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居眠り門番さん。(2024年4月コラム)

 「花粉症が辛いんですよね」

 この時期によく聞くようになる「身体のお困りごと」です。目が痒くなって、鼻はむずむず、マスクやティッシュが手放せない人も多いのではないでしょうか。CMでも、いろんな種類のよく効くクスリなんかも紹介しています。

 「花粉症」を考える上で、ポイントになってくるのが「身体の免疫システム」です。簡単に言うと、「身体にとって、『よいもの/悪いもの』を判断してくれる門番さん」というイメージです。生きていくためには、「空気」はもちろん必要なものなのですが、そこには「身体に害のあるもの」も含まれていることがあります。

 今日も遠くの山々に目をやると、少し「ぼんやりと、霞んで見える」のですが、それは「黄砂、PM2.5」などが、遠く離れた場所から飛んできているということでもあります。黒や濃いめの色の車に乗っている方であれば、「黄砂がべったりと付いてる」なんてこともよくありますよね。

 そんな「黄砂、PM2.5」は、「身体の中に入ってもらっては困るもの」なので、それは「免疫システムの門番さん」が働いてくれて、「くしゃみ」「涙」「鼻水」などで、「ここからは入れませんので、どうぞお帰りください」としてもらわなければ困ります。それが「健全な身体の、正常な免疫システムの働き」です。

 では、「花粉」はどうでしょう?草花の花粉は、「人体に無害なもの」なので、「門番さん」は、「問題ないので、中に入っても大丈夫です」とにこにこしていてもいいはずなのですが、「仕事の疲れ」「長く辛い病気の後」「引っ越し、転職、就学など、急に生活環境が変わった」「メンタルの不調」などがあると、「門番さんが、ピリピリと余裕がない状態」になってしまいます。

 そんな時に、いつも通りに「花粉」が身体に入ろうとすると、「すごい剣幕の門番さん」が、「ちょとちょっと、何してるんですか。あなたは入っちゃだめですよ」と、「過剰な防御反応」を見せてしまいます。それが辛い「花粉症」で起こっていることなのです。

 たまに「私、花粉症じゃないんですよね」と、「自慢げ」にそれを伝えてくれる人がいますが、「おっと、あなたの『門番さん』居眠りしてませんか?」と、少しだけ不安にもなります。

 「よいもの(花粉など)/悪いもの(黄砂、PM2.5など)」の「適切な判断」こそが大事なポイントで、「働かなきゃいけない時には、しっかりと働いてもらわないと困る」わけです。「働いた結果」としての「ずるずる鼻水」なのであれば、逆に「きちんと働いてくれて、ありがとね」と、ティッシュで鼻をかむたびに「門番さん」に感謝を伝えた方がいいかもしれません。

 では、そのために大切なことが、「門番さんが元気であること(免疫システムが順調に機能すること)」ということで、「きちんと栄養のある食事を食べて、よく寝て、毎日すっきりと排泄があって、適度に運動をしてあげること」という、当たり前のことなんですね。「免疫力を高める〇〇」など、よく聞くことがありますが、「特別な何か」をするよりも、シンプルに「暮らしを整える」ということなのかなと思います。

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