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Jリーグボランティア改革②〜ファンを増やす入り口としてのボランティア〜

コロナ期間中に本を買いすぎて
部屋のどこを切り取っても
本が置いてある下澤悠太です。
#片付けろ

(7185文字/約7分30秒で読めます) 


1つ前の記事では
新規のボランティアを獲得するには
そもそも既存のボランティアスタッフの
離脱率を下げることが重要なのでは?
という内容で書いてみました!👇


ここからは本題である
「じゃあ実際に新規のボランティアの方を
増やすにはどうすればいいんだろう〜」
について考えてみたよ!です。


一緒懸命考えて書いたので
それなりに長いんですけど
内容はそこそこ面白いと思います。


では早速


新規のボランティアを

獲得するためには

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いきなりですが
人が行動を起こす時には
その先に何かしら価値があるからだと思ってます。
#そうじゃない場合もある

例えばバイトで言えば、
全然やりたくないことであっても
働いた先にお金(報酬)があるから
やっている人がいると思います。

つまり
ボランティアであっても
「ここで働かせてください!」
と思えるほどの価値があれば、
自ずと人は集まってくるような気がしました。

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ではボランティアをする上での
報酬となり得るものはなんでしょうか?


前回の記事で
新規のボランティアとして働くメリットが
"やりがい"(報酬)だけでは弱い
ということを少し書きました。

やはり
新規のボランティアスタッフを獲得するには
"やりがい"というような無形の価値ではなく、
目に見える有形の価値があった方がたぶん良い

と思います。


その理由は2つあると思っていて、

1つは世の中には
面白いコンテンツが溢れている
からです。

週末の貴重な時間を
それらと奪い合わなければいけないので
Jリーグのボランティアの競合相手が
映画館やディズニーになるわけですが、

そんな状況の中で
"やりがい"という形がなくて
本当に感じることができるのかどうかも
分からないものに週末の貴重な時間を使うなら、

「それなら普通に友達とディズニー行くわ」

というような感じで
『すでに楽しいことを知っている
(安心感がある)』ことに
時間を費やそうとする人が多い
と思います。


また、
ボランティアの募集をかけるターゲットが
そのクラブのサポーターの方々ではない人
だった場合を考えると、

尚更、
ボランティアをすることで得られるメリット
有形の価値が高いものじゃないと
そもそも選択肢にすら入らない可能性が高い

気がしています。

というのも
ブラウブリッツ秋田のボランティアを
されている方の話を聞いても、

ボランティアすることに全く興味の無い
一般の人からよく言われるのは
「ボランティアって無報酬だろ?
仕事が休みの日なのによく行くよなぁ〜」
ということ。
そういう印象を一般的に持たれているから
余計にボランティア参加しようとは
思えないのかもしれません。
定年迎えた年配の方などは趣味がてら
身体動かして体力維持のためや、
人との繋がり持ちたいから等の理由で
参加する方もいますが、
特に若い人は「対価が無い労働はしたくない」
という人も多い気がします。
また秋田は特に
"しょしがり(恥ずかしがり)"な県民性なのと、
スポーツボランティアというもの自体が
あまり知られていない現状があるからだとも思います。

とのことでした。

やっぱり正直そうだよね
というのが僕の本音で、
有形の価値がないことには
参加しくれる人は少なそうですね。


2つ目は
全員を勝たせた方が絶対にいいからです。

ボランティアというと
見返りは特には求めず
その人の良心による優しい取り組み
という認識があると思いますが、

見返りを求めないということは
ある意味で「我慢している」可能性もある
ということにも繋がると思います。


ボランティアの方が
辞めたくなる大きな理由の一つに

「いいように使われているな〜」と感じた時

ということが
サッカーに限らず
様々なスポーツボランティアの現場で
言われているそうなのですが、

このように
ボランティアをお願いしている側が
自分の利益だけを優先する
テイカーのような存在になってしまうと、

そのクラブが好きで
ボランティアをしてくれている方たちが、
いつしかクラブに対する愚痴が増えて
ボランティアを辞めて
クラブのことが嫌いになってしまう
可能性がある
と思います。

