お客様に愛されるメルカリ戦略_-_Google_Slides

メルカリ入社して2ヶ月、顧客体験・NPS改善が奥深くてとても楽しい

前職の退職ブログを書いてから2ヶ月。退職ブログの反響をエゴサしてたら「次の職場は気が向いたら書くって言っておいて、先にtwitterのプロフィールで社名明かしてるのどうなの?」という感想を発見。なので、今こそ新天地のことを書こうではありませんか!

目次

1. なぜメルカリを選んだのか
2. 入社から今まで何をしたのか
3. この先どの分野に張るのか


1. なぜメルカリを選んだのか

「人材のブラックホール」とかネット界隈では色々揶揄されているけど、自分のキャリアとか人生を真剣に考えたら、とても良い選択肢だったんですよね。事業性とかビジネスモデルの魅力は語り尽くされているので割愛するとして、ぼく個人はもっと打算的な理由・利己的な理由を開示してみる。

A. 海外で働くチャンスがありそう
社会人になってから、仕事で英語を話す機会はちょくちょくあったが、海外に居住して仕事をすることはなかった。ミーハー心としては、US/UKとか住んでみたい。あとは、Tech Industryの中心地で働いてみたいという気持ちもある。一生に一度は、日本の外に出て働きたいのだ。理屈ではなく、とにかく行きたい。「行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい」と、しつこく言っておけばいつかは実現するはず。

B. 男性でも育休が取れる
10年くらい前にフローレンスの駒崎さんを知ってから、育休は絶対に取りたいと思ってきた。仕事では自分の代わりになる人など数多いるが、家族において自分の代わりはいない。仕事はあと40年くらいやるチャンスはあるが、育児は生まれて最初の数ヶ月にしか体験できないことが多い。自分の代替困難性・体験の希少性という視点で見ると、育児にコミットすることの価値はとても高いと感じている。まだ子供はいないが、ぼくたち夫婦の下にやってくれた時は、子供とはきちんと関わりたい。それを大々的に後押ししてもらえる環境は素晴らしいし、将来的に当事者になる可能性がある身としてはとてもありがたい。

C. 「メルカリにいる人」は何かと目立つ
いくら良い会社とはいえ、定年まで居続ける事はない。入社するのはゴールではなく、卒業する時にどんな状態になっていたいかを見定めるのは大事。今35歳だから40歳で出ると仮定する。その時に独立・起業をして稼げる選択肢を持っておきたい。実際にそうなるかどうかは置いておいて「生きていける選択肢を増やす」のは、自分の生きやすさを上げる。意に沿わない指示にはキッチリ反論したいし、僕個人のポリシーに合わないことなど絶対にやりたくない。そうあるために「あなたとの付き合いがなくなっても自分生きていけますから」と言える状態になることが、人生の質を左右する大きな課題なのだ。

その状態になるためには、個人として名が世に知れてるのはとても大事。ビジネスは情報戦で、鮮度の高い情報は人づてでしか手に入らない。自分の知らない人が大事な情報を持ってる場合も多い。その時に、信用して情報を預けてもらえるかどうか、こいつだったら信用しても良いかなと思ってもらえるかどうかは「どこ」で「何」をやった人かという実績が大事。転職とは「どこ」を選ぶかの意思決定。「どこ」を選ぶかと問われたら、自分の価値が上がりやすそうな場所が良いとぼくは思った。どうせ仕事は100%頑張るから、リターンにプラスαがある方がいい。メルカリにいる人は目立つから名が売れやすいし、仕事の成果プラスαとして「名前が売れやすい」のは良い環境だなと感じた。


2. 入社から今まで何をしたのか

配属はCREという部署。Customer Reliability Engineeringという言葉は知っていたが、入社前の時点ではぶっちゃけ何をするかは全くイメージできていなかった。ただ、経験企業数4社目、前職では6年で10部署を渡り歩いたので、新しい環境への順応力には自信があった。新しい環境への適応のコツをいくつか披露したい。

A. 早い段階でアウトプットを出す
「成果」ではなく「アウトプット」がミソ。新入社員しか持ち得ない武器が「無知」だが、それを利用すれば良い。今までの経緯とか何も知らないで無邪気にそもそも論をぶっ込める期間は活かすべき。それを小出しに質問するよりは、自分の思考回路が伝わるアウトプットにまとめる。「課題」「原因」「対策」みたいなまとめ方をして、自分なりの仮説をスライドでも文書でも良いので、まとめてしまうのだ。ぼくが初期段階で出したアウトプットは2つ。

