AI発想の出力を自分の創造性で肉付けする! -生成AIを使ってゲームを作る②-
みなさま、こんにちは!ユタカ産業のAです。
前回に引き続きNVCのnoteを更新します!
さて、前回記事の「遊び心から価値を創り続ける挑戦! -生成AIを使ってゲームを作る①-」では、chatGPTを使ってHTMLのコードを書いてオセロゲームを作り始めたお話を書かせていただきました。
8×8の緑の盤面に黒の丸いコマを置く事ができ、見た人が「オセロゲーム」なのだなと思うようなものは作れましたが、黒いコマしか置けないし、置いたら盤面が白くなってしまいます。
この現象を修正する為に、まず私は「白いコマを置いてください」と指示をだしていました。しかし、手を加えれば加えるほど、オセロから遠ざかっていきます。
悩みながら、データを触っていると、クリックするだけで盤面が白くなったり、白い四角で挟まれたコマも消えてしまったり……
この時にやっと私は、気付きます!!
白いコマがないのではなく、背景が白いため、
コマが背景と同化しているという状態だということに!!!
考えてみればすぐ分かることなのですが、なにもわからないまま出てきた結果を出力し続けていたため、「今がどういう状態なのか」を理解するのに時間がかかってしまいました。
原因が分かった所で、「背景を透過させて下さい」と指示をだすとでてきたものがこちら。
想定していたものとはまったく違う物がでてきてびっくりしました……!
確かに、指示には「背景」という言葉は含まれていませんでしたが、
人間に修正の指示をだしたら、このような修正内容にはならなかったと思います。
前回の「遊び心から価値を創り続ける挑戦! -生成AIを使ってゲームを作る①-」では、
微調整が出来るようにするのが大事という話を書いたのですが、それはこのようなことが起きたことによって強く実感した事でした。
chatGPTをはじめとしたLLM(大規模言語モデル)は、瞬時に色々な情報を教えてくれますが、ジョークや皮肉が通じないことからもわかるように、
AIは人間と同じように意味を「理解」をしている訳ではありません。
表面上では、人間と話しているのと同じくらいスムーズでも、その出力に辿りつくまでの過程は人間とは異なるものです。
頭では理解していても、今回のように同じ質問を何度もして微調整をしていると、そのことを忘れて、つい人間のようにコミュニケーションをとってしまっていました。
ちなみに今回のこのバグは残念ながら修正することができませんでした。
しかし、コマがちゃんとうつらないオセロでは遊べません。
そのため、「盤面に置いたコマ」の画像を用意し、クリックすると画像が切り替わるような仕組みにしています。
生成AIを使いこなして、コードをつくるという意味では少し抜け道を使ったような感じですが、今回は、実際に遊べるものを作るということを優先しています。
繰り返しにはなりますが生成AIを使いこなす時のポイントの一つとしては、
このような状態に陥った時に修正がきくように
要素区分を明確に切り分け、把握していくことが大事
だと思いました。
そしてそれは、もしAIの精度があがって、このような不自然なプロンプトの実行の仕方をしなくなっても、変わらずに重要であり続けるだろうと私は思います。
なぜならば、
AIが生成したものを、最終的にどのように組み合わせ、
活用していくかは、人間の判断に委ねられているから
です。
AIは多くの情報をもち、それを自由に出力する力を持っています。
しかし、出力されたそれぞれの情報の組み合わせ方はデータベースに基づいた一般的な解決策の組み合わせであり、一個の指針がたっているものではありません。
今回でいうと、無数のコーディングの知識や案だしまでは、AIが行うことができますが、実際どの案を採用し、肉付けしていくかは結局のところ人間の裁量になります。
私はこのオセロゲームでは、コマのデザインについて以下の条件で肉付けしてみました。
・見た目が揃っている
・色がかぶらない
・今まで、オセロになったことなさそうなモチーフ
そして、今ユタカ産業では空前の?野菜ブームです。(ユタカ産業の野菜ブームについては次回の更新にて!)
それにちなみ、ブロッコリー&カリフラワーに覇権争いをしてもらうことにしました。
コマの画像は写真ですが、せっかくなので
生成AIを使って、ブロッコリーとカリフラワーのキャラを作りながらロゴも作ります。
カリフラワーとブロッコリーのキャラクターをそれぞれ生成し、背景と合成します。
完成です!
実際につくってみて、無骨すぎる仕組みではありますが、本当に何も分からない人が学習時間をかけずに、すぐにアイデアを試せることが生成AIの大きな利点だと感じました。
それと同時に、人間はものを作る時に実際手を動かしながら、作りたいもののシルエットをつかんでいるような気もしました。
その時間を飛び越えて、即座に物を作れるようになることは便利ですが、より一層人間の創造性の確かさを問われるような気がしました。
それは、作る時間や知識量から起こるクオリティの差が縮んでいるとも言えると思います。
さて、ではその創造性へのアプローチとして、今回はこのオセロを実際にクライアントに提案するアイデアを考えてみます。
ユタカ産業の実際のクライアントは化粧品メーカーが多いため、化粧品メーカーへの提案を想定しようと思います。
ちなみに、何を作るかを考えた際は生成AIは使わなかったのですが、補足としてAIに考えてもらった提案はこんな感じでした。
私自身は、以下の二つを大事にして考え始めました。
これを念頭に置いたうえでオセロ盤を見てると、美容業界でよく見る肌表面の説明図に似ているな…と、イメージが湧いてきます。
オセロ盤のような升目構造がよく似ていると思いませんか?
こういった図は、主に肌荒れの仕組みを説明し、
そのうえで美容液の効能をPRする時によく使われているものです。
と、なれば作るべき物は肌表面を舞台にした、商品の良さを訴求できるオセロゲーム。
つまり、
シミVS美白美容液のオセロゲーム
です。
盤面を肌表面に見立て、黒のコマはシミ、白のコマでは美容液として出てきます。
盤面がシミで埋め尽くされる前に、美白効果のある美容液を使いながら、
肌を綺麗にしていくのが目的です。
見づらくなってしまったのですが、コマとして指定する画像をJPEG画像からGIF画像にし、美容液のコマは、傾けて肌表面に使ってる画像と、それによって肌が綺麗になってぴかぴかになっている様子が交互に表示されるようにしました。
いかがでしょうか?
仮定の話ではありますが、見たときに「これは何だろう?」と興味をもってもらい、「肌がきれいになりそう!」と思ってもらえるようなコンテンツになってたらいいなと思います!
私自身はものづくりスキルはもっていませんが、そういった人間でも提案の具体例として、物を作れるのはいろんな可能性が開けるような気がします。
また、このように簡単に案を手を動かして練れることで、より一層創造性にリソースを割けるのではないかと思いました。