有給のスタッフであれば
給料との等価交換なので
まだいいのかもしれませんが、
#それでも本当はよくないよ

ボランティアの方に対しては
特に優しくしてあげる必要があると思っていて、
我慢させてしまうような設計にしてしまうと
必ずどこかで限界が来ると思います。

なぜなら
ボランティアをしなくても
生きていけるから
ですね。


だからこそ
ボランティアの方に対して
優しい設計ができていないのであれば、

「これがあるから私は頑張れる!」

と思ってもらえるような有形の価値を
作っちゃった方がいい気がしています。

(ボランティア=無償で働いてくれる人
という方程式は成り立たないから、
ボランティアの方への取り分も設計する
)


まぁそんなこんなで
実際にJリーグのボランティアを通して
得ることができる有形の報酬は
どんなものがあるのかをみてみました。


〈ボランティアへの

インセンティブ(特典)〉


ボランティアとして働く上で
インセンティブとして提供されることが多い
トップ5は、

1.「弁当、飲料の提供」(98.2%)
(提供していなかった1クラブは
弁当代として現金を支給)

2.「ボランティアユニフォーム
(キャップ含む)の貸与」(74.5%)

3.「観戦チケットの提供」(70.9%)

4.「ボランティア同士の交流イベント」(52.7%)

5.「選手や監督などが参加する慰労会」(49.1%)

だそうです。

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個人的にこの中で1番魅力的に見えたのが、
「選手や監督などが参加する慰労会」です笑

もしヴィッセル神戸さんのボランティアをして
イニエスタ選手と話せるのであれば
僕はやってみたいです笑

ただ、
毎年選手の入れ替えが激しいチームだと
応援している選手が移籍してしまうことが多く、
なかなか慰労会の価値は感じにくいのかもしれません。


ちなみに話を伺ったところ
ブラウブリッツ秋田のボランティアとしての
インセンティブは、

・お弁当とペットボトルの飲み物
(控え室にスティックコーヒーや
お茶などのティーバッグと
お湯のポットが置かれていたが
今はコロナ対策の観点から中止)

・活動に必要なフェイスシールドや手袋、
軍手、雨天時にはポンチョ (マスクは各自)

・ボランティア用のスタンプカードの配布
→参加するごとにスタンプが貯まり、
たまった数に応じて特典が貰えるとのこと

・チーム関係者や選手達との交流会を開催
(去年はホーム最終戦直後に30〜40分程度)

・ホーム戦で来場者に配布された記念品等
(必ずではない)

・かなり前に選手会でボランティア感謝祭を開催
(ボランティアと選手の混合チームで
ミニサッカー大会やBBQしてくれた)

etc...

とのことでした!


秋田でもチーム関係者や選手たちとの
交流会も開催されているそうですが、

秋田の人は恥ずかしがり屋の方が少なくはない
というような話を聞いたことがあったので、
この交流会を目当てで参加する人は
多くはないのかなと思いました。笑
#そんなことなかったらごめんなさい


また、
他のインセンティブで言えば、

・ボランティアの名刺を作ってくれる

・代表戦ではボラ専用ウェアが支給され、
一律の交通費が出ることも

・希望したボラのみスタジアムツアーとして
選手ロッカー室やピッチまで行けて
記念に集合写真を撮れる
(サプライズで代表選手が
挨拶に来てくれたこともあるとのこと)

・東京ヴェルディでは活動後の控え室に
ヴェルディ君や選手が1名来てくれて
記念写真やサインを頂けた。
(今もやっているのかは不明)

みたいなものもあるそうです!


ただ少し冷静になって
この現在のJリーグのボランティアによる
インセンティブを見てみると、
基本的にはすでにクラブのサポーターの方が
得ることができたら喜ぶ内容のものが多い

気がしました。

つまるところ
そのクラブのサポーターではない人たちが
魅力的に感じるインセンティブではない

可能性が高いと感じています。


そもそも多くのJリーグチームが
ボランティアとして頼みたい人材は
そのクラブのサポーターではない人たち

だと思います。

なぜなら
クラブのサポーターの方々は
会場に足を運んでくれる可能性が高い人たちで、
(声援だけでなく
お金を通してチームを支えてくれている)

特に観客動員数に伸び悩んでいたり
保有している資金が少ないチームほど、
そんなサポーターの方々が
ボランティアに回ってしまうことは
できる限り避けたいのかなと考えられますよね。


そうなると
どれだけそのクラブのファンではない人たちが

「ぜひボランティアをやりたい!」

と思えるほどのインセンティブを
設定できるかが重要な気がしたわけですが、


そこで個人的に
1番最初に考えたのが、

もし提供されるお弁当が豪華だったら
「ちょっと夜ご飯ついでに手伝ってみようかな!」
という人が増えないかな?
と思ったのですが、
(特に秋田はご飯が美味しいので!)