1. お客様アンケートと行動データを紐付け
2. コンサルが出した130ページの報告書を20ページに要約

1は誰もまだやっていなかったので出す価値があると判断、2はこんな長い報告書は誰もちゃんと読んでないはずだから要約には価値があると判断。アウトプットすると自分の理解も早まるし、周りの評価も高まるし、ぼくのアウトプットを見て「こんな資料もあるよ」と教えてくれる人が現れたり。早くアウトプットを出すのは、色々なリターンがある。


B. 「自力で情報収集→仮説作って質問」をすると良い情報を得られる
ぼくが1兆個くらい持っている得意技の中の1つに、「周りの様子を見ながら必要そうな仕事を見つける」というものがある。 会社としてどの指標を重視しているかは全社MTGを聞いてれば分かるし、その指標のうち自チームが何を担当しているかは上長に聞けば分かるし、実務上何がどこまで実施されているかはSlack/Google Docs/Wikiを見れば分かる。そしてもう一つ大事なのは、アウトプットを出すつもりで情報収集すること。アウトプット前提だと、既存資料の欠けてる部分を探すようになる。

そして、自分なりに作るべきアウトプットが分かってきたら、社歴の長い社員や上長に質問するのだ。「過去にこういう資料って見たことありますか?ないなら作ってみようと思ってまして」と。ある場合はそういう資料を見つけて共有してもらえるし、ない場合は自分が作れば価値があることになる。

自力で情報収集→次に必要そうな情報が分かったら質問、という順序を辿ると周りからのサポートはもらいやすい。まず自分で動く。自分で動いている様子が伝わると、周りも助けて良いかなと思いやすい。


C. AとBをやってたら、興味があるテーマにアサインされやすい
会社にとって大事&自分が知りたいことに関してアウトプットを出す→情報収集→次のアウトプットを出すということをやっていたら、上長から正式に「このテーマをリードして欲しい」と言われた。勝手にアウトプットを出す&情報収集をやることは、興味があるという意思表示になるし、自分の能力のデモにもなる。

マネージャー視点からすると、中途社員のアサインというのは悩ましい。特に30代後半でそこそこ経験ありそうな人の扱いは難しい。能力が掴めず、何に興味があるかも分からない。早い段階で能力が掴めないうちは、興味があることをやってもらって、その後に能力を見極める方がいい。何を隠そう、これはぼくが前職でマネージャーをやっていた時の考え方。興味があることを勝手に調べてアウトプットを出してくれる人には、仕事を与えやすい。アサインする時のステップに「仕事の意味を伝える→相手に納得してもらう」があり、乗り気でない人にアサインをお願いするのはマネージャーとしても心理的負荷が高い。なので、何かに興味を示してくれると「説明→納得」のプロセスがすっ飛ばせるから、正直マネージャーとしては助かる。

計算ができる戦力になってからだと「お前にこの案件をやって欲しい」とか言われることが増えるので、入社直後が一番「ぼくこれがやりたいです!」と意思表示をするチャンス。大手企業は所属したことが分からないが、スタートアップはこういう動きを歓迎してくれる会社は多いと思う。これからスタートアップに転職する人は参考にしてみてほしい。


3. この先どの分野に張るのか

ぼくが今アサインされている分野、Customer Experience(以下CX)の改善はとても面白い分野だ。プロダクトで新機能をローンチするよりも、CSがいいタイミングでお客様をサポートする方が顧客体験が圧倒的に良くなったりする。CX改善を測定する指標として、Net Promoter Score(以下NPS) があるのだが、これまたよくよく調べていくと本当に奥が深い。前職から指標の存在を知っていたのだが、いざ自分がこの指標を伸ばすことを考えると、めちゃくちゃ悩みポイントがある。

NPSを上げたら売上って本当に上がるの?とか、一体どんな施策をしたらNPSが上がるのか?とか、NPSが上がったとしてそれが施策のおかげだったときちんと証明できるのか?とか、真剣に取り組むと難しいポイントが多い。色々な方にヒアリングさせてもらって、最近自分なりの解が見つかり始めているし、あとはそれが正しいか実践で証明する段階かなと思っている。

と言うことで、今後はCX・NPS改善をテーマにして、色々noteを書いてみようと思う。10月にサンフランシスコで行われるCX SF2018に参加するので、そのイベントレポートだったり、中国平安保険の事例だったり、書きたいことが溜まってきている。

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