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第2章 9.販売業という仕事(Blackboard Story 2019/4~6)

       テル、中野、対面で座っている

テル 「・・・以上が、私の経歴です」
中野 「田中さん。自己紹介ありがとうございます。
    では、改めまして、
    わたくし、株式会社ハシルの中野です」
テル 「よろしくお願いします」
中野 「はい、では、説明を行います。
    Gメッセージの瀬川社長から
    紹介を受けておりまして、
    今回、田中さんには、
    弊社が企業に対して提供しております、
    営業スキルプログラムを
    1年間受けてもらいます。
    販売店に勤務し、
    そこで営業スキルを身に着けていただきます」
テル 「そうなんですね」
中野 「また、1ヶ月に数回行われる、
    ビジネスマナー研修もございまして、
    そちらも、任意ですが、
    参加することができます。
    それぞれの段階において
    テストがありますので、
    合格をすると、次のステップへ
    進むことができるという流れですね」
テル 「テストですか。
    自分が受けるのは久しぶりですね」
中野 「そうですよね。教員ですもんね。
    ここまでで、何かご不明点はございませんか」
テル 「大丈夫です」
中野 「はい、ありがとうございます。
    では、実際に勤務する場所になりますが、
    こちらですね。
    現在、携帯会社で募集がありますので、
    そこの会社で、
    まずは面接を受けていただきます」

       中野、資料を渡す
       テル、資料を受け取り、読む

テル 「あれ、ここは不定休なんですね」
中野 「まあ、販売業は大体そうですね」
テル 「勤務時間もまちまちなんですね」
中野 「早番と遅番がありますからね」
テル 「すみません。これって、固定で
    曜日を休みにすることはできないですか?」
中野 「店舗にもよりますが、厳しいと思います」
テル 「ああ、そうなんですね」
中野 「他は何かご不明点ございませんか」
テル 「うーん、大丈夫です」
中野 「では、最後にこちらに
    契約書がございますので、
    内容を確認していただき、
    サインしていただきます」
テル 「あの、すみません。
    私、まだGメッセージさんと
    契約を交わしていないんですけど、
    大丈夫なんでしょうか」
中野 「その件ですね。このプログラム自体が
    弊社の管轄となっておりまして、
    携帯会社様に派遣をするのが、
    私たちの仕事となりますので、
    弊社との契約が必要になります。
    ここで、Gメッセージさんと田中さんが
    契約をしてしまうと、二重派遣になり、
    法律違反になってしまうんですよね。
    なので、このような形で、
    雇用契約を結んでおります」
テル 「そうなんですね、わかりました」

       シーンが変わる
       テル、電話をかける

瀬川 「もしもし」
テル 「瀬川社長、お疲れ様です。田中テルです」
瀬川 「おお、田中君ね。どした?」
テル 「さっき、ハシルの担当者と面談をしました」
瀬川 「お疲れ様~」
テル 「すみません、そこで、相談なんですけど。
    私、土曜日にキャリアコンサルタントの
    申し込みをしているんですよ。
    なので、どうにか、毎週土曜日に休みが
    取れるようにできないかなと思いまして」
瀬川 「それは無理だね。働ける条件を厳しくすると、
    雇ってもらえなくなるからね」
テル 「そうなんですね」
瀬川 「前に、色々と条件を出して、
    結局雇ってもらえなかった人もいたしねぇ」
テル 「じゃあ、諦めるしかないんですね」
瀬川 「そうだね。まあ、一年間我慢すれば、
    うちらと働けるから、頑張りなよ!」
テル 「わかりました。頑張ります!」

テル 「そっか、じゃあ、
    土曜日のキャリアコンサルタントと、
    日曜日の演劇指導。
    どっちも断りの連絡を入れないと
    いけないのかぁ。仕方ないか」

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