現実としては
ゆっくり食べれるだけの休憩時間がなく
難しそうとのことでした。笑
#残念

ちなみに
松本山雅さんでは食事代が支給されて
好きなスタグルを買って食べれるそうです!

個人的にブラウブリッツ秋田の
観客動員数を増やすためにも
スタグルに力を入れることが重要だなと
コソコソ1人で考えていたので、

この辺とコラボしたら面白いのかなと思って
オラなんかわくわくしてきたぞ!
#急な悟空
#加賀サンドが美味しすぎる

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また、
個人的にはブラウブリッツ秋田が行っている
スタンプカードの良い取り組みは
面白そうだな〜と思っていて、
#特典の内容による

「〇〇個のスタンプで
高級ホテル1泊2日チケットがもらえます!」

とか

「〇〇個のスタンプで
ディズニーのペアチケットがもらえます!」

みたいな内容だったら
サッカーに興味がない人でも
「やってみたい!」と思うかもしれません。笑

まぁこれは金銭的な問題もあると思うので
実現できるかどうかは分かりませんが、
#Jリーグさんどうかボランティア運営費みたいな感じで各チームに投資してください

「いつもチームを支えてくれている
ボランティアスタッフの方々に恩返しをしたい!」

みたいな
クラウドファンディングを立ち上げたら
いつもの感謝の気持ちを込めて
支援してくれる方は多いのでは?
なんて思っちゃったりしてます。
#僕は支援します



ということで
色々と考えてきましたが
やっとここからが本題になります。笑
#前振りの長さが宇宙一


ここまでの話を端的にまとめると

思わず
「ボランティアやりたい!」
と思ってしまうインセンティブを
設計した方がいいのでは?
という内容でしたが、

とはいえ
このインセンティブを設計しちゃおう作戦は
たぶん一過性のものである
気がしていて、
(魅力的なインセンティブは
あくまでもボランティアの入り口を広げる
ための取り組み)

これから何十年と
Jリーグが続いていくことを考えると、
根本的にJリーグのボランティアというものを
長期戦でも耐えられる場に
シフトチェンジした方が良さそうだな
と思った内容が以下の通りです。



Jリーグのボランティア改革

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大きく分けて2つ考えてみました!

1つは大学との連携

もう一つは
運営の場を出会いの場にすることです。

#実現可能かどうかは知りません笑


①大学との連携

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まず大学との連携についてですが、

結論から言ってしまうと
大学とJクラブが連携して
『Jクラブのボランティアをすることで
単位がもらえる授業』を作ってもらう

ことです。

ちなみにそのような感じの取り組みを
徳島ヴォルティスさんと徳島大学さんが
連携して取り組んでいました。

(このプログラムでは
徳島ヴォルティスさんと徳島大学さん協力して
ボランティアの体験プログラムを実施)


このプログラムの勧誘は
ヴォルティススタッフさんが大学の授業後に
10分程度プログラムの説明・告知をして
有志参加学生を集めたそうなので、
単位に関わるなど強制的参加の要素はなく
あくまで最終的には
学生の判断に基づく任意の参加だったそうです。

もし可能であるならば
単位取得可能にした方がいいと思います。

というのも
この論文の中で

参加学生は
「先生からのお誘いで、やらしてもらって。」
というような
友達や先輩、先生からの『勧誘』が
参加を検討するスタートになったと考える。
これは「友達とかから誘われないと、
自分から行くことはない」
という口述からも分かるように、
ボランティアに対して
『受身的な態度』の参加学生は、
ボランティアに関する情報が入ってきたとしても
誰かからの誘いがないと
そもそも参加しようと考えないからである。

という一文があったのですが、

ここから分かるように
任意での参加にしてしまうと
よっぽど魅力的なインセンティブがないと
参加しようとは思わない
気がします。

(すでにそのクラブに興味を持っている
学生は関係ないかもしれませんが、
たぶん興味を持っていない学生が
大半だと思います)


この取り組みのポイントだと思うのが
徳島ヴォルティスさんもされていたように、

ボランティアの仕事を
トップダウン式でただ任せるんじゃなくて、

「どんなことをすれば
サポーターの人が喜んでくれるのか」

というようなことを
自分たちで主体的に考え、目標を定めて
挑戦できるボトムアップ式の場
にした方がいい
と思います。


論文の中にも

自分たちで企画運営をすることによって,
「ボランティアやってからは,
どうやってしたら,お客さんが笑顔になって
帰ってくれるかなぁとか,考えるようになって」
というように,
楽しみが積極性を高めていったことが分かる

