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ものづくりって、意外と大変なの。

今度発売する新商品が倉庫に到着したようだ。明日から1週間出張に出る関係で、実物を手に取るのは少し先になりそうだが、とりあえず無事に商品が完成してホッとしている。

開発開始時期から考えると2年以上がすでに経過している商品だけあって感慨深いものがある。うまくいかなくてOEMメーカーを2度ほど変えたし、途中原材料の高騰で開発を断念した期間もあった。

商品の詳細についてはまた近日中に書く予定。いいものができたので、ぜひ楽しみにしていてほしい。

あとは近日中に新作の香水も納品予定だが、モノが倉庫に到着するまでは安心できない。トラブルなく無事に到着しますように…


ものづくりに携わっていると思いがけないトラブルに頻繁に巻き込まれる。ここ最近は輸送時のトラブルが複数あり、その度に頭を抱えてしまった。日本国内での輸送は比較的スムーズなのだが、これが海を渡ってくるとそうはいかない。直近では一度日本国内に入ったものがとある理由で出荷国に戻ってしまうということが起こったが、その理由に関する説明を何度読んでみても、なぜそれが理由でその商品を戻さなければならないのかは全くもって理解できなかった。

思っているよりも結構大変なのだ。


モノを評価する際によく「原価率」、つまり製造原価に対する販売価格がひとつの指標として用いられる。その割合が大きいとそれは「いい製品である」と評価されがちだ。化粧品、こと香水は他のプロダクトに比べるとその原価率の低さゆえに批判に晒されやすいもののひとつだろう。「こんなに儲けてけしからん!」と思っている人はきっと多いし、そこまで露骨でなくとも、私に「香水の原価率ってすごい低いって聞いたことがあるんだけど、本当…?」と尋ねてくる人は多い。

確かに香水は他の商品に比べると原価率が低いものに分類されるかもしれない。ただこれは、ものづくりの立場から考えると、製造ロットと資金回収の期間という要素が欠落した議論だ。香水が、製造するためにまとまったお金が先に出ていき、それを売上で回収するのにはかなりの時間がかかる類のプロダクトであることを鑑みると、少なくともニッチなブランドにおいては“がっぽがっぽ”と稼げるものではないし、むしろ資金繰り的には常に厳しい状態にさらされる。うちとて正直しんどい。


これから年末にかけて百貨店でのポップアップが続く。百貨店側としては、新商品があれば予め積極的にプロモーションをかけていきたいと考えているので、新商品情報を早い段階で提供するようにブランド側に求めてくるが、çanomaくらい小さな規模感のブランドだとイベントまでに商品が間に合うのかどうかが怪しいということが往々にして起こるので、あまり軽々しいことは言えない。今回も製造が間に合わない可能性があったので、新作ローンチに関するPRを見送らざるを得なかった。残念ではあるものの、百貨店のペースに合わせられるほどうちも体力があるわけではないので、致し方ない。


ものづくり側にどういった事情があろうとも、消費者にとっては何ら関係がないだろう。いくら原価がかかっていようと、どれほど苦労して作った商品であろうと、それが理由で買われることは基本的にはないし、PRされない商品はなかなか見つけてもらえない。

ただ、もし商品の裏側にあるものづくりのことを少しだけ知ったら、買い物はもっと楽しくなるかもしれない。どうしてこういう形になっているのか、どうして他の製品より高い、あるいは安いのか、数量が限定されているのはなぜか、どんなところに工夫や苦労があるのか、等々…そこには何らかの理由があるのだ。


5日水曜日から始まる仙台藤崎の「KAORI LOVER」以降、あちこちで店頭接客をする予定なので、ぜひものづくり的な背景も、興味があったら聞いてね。答えられる範囲でしっかり答えます。


ポップアップシーズンがいよいよ始まる。今年もきっと忙しくなるけど、体調に気をつけながら、きちんと乗り越えていきます。

ということで、来てね。待ってます。


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