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重力から解放されたカメラの素晴らしさ

こんにちは、@GO motion 北村 穣です。外出が難しいこの時期、皆様いかがお過ごしでしょうか?私といえば外出できないストレスを映像作品にぶつけていました。

空からの眺め

2017年辺りから本格的に撮り始めたドローンでの空撮映像をYouTubeにアップしました。登山したりテント泊したり旅したり、数え切れないほど色々な場所に足を運びました。noteにはちょっと大げさなタイトルを付けましたが全てドローンで撮影しています、ぜひ大画面でご覧ください。

ドローンがくれた素晴らしい出会い

皆さんも聞いたことがあると思いますが、有名なイタリアの諺があります。

良い靴を履きなさい。
良い靴は履き主を良い場所へ連れていってくれる。

私の場合はドローンとカメラが靴のかわりにたくさんの見たことのない絶景と、数多くの人との素晴らしい出会いをもたらしてくれました。まさにドローンが旅に連れ出してくれたと言っても過言ではありません。一緒に旅してくれた方々、旅先で出会った方々、全てのご縁に感謝します。

コロナ禍のなか外出することが難しい現在ですが、また日常に戻り自由に旅行ができる世の中に戻ってくれることを願っています。

ドローンとの出会い

最初に買ったドローンは2010年に出たAR droneというiPhoneでコントロールするドローンでした、自分で改造しGoProを付けて撮影していたのが始まりで、そこから部屋で飛ばせるトイドローンを何機も購入し室内で楽しんでいました。

この頃から空撮はもちろんのこと社会的なイノベーションとインパクトを感じて自分なりに調べ、飛行練習場やワークショップや講習などにもたくさん参加しました。

また、2016年に国土交通省の最初の許可を取得、2017年には全国包括申請を取得して以来、毎年ドローンの飛行許可を取っています。またTiny Whoop / FPVにもハマり第四級アマチュア無線技師の免許も取得しました。

ドローンのイノベーション

今更感はありますが、ドローンはこれまで実現不可能だった事を可能にしてきました。重力から解放されたカメラは空中で静止し三脚も要りません。映像制作だと今まで大掛かりな機材が必要だった、ドリー撮影、俯瞰撮影、クレーン撮影などの特殊撮影をドローンのみで可能にし、一気に手軽にしました。

現在では空撮だけではなく、様々な用途で使用されています。いくつか例をあげてみます。

・インフラ点検、送電線設備やダムなどの監視
今まで人力では難しかった危険箇所などの点検や監視にもドローンは使用されています。

・災害救助
遭難者の早期発見や物資運搬、災害時の状況確認など。消火器を搭載したドローンなどもあります。カメラだけではなく赤外線を搭載した機種は熱源を感知する事ができ人命救助にも役立っています。

・測量
ドローンでの空からの視点は正確に土地をスキャンすることができ、今までは数ヶ月かかっていたような広大な土地の測量を数時間で完了できるようになりました、GPSと組み合わせ広大な土地を正確に3Dデータ化できます。

・農業
農薬や肥料の空中散布、播種なども可能になっていて、スマート農業というワードも出てきています。

・ドローンレースなどのエンターテインメント
2016年に行われたドローンレースでは15歳のパイロットが賞金25万ドルを獲得しました。

ここにあげた例はごく一部ですが今後も様々な分野でドローンの活用は広がっていくことと思います。

岐阜県 養老天命反転地のフォトグラメトリ

サブタイトルに聞きなれないワードばかりだと思うので、ちょっと説明します。私が過去にご依頼頂いた岐阜県での仕事案件の話です。

まず養老天命反転地とは美術家・荒川修作とマドリン・ギンズによる構想を実現した岐阜県にある公園施設で、平衡感覚を狂わされ錯覚を起こす仕掛けがたくさん仕掛けてあります。日常では体感できない感覚を体験する事により人間本来の感覚を再認識するという、行ってみないとなんとも説明し難いモダンアートであり公園施設です。行った事ない方はぜひ、オススメです。

養老天命反転地

フォトグラメトリとは被写体を様々な角度から撮影し、そのデジタル画像を解析、3Dデータを作成する技術です。ドローンによって広大な土地や建築物でのフォトグラメトリが可能になりました。

