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伸びていく選手の特徴


サッカーが上手くなる選手とは
どんな選手だろうか?

「今」うまくいっていなくても
「今後」伸びていく選手に共通点はあるのか?


育成年代のサッカー指導者をしていると
様々な子どもに出会うことで
いくつかの共通点が見つかることがある。


その中で
「伸びていく選手の共通点・特徴」
自分なりに探し考えてみた。


そこには1つ、絶対に存在する
共通点があることに気がついた。


伸びていく選手の共通点


それは

「他人の話を自分事で聞けること」

である。



簡単に言うと
「人の話を聞けること」

ありきたりな表現になってしまうが、
これがシンプルであり原点であり
サッカーを上達するためには必須項目だ。


〝自分事で話を聞く〟

という意味は、わかりやすい例を挙げると

A君が、あるプレーについてコーチに
アドバイスされていたとする。

ここで自分事で話を聞けるB君は
A君が受けたアドバイスを
自分もやってみようと、
B君自身も次のプレーで意識する。

もっとわかりやすい場面でいうと
「学校で友達が先生に怒られている様子を見て
自分はその問題を起こさないよう気をつけよう」
と意識する。みたいなことである。

この「学校で指摘されているシーン」は
比較的誰でも安易に反面教師にできるだろう。

しかし、これがサッカーだと
全体を理解し、常に集中している心のスタンスが
なければ実践するのはなかなか難しい。
特に低学年なら尚更難しい。

ただ、できる子はできる。これは本当に。


この部分が
伸びる選手と伸びずらい選手の分かれ道
だと感じている。


他人の話を自分事のように聞けることの意味は
第三者が指摘されていることを
盗み聞きして自分のモノにできる能力だけではなく

1対1の状況でも他人の話を
しっかり受け止めること

も、もちろん必要である。

例えばコーチの話を聞く時に、
本当に話を理解している、または
理解しようとしている子は
「聞き方」が抜群に良い。

「手を後ろに組んで兵隊のように微動だにせず
ド真面目に聞け」というわけではない。

むしろそんなロボットのような聞き方を
僕は好まない。
(聞いているフリの可能性があるので)

聞き方が良い選手というのは
必ず話す人の目を見て相槌を打っているし
次のプレーでその部分にチャレンジする。

聞き方だけが一人前でも
次のプレーで改善しようとする様子がなければ
あまり意味はない。

伸びていく選手は
〝しっかりと聞いた後〟にすぐ〝実践〟
しようとする。

そこからさらに伸びていく選手は
その改善されたプレーを〝継続〟できる。


〝聞きながら理解する〟ことも必要だし、
話を受け止めた後は〝自分自身で取捨選択できる〟
能力も成長の過程では必要である。



以前、興味深い記事を見つけた。

「サッカー日本代表レベルになる一流選手たちは
そうでない選手達となにが違うのか」
について分析した記事だ。

一流選手とそうではない選手の差は
技術、フィジカル、メンタルではなく、

「傾聴力」と「主張力」


と書かれていた。

この2つを一流選手は
必ず共通して持ち合わせているそうだ。

これは非常に興味深い記事だった。

特に、人の話を傾聴する(聞く)時には
〝前のめり〟に聞くことが大切だと。

新入社員でいうと
「メモを取りながら話を聞く」とか
「わからないことは質問する」とか。

この〝前のめり〟が大切だと書かれていた。

サッカーでも〝前のめり〟に話を聞ける子は
本当にぐんぐん伸びていく。

具体的にどんな聞き方かというと、
話している人の目を見て相槌を打ちながら
わからない時は質問もしてくるスタンスだ。

もちろん、そこにはコーチと選手の
信頼関係が大前提で、個別に話をする時は
コーチの伝え方も重要である。

ただ、何度も言うが
伸びていく選手は「聞き方」がいい。

(逆を言うと選手を伸ばせる指導者は
伝え方が良いのだろうけど…)

そのような選手は
仮にコーチが間違った理論を伝えたとしても
一度「自分事でしっかり聞く」ことができる。

この
「他人のどんな意見もしっかり受け止めるクセ」が、まさに傾聴力であり
自分に矢印を向けることに繋がる。

逆に「前のめりに聞くことができない選手」は
聞いた話を5分後には忘れてしまうし、
「自分事で話を聞けない選手」は
どんな意見も「他人事(他人のせい)」にしてしまう。


つまり
せっかく成長するために自分に向けられた矢印を
他人に向けて成長の機会を自ら捨ててしまうのだ。

「どんなアドバイスも自分事で吸収する選手」と
「自分にとって嫌なアドバイスは聞かない選手」
の積み重ねは数年では埋められない差となる。

逆に「今」伸び悩んでいる選手でも
他人の話を自分事で聞くことができる選手は
「今後」確実に伸びていく。

もちろんサッカーの現場だけでなく、
学校や家庭でもその習慣をつけることが大切だ。

ただ、自分はサッカーのコーチとして
サッカーを通して「聞く習慣」を
子どもたちに伝えていくことも仕事である。


選手に「聞き方」を問うからには
自分自身も子どもからの「聞き方」と
子どもへの「伝え方」は意識していきたい。



最後まで読んでいただきありがとうございました。

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