートとは、ある目標に向かって努力を継続出来る人間のことです。
まずは自分がそれであると言うことを認識してください。

絶望感から生まれる武器こそ最強説

実現できなかった夢があるからこそ、人はより大きな夢が見れるもの。

悲しみや苦しみ、悔しさから生まれた思考や発想が、これまで人類の歴史を変えて来ました。

君たちは今、未来を変える新しい武器を手にしたことになります。

君の武器は、今までどんな偉大な先輩たちも味わったことのない悔しさを知っていると言うこと。

君の武器は、いずれ世界を変えるほどの破壊力を持っています。
君たちは、かつて誰も経験したことのない前代未聞の出来事の中心人物である事実。そして、インターハイに出場できる権利を持っている人は、極めて限られた人だけであると言う事実を忘れないでください。
君たちはまだ誰も持ったことない極めてレアな武器を手にしたと言うことです。

スポーツは「目的」ではなく「目標」に過ぎない。

スポーツをすることが人生の「目的」ではない。
言うなれば、君はスポーツをするために生まれてきたのではない。

「スポーツ」は「自己実現」を果たすための手段でしかなく、「インターハイ」は、その手段における一つの「目標」でしかない。

「目標」を失ったくらいでくよくよくするな。
「目的」を果たすために突っ走れ。

「目標」は、常に変わるもの。それでも「目的」はブラすな。

「目標」は周囲の環境や状況、自分の成長度によって常に変えていくものです。
しかし、「目的」はそう簡単に変わるものではありません。
君は「目的」を達成し自己実現を果たすためにスポーツと言う方法を選びました。
スポーツの道を選んだのです。
では、果たして、その道はどこに向かっているのか?

スポーツも学問も芸術も、全ては「目的地」に向かうための一つの「道」であり、「目標」とはその「道」を進むためのただの「指標」でしかない。
大事だけど、とても小さい話である。


全国大会、意外とあっけない

僕はスピードスケートでインターハイに出場しました。
特に優勝することだけを考えていた3年生の時は、四六時中自分のすぐ横にライバルがいるイメージで生活していました。
毎日朝5時半に起きて、自主トレから始まる毎日。

しかし、結局インターハイでは完走したのち走路妨害と言う判定で失格に終わりました。
確かフィニッシュ後、一瞬電光掲示板に表示されたタイムは総合1位か2位の記録でした。
夢にまで見たインターハイ優勝の舞台。「優勝」の二文字だけを追いかけた1年間は、一瞬にして水の泡となりました。

これほどまでにあっけないものなのか。
なぜか笑いがこみ上げて来たのを覚えています。

その後何日か考えました。
3年間で初めて練習をストップしました。
インターハイが終わりやる気が起きなかったのです。

そこで分かったことがあります。
インターハイが目的になってしまっていたと。

目標を見失いかけている君へ:目標の見つけ方

次の目標を見失いかけている人、特に競技を引退する人は、次に何をやりたいか?がわからない人もいると思います。

これまで何が楽しくてやってきたのか?

勝った時の優越感
一つのことをやり切った後の達成感
辛く険しい試練の後の爽快感
チームで戦う一体感
努力が実った時の満足感
自己を表現できた時の超越感

など

これまで何が嬉しくて競技をやって来たのか、よーく考えてみてください。
そこに次の目標を見つける答えがあります。

例えば、勝った時の優越感であれば、次も勝敗が重視される世界に行くべきです。スポーツ以外でも、研究開発、営業、経営など一番であることが称賛され最大価値である競争の世界に飛び込むのです。これまでと同じ楽しさや、嬉しさ、喜びを感じることが出来るはずです。

自分が何になりたいか?何をやりたいか?ではなく、何を感じたいか?で、進むべき方向を探してみると良いでしょう。

喜びや嬉しさがやがて情熱に変わる。

僕も高校生の時はインターハイが全てだと思っていました。でも、インターハイより面白いことは山ほどあった。そして、今でもスポーツをやっているような感覚で日々戦えています。

大事なことは情熱を注げる「何か」を見つけること。その「何か」とは、自分が嬉しいと思えることや、楽しいと思えること、素直に喜べることです。好きであり、それと共に生きることで幸せを感じられること。そこに情熱が生まれる。
情熱を注いだ果ての未来は想像以上に明るく、そして感動や興奮に満ち溢れている。

「インターハイや甲子園が吹っ飛んだ。」そんなこともあったねと、いつか笑い話となるよう、とりあえず上を向いて未来に向かって走り出せ!

君の中のスポーツは一生消えない。

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