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第1章 14.退職までの20日間(Blackboard Story 2019/1~3)

       職場

テル 「お疲れ様です」
神谷 「あれ、テル君、今日も午後休とってるの?」
テル 「そうですね。
    有休を使わないともったいないんで」
神谷 「もしや、デート?」
テル 「してみたいものですねぇ」
神谷 「そっか、お疲れー」

       職場、別の場面

主任 「そっか、もう退職届出しちゃったんだね。
    私は残ってほしいと思ったから残念だけど、
    私はテルを応援するよ」
テル 「ありがとうございます」
主任 「ところで、辞めること他に誰かに言ったの?」
テル 「あまり事を大きくしたくないので、
    2、3人くらいにしか言ってないです。
    人事発表のときに察すると思いますし、
    わざわざ言わなくてもいいかな。と」
主任 「う~ん、そうだけど、
    数学のメンバーには、先に伝えてほしいな。
    私が場を設けるからさ」
テル 「そうですね。わかりました」

       職場、また別の場面

テル 「本日はみなさん、
    集まっていただきありがとうございます。
    私から、皆さんに伝えたいことがあります。
    私、今年度でこの学校を去ります。
    理由は2つあります。
    1つ目は、今年、
    出世の話が来なかったことです。
    今年度、私は今までで一番頑張ってきました。
    しかし、そこに対して評価がされないことに、
    疑問を感じ、辞めるに至りました。
    2つ目は、新しいことに挑戦したい
    という思いからです。
    まあ、上の人が信用できないということが
    一番の理由なんですけどね」

       間

太田 「田中先生、今までお疲れ様」
主任 「お疲れ様~」

テル 「皆さんには、とてもお世話になりました。
    ホント、皆さんのことは大好きだったので、
    お別れすることが心残りです」

       職場、またまた別の場面

粟野 「えっ、もしかして、旅行をしたときは
    もう辞めること、決めてたの」
テル 「はい、実はあの旅行の前日に、
    退職届を出していました」
粟野 「そっか、・・・じゃあ、旅行のときは、
    もう、そんな感じだったんだ。
    なんかごめんね」
テル 「いえいえ、最後に皆さんと
    いい思い出ができたんで良かったですよ」
粟野 「ホント、僕の数学のサポートを
    いろいろしてくれてありがとうね」
テル 「いえいえ、こちらこそお世話になりました」

       テルとシンのシーン。
       テルが電話をしている

園田 「田中さん、また書類選考通りましたよ!
    すごいですね!」
テル 「ありがとうございます!」
園田 「明日、面接ありますけど、
    準備はオーケーですか?」
テル 「緊張しますね~」
園田 「田中さんなら大丈夫ですよ。
    頑張って下さいね」
テル 「園田さん、ありがとうございます。
    では、失礼いたします」
園田 「失礼いたします」

シン 「明日、面接なんだ~」
テル 「そうなんだよね。
    てか、キャリアアドバイザーってすごいね、
    電話だけで色々と話を進めるんだもん」
シン 「すごいね。俺も、夜勤疲れたし、
    転職しようかな」
テル 「転職するときは、
    この園田さんオススメするよ。
    めっちゃ良い人だし」
シン 「そうなんだねぇ。
    てか、最近どうなの、野村さんとは。
    一回デートしたんでしょ」
テル 「うーん、ちょっと微妙だったかも。
    待ち合わせのとき、
    声かけられて驚いちゃったし、
    ご飯食べに行ったときは、
    料理がなかなかでなかったし。
    なんかあまり印象が良くなかった気がする」
シン 「なるほどねぇ。
    そのあとはLINE続いているの?」
テル 「ちょっと忙しそうな様子だったし、
    また、頃を見て連絡しようかなぁと」
シン 「まあ、相手に合わせるの、大事だしねぇ」
テル 「あ、じゃあ、
    そろそろ面接のまとめしたいから帰るわ」
シン 「おう、明日頑張ってね」
テル 「頑張るわ!」

       面接会場にて

テル 「田中テルです。
    本日はお時間いただきありがとうございます。
    私は大学を卒業後、
    数学の教員として4年間勤めてきました。
    そこでは、高校3年生を担当することもあり、
    国公立大学の進学実績を15名から
    22名にまで、伸ばすことができました。
    この成果が出せたのも、私はもともと、
    何事に対しても一生懸命ということもあり、
    生徒に良い授業を提供するために、
    より多くの問題を解き、
    解説することができたからです。
    この、一生懸命さを、
    ぜひ、貴社で生かしていきたいです」

       別の面接会場にて

テル 「学校で4年間働いていく中で、
    学校という世界の狭さを感じました。
    もっといろいろなことを知り、
    自己を成長させたいという思いが強くなり
    転職を決意しました」

       学校にて

神谷 「テル君、次年度の発表で
    テル君の名前がなかったんだけど、
    辞めちゃうの?」
テル 「はい、ここにいても未来はないと思ったんで」
神谷 「そっか、できれば相談してほしかったな。
    石本先生もショックを受けていたよ」

石本 「テル君、辞めちゃうんだね」
テル 「まあ、いろいろ上のやり方に
    不満が溜まってましたし、
    この機会ですし、いろいろと
    挑戦したいなと思いまして」
石本 「そうなんだ、頑張ってね」

       自宅にて

テル 「いろいろ忙しくて連絡が取れなかったけど、
    そろそろ、また、野村さんと遊びたいな。
    ちょっと連絡してみよう」

テル 「野村さん、お久しぶりです。お元気ですか。
    まだ、ご飯行きませんか」
野村 「お久しぶりです。
    すみません。ちょっと今の時期は忙しいので、
    また今度お願いします」

テル 「そっか、野村さんも頑張っているんだな。
    俺も転職活動、頑張らないとだな!」

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