というように
主体的であるからこそ積極性が増す
ような傾向が見られていたそうです。


また、
主体的であることによって
就活にも繋がると思っています。

このボランティアの場を通して
自分で考えて挑戦して経験を積めることで、

「Jリーグのボランティアを通して
〇〇を意識してこんなことを学びました。
この学びは御社の△△に
転用できる内容だと思いますし、
この経験を活かしていきたいです!」
#内容うす

みたいな話もできるかもしれません。


僕は面接官ではないのでよく分かりませんが、

たぶん言われたことをただやる人よりも、
言われたことは当たり前のようにやりつつ
プラスαで自分で考えて
行動に移すことができる人材の方が
求められる気がしています。
#言われたことをやるだけの人はAIで代替できそうですよね


それこそ
「日本はビジネスパーソンが1番勉強しない国」
みたいなことを言われているそうですが、
つまりそれは
自分をアップデートする意識(自分で考える力)
が失われてしまっている
ことだと思います。
#日本の正解を教える教育が原因の1つだと思う

まぁ日本では保証もしっかりしているので
それでも生きいけると思うんですけど、
じゃあ会社が欲しい人材って
どんな人なんだろう?って考えてみると

自分で何も考えずに
言われたことだけをやる人よりは、

コロナショックが起きて
「もしかしたら〇〇な対応をしたら
良さそうじゃないですか!?」
と自分で考えて行動に移せる人材の方が
明らかに優秀で求められる気がします。


なので
このJリーグのボランティアという環境が
そういう人材を作るキッカケの場になったら
学校としても乗り気になるだろうし、

「あのクラブのボラに参加している学生って
自分で物事を考えられるし
良い人材が集まるんだよね!」

と企業からも注目される環境になる
可能性もあるだろうし、
(資金も出してくれるかも🧚)

学生たちからしても

「あのクラブのボランティアをすると
就活に強いらしいんだって!
ちょっとやってみようよ!!」

と前のめりに参加してくれそうな
気がするのは僕だけでしょうか?

(それこそスポンサー企業さんとかと協力して
インターン生とか新人研修の一環として、
Jリーグのボランティアを経験させてみる

みたいな取り組みって
面白しろそうじゃないですか?)


ということで
『主体的に取り組めるボランティア』にすれば
「やってみたい!」という学生が
少しは増えるんじゃないかと。

それにJリーグのボランティアを軸に
地域の大学などの組織と繋がることで、
より地域から応援される存在に
なりそうな気もしました!


そのためにも
まずはこの取り組みをする前の段階から、

ボランティアをすることで
どんな経験ができるのか・何を学べるのか
といったものを、
学生のニーズに沿いながら
具体的に伝えておくことが重要な気がしています。


みたいな話も大事なんですけど、

この取り組みをした方が良いもう一つの理由は
ボランティアがキッカケで
そのチームのファンになってくれる可能性を
秘めている
からです。


参加学生の声を見てみると

「会場のサポーターの人とか(応援が)熱狂的で、
思い入れも、すごい必死で。
こんだけ支えられるっていうんは、
魅力がなかったらつかないんで。
ヴォルティスって
魅力のあるチームなんやなぁって、思ってら
(中略)
そこから段々と好きになっていくっていう
感じでしたね」
というようにサポーターを通して
〈ヴォルティスの魅力を実感〉していた。
「ヴォルティスの裏方として支えるっていうので、
自分がヴォルティスに尽くして、
ちょっとでも貢献してるって感じてたら、
その瞬間から愛着がわく。」
というように
ヴォルティスを支える活動が
ヴォルティスへの愛着を高めていた。

というような声がありました。


これはものすごい可能性を
秘めているなと感じていて、

新規のファンを獲得して
チームの観客動員数を増やすためにも、

最初から
「試合に観に来てください!」
というアプローチではなく、

まずはボランティアを入り口に
少しずつクラブの魅力を感じてもらい、
最終的にはファンになってもらう

という選択肢もありだな〜と感じました。
#ボランティアから始まるJリーグ


と、
1つ目の話を終わったところで
長くなりそうなので ( #すでに長い )
続きはもう一つの記事に書きます!

個人的に一番読んで欲しいのはこれです。笑

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