下の映像は岐阜県の依頼で養老天命反転地を空撮した時のフォトグラメトリですが、ドローンとGPSの自動航行を使用し約30分ほどの飛行で広大な敷地の3Dデータを作成することができました。これはあくまで簡易的なモデリングですが、今までの測量からすると飛躍的な効率の良さです。

余談ですが、ずいぶん昔に測量を行うための自動航行ワークショップに参加したことがありますが、現場で活用されている皆さんの目の色と熱気が凄まじく、業界へのインパクトの大きさを実感して圧倒されていました…。

空撮フォトグラメトリを自身で作業をしてみて実感しましたが、今までは不可能だったことを可能にしたドローン・イノベーションの好事例の一つだと思います。

Mavic2 Proでの全天球空撮写真

フォトグラメトリは上空からの俯瞰スキャンでしたが、DJI Mavic Air以降の機種であれば自分の周りの景色を360度全て撮影できる全天球空撮写真を撮影することができます。

下のリンクは100m上空からの北海道の野付半島と硫黄岳で撮影した全天球写真です。PCやモバイルでクリックし、ぜひ全画面で見てください。

この写真をOculusなどのVRゴーグルで見ると自分も飛んでいる感覚を味わえて最高だったりします。この辺の全天球写真は国内海外含め色々な場所に行って撮影したストックが大量にあるので、いつかまとめたいと考えています。

20gのドローン Tiny Hoopについて

ちょうど去年の年始あたり、怪我をしていて動けなかったこともあり、室内で飛行を楽しめるTiny Hoopにハマっていました。Tiny Hoopとは約20グラムほどのとても小さく軽いドローンの事です。ドローンレースなどにも使われていて、小さな機体からは考えられないほどの運動性能を誇ります。
そしてこのドローンを操縦するときにはFVPゴーグルを使用します。FPVとはFirst Person Viewの略で、一人称視点つまり自分がドローンに乗っている視点で操縦する事ができます。

このTiny HoopとFPVの何が凄いのか説明を試みると、小さな自分の部屋が広大なレース場になり、虫の視点で高速飛行することができる、ということです。

虫の視点で自分の部屋の机の下を高速移動したり、飼っている巨大猫が自分に対して猫パンチを喰らわそうとしてくることを体感したことがありますか?かなりなインパクトがあります。

またTiny Hoopを通して感じたことは人間の適応能力の奥深さでした。空撮用ドローンを数年飛ばしてきて操縦にはそこそこ自信があったのですが、FPV視点でのドローンは別物で、最初の数週間はとても苦労しました、ぶっちゃけ操縦はちょっと無理…、と諦めようとしたほどです。
ですが下手なりに少しづつ努力していくと、なんとか飛行できるようになっていきます。この時感じたのが人間の脳と身体能力の解像度の凄まじさで、例えば電子顕微鏡を使って髪の毛より細い神経の外科手術をおこなう医師であったり、岩をも砕くパワードスーツを着て卵を割らずに掴むような事であったり、人間は今までに無かった身体能力をテクノロジーで獲得した場合にも、脳と身体はちゃんと適応しうるんだなぁと、ガンダムでいうニュータイプっていうのもほんとあり得る話だなと実感したのでした。

撮影機について

今回ここで紹介している映像などはほぼ下記の4機種で撮影しています。

DJI Phantom4
DJI Mavic Pro
DJI Mavic Air
DJI Mavic2 Pro

ここではレビュー的な事は控えますが、どの機種もソフトウェアとハードウェアが融合した素晴らしいプロダクトだと思います。空撮機に関しては、だいたい一年に一機種を買ってアップデートしてる感じですね。今後また新しいテクノロジーでアップデートされるのを楽しみにしてます。

さて、次はどこに行こうか?

そんなこんなで、サクッと書くつもりのエントリーが意外に長くなってしまいました。今回ドローンについて書きましたが、元々は軍事利用として開発された技術なので、平和利用以外にも使用できることも事実です。ドローンに限らずインターネットでさえ元々は軍事用途でした。
ナイフやハサミと同じで道具をどう使うかは全て人間にかかっています。現状では法律や規則などがあり、自由にドローンを飛ばすことはなかなか難しい状況ですが、それらをクリアしマナーを守って飛ばせば日常では味わえない素晴らしい体験になる事と思います。

良いフライトを。

長々と読んで頂きありがとうございました。


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