カレー屋の婿養子

ウマ娘などの怪文書を書いてます。読んでいただければ幸いです。 #ウマ娘 #ウマ娘プリ…

カレー屋の婿養子

ウマ娘などの怪文書を書いてます。読んでいただければ幸いです。 #ウマ娘 #ウマ娘プリティーダービー #ウマ娘怪文書 #怪文書 #二次創作

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  • 麗らかに…

    ウマ娘のための教育機関『トレセン学園』に勤める数学教師の回想…という存在しない記憶 #ウマ娘 #ウマ娘プリティーダービー #ウマ娘怪文書 #怪文書

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    単発オムニバスです。 #ウマ娘 #ウマ娘プリティーダービー #ウマ娘怪文書 #怪文書

記事一覧

麗らかに…episode3『幻の天才』

午前中、3年生の教室をひたすらハシゴし、ひと息つくと気付けば昼休みも半分過ぎていた。ノソノソとカフェテリアへ向かう。 ピークは過ぎたようで、人の入りもまばらにな…

麗らかに…episode0

登場人物紹介 (どんどん増えていきます) 武田裕(タケダユタカ) トレセン学園中等部2年A組の担任教師。専門は理科(物理)だが、今は主に中等部の数学基礎を指導して…

麗らかに…episode2『きっかけ』

とりあえず大学へ…特に目指す将来も無かったが、何かしら資格でも取れれば潰しが効くだろうと、教育学部へ進んだ。物理を専攻していたが、正直に言えば、代返と追レポで単…

麗らかに…episode1『朝』

「おはよう」 「ちぃ~ッス」 「やばっ。今日1講からミニブタだわ。マジだりぃ」 「わかる。ってか二次関数とか意味わかんないし?式からグラフなんて浮かばないから」 「…

ロッカールームの片隅で…

🔴「う〜ん、トレーナーさんの好みねぇ…。あっ、たしか以前、『一輪車に乗れるようなバランス感覚に憧れる』って言ってたよ。」 🟠「アイコピー!マヤ、トレーナーちゃん…

勝ち続ける代償は…

3月。 二度目の大阪杯を安定したレース展開で勝利した直後、ウィナーズサークルに向かう途中で、妻は力無くへたり込んでしまった。2年前の「すみれステークス」の悪夢が…

麗らかに…episode3『幻の天才』

麗らかに…episode3『幻の天才』

午前中、3年生の教室をひたすらハシゴし、ひと息つくと気付けば昼休みも半分過ぎていた。ノソノソとカフェテリアへ向かう。

ピークは過ぎたようで、人の入りもまばらになっていた。今日はあまり時間も無い。ヒト用サイズのざる蕎麦を頬張る。

ウマ娘はその運動量を維持するため、食事の量もケタ違いだ。トレセン学園のカフェテリアでは、そのウマ娘達の胃袋を満たす食事を実質無料で提供している。もちろんヒト用の、小さい

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麗らかに…episode0

麗らかに…episode0

登場人物紹介
(どんどん増えていきます)

武田裕(タケダユタカ)
トレセン学園中等部2年A組の担任教師。専門は理科(物理)だが、今は主に中等部の数学基礎を指導している。生徒からは「ミニブタ」と呼ばれる。

春野麗(ハルノウララ)
この春トレセン学園に転入学した中学2年生。担任である裕を「武田先生」と呼ぶ数少ない生徒。

渡辺音生(ワタナベネイ)
トレセン学園に通う中学3年生。2年生の時に『ナイス

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麗らかに…episode2『きっかけ』

麗らかに…episode2『きっかけ』

とりあえず大学へ…特に目指す将来も無かったが、何かしら資格でも取れれば潰しが効くだろうと、教育学部へ進んだ。物理を専攻していたが、正直に言えば、代返と追レポで単位を拾ってきた。「ポン」とか「チー」とか、もっぱら中国文化ばかり研究していた。

転機が訪れたのは2年生の時。悪友から怪しいネットサイトを紹介された。
『トゥインクルシリーズ』
女の子達がレース場を走り、その結果を予想する。もちろん表向きに

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麗らかに…episode1『朝』

麗らかに…episode1『朝』

「おはよう」
「ちぃ~ッス」
「やばっ。今日1講からミニブタだわ。マジだりぃ」
「わかる。ってか二次関数とか意味わかんないし?式からグラフなんて浮かばないから」
「解釈一致w」

眠そうな顔がエントランスに溢れる。朝練上がりなのかジャージ姿も見える。にんじんパンを咥えてる子、スマホをチェックする子、ガールズトークに花を咲かせている子、トレーナーらしき人と話し込んでいる子…。いつもの朝の光景だ。

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ロッカールームの片隅で…

ロッカールームの片隅で…

🔴「う〜ん、トレーナーさんの好みねぇ…。あっ、たしか以前、『一輪車に乗れるようなバランス感覚に憧れる』って言ってたよ。」

🟠「アイコピー!マヤ、トレーナーちゃん好みのオンナになっちゃうもんね〜。」

……

🔴(相変わらずチョロかわw)
「さてさて、ネイチャさんは夜食用のチャーハンでも、チャチャッと作りますか。」

……アタシはアオハル杯のためだけに育成され、トレーナーさんからありとあらゆ

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勝ち続ける代償は…

勝ち続ける代償は…

3月。

二度目の大阪杯を安定したレース展開で勝利した直後、ウィナーズサークルに向かう途中で、妻は力無くへたり込んでしまった。2年前の「すみれステークス」の悪夢が頭をよぎる。

菊花賞での奇跡を境に、彼女のメンタルはたしかに快復した。しかし懸念の血行障害が治癒した訳ではなく、その後も食事面、トレーニングと休息とのバランス、レース前後の血圧測定などを怠る事なく留意してきた。もちろんこの日のレース前も

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