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海の家ちどりバーベキュー進化論① 恐怖のバーベキュー

2010年。夏。新潟市にある小針浜で、26歳だった僕は創業約30年の家業である海の家ちどりを引き継ぐ事になった。

当時のちどりも例外なくどこにでもある様な海の家だったが、ただ一つ進化していたポイントがあった。

鉄板を使った予約制のバーベキューパーティだ。

後にこのバーベキューシステムは当時のおよそ10倍の予約件数に増え、海の家不況がつづく中で僕たちの暮らしを支え、たくさんの人々を喜ばせる事になる

ただし、このバーベキューパーティには恐ろしい欠点があった。

なんと、時間制限がなかったのだ。

終わりのないバーベキューパーティーを厨房にこもりお客さんが帰るのを待つ日々がつづいた。

予約自体が少ないこともあってか、時間制限がなくてもなんとかやれていたんだと思う。

だがしかし、

そんなことをやっているから必然的に事件は起こった。

昼の予約のお客さんが朝から晩まで遊ぶつもりで夕食分の食材と花火の準備までしていたのだ。

夜には別の予約が入っていた為、昼のお客さんには帰ってもらわなければならず伝えるも、夜まで遊ぶ準備をしてきているから簡単には納得してもらえない。なんとか押し問答の末に解決したが、こんな事をしていては誰も幸せにならないと考えた結果、バーベキューパーティに3時間の時間制限を作った。

しかし、次なる問題が待ち構える。

つづく


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