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「経営を広く学びたい」ではMBA社費留学の選抜試験にほぼ一生受からない理由

海外MBA留学を目指しているみなさん、社費でMBA留学、したいですよね。授業料の約2,000万円、会社が負担してくれたら本当に助かります。

でも、「経営に関する知識を広く学びたい」では、社内選抜試験は受かりません。なぜなら、MBAを学ぶ目的(Why MBA?)としては浅すぎるからです。もっと目的の深掘りをして、あなただけのストーリーを具体的に述べる必要があります。

私がこの記事を書こうと思ったきっかけは、池田さんの記事「お金持ちになりたい」「何者かになりたい」がほぼ一生かなわない理由 の記事を拝読して、まさにMBAの小論文でも同じことが言えると思ったからです。

目的を達成する構造がわかりやすく解説されており、必読です。会社から2,000万円を投資してもらいたい方はぜひ目を通してください。

「経営に関する知識を広く学びたい」では不十分

私は社費MBAの選抜試験突破のためのアドバイザーを3年ほどおこなっています。これまで毎年20名ほど、社内選抜試験の小論文を見てきました。小論文の中で問われる最も重要な質問の1つが「Why MBA?」です。

私に添削を依頼される方の半分以上がこの質問に対して「経営に関する知識を広く学びたいから」と書かれています。

しかし、これではほぼ一生受かりません。理由は以下です。

  • 目的に企業側の視点が抜けている(企業があなたをMBA派遣するメリットは?)

  • あなたのPost MBAのキャリアビジョンを描けていない

  • あなたの目的と企業の目的が連動していない

  • 目的の設定が「あなたのこれまでのキャリア・経験」に基づいていない(自分だけのストーリーを語れていない)

これを理解するために、池田さんがnoteで解説されている「目的を達成する構造」を紹介します。

出展:https://note.com/ikedanoriyuki/n/nd6dd6963bd2c

池田さん曰く、この構造にそって、多くの人が突き当たる状態は以下です。

出展:https://note.com/ikedanoriyuki/n/nd6dd6963bd2c

これを社費MBAの小論文に置き換えてみましょう。

私が社内選抜試験の小論文でよく見る論理構造です。図解にしてみると「あまりにも浅すぎる」と感じませんか?しかし、実際には多くの方がこのロジックで小論文を書いています。

そうではなく、「どんなスクールで具体的に何を学びたいのか?」そして「それは何のためなのか?」という問いに答えなければなりません。

つまり、ここでの問題は「目的の深掘り」ができていないことです。「なぜ経営に関する知識を学びたいのか?」について、Whyを繰り返し問い続けます。もうこれ以上無理なレベルまで行きついたものが「真の目的」になります。

では、ここから社内選抜試験に合格するために、不足している要素を1つずつ加えていきましょう。

① 目的に企業側の視点を入れる

社内選抜試験に合格するための重要なポイントは、あなたをMBAに派遣する「企業側のメリット」を明確に示すことです。

なぜなら、企業が2,000万円を負担してまであなたをMBA派遣するのは、あなたが海外MBAの経験を通して成長することが、企業の成長にも繋がることを期待しているからです。

例えば、10年後に海外事業の売上を2倍に伸ばしたい企業の場合、企業側の視点で目的を構造化すると以下になります。

極端にシンプル化しているため、もちろん全てがこの限りではありませんが、社内選考の応募論文を書く際はこの「企業側の視点」を必ず意識して書くようにします。後述しますが、企業の目的と、あなた自身の目的(キャリアビジョン)は、連動させることが重要です。

② Post MBAのキャリアビジョンを入れ込む

MBA卒業後、あなたのキャリアビジョンを目的に入れ込むことが重要です。キャリアビジョンは中・長期的なものが望ましいです。

なぜかと言うと、人事から見て長期的なキャリアビジョンのある人は「MBA取得後も会社に残り、長期的に活躍してくれるだろう」という安心感につながるためです。

例えば、「MBA取得後はグローバルリーダーになり、会社に貢献する」というPost MBAのキャリアビジョンを図解すると以下のようになります。

冒頭の「経営に関する知識を学びたい」という目的に比べると少し解像度が上がりましたが、まだまだです。目的に対して「Why?」を繰り返すことでもう少し深掘りしてみましょう。

これによって2つの良い変化が起きました。1つ目は目的が深掘りされたことにより、「良い問題点と、それに対する具体的な施策」が出てきました。問題点の解像度が上がったため、施策がより具体的で現実的な打ち手になっています。

2つ目は、目的が「グローバルリーダーになる」という「利己的な目的」から「〇〇業界を変革したい」というより高次元の「利他的な目的」に変化しました。

このような利他的な目的は多くの人から共感を得られ、派遣元企業の人事の視点、さらにはMBAの審査官などにもポジティブな印象を与えます。

結果として、試験を突破する確率も上がってきます。

③企業の目的と、あなた自身の目的(キャリアビジョン)を連動させる

Why MBA? (目的)について、企業側の視点とあなた自身のキャリアの視点の両面から構造化ができました。

次に重要なのは、企業の目的あなたの目的を連動させることです。

なぜ両者を連動させることが重要かというと、あなたがMBAで成長し「目的」を達成することが、企業の課題解決に繋がる、というロジックを通すことができるからです。

上記の例で言うと、あなたがグローバルリーダーとなり、海外事業で新たな収益の柱を作ることで、企業としても海外事業を伸ばすことができます。

つまり、あなたの成長と会社の成長をリンクさせることができるのです。

④ 「あなたのこれまでのキャリア・経験」に基づいて目的を設定する

最後に重要なのが「Why me?」です。

目的の深掘りにより、「筋の良い問題点」が明らかになり、「具体的な良い施策」が出てきたとします。

しかしながら、再び企業側の視点に立ってみると、「なぜあなたをMBA派遣するのか?」「その課題を解決するなら、あなたではなく、Bさんの方が適任じゃないの?」という問いに答えられていません。

ここに対してのポイントが「あなたのこれまでのキャリア・経験」に基づいて目的を設定することです。

あなたのこれまでのキャリアで他の人が経験したことのない「ユニークな部分」に焦点を当てます。

そして、「こういう経験をしたことがある私だからこそ、この課題を解決できる」というロジックに繋げます。

この方法はあなたの原体験を理由にしているため、誰にも真似できない、オリジナルの小論文になります。

ここまで解説してきたことをまとめると以下のようになります。

この記事がみなさんのMBA留学に少しでもお役に立てることを願っております。

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