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挨拶は大事なことではなくなったのかな?

今週は今まで参加する機会のなかった展示会なるものにて、毎日8時間バイヤー対応をしている。

やっていることはポップアップでの店頭接客に近い。見られているポイントがバイヤー目線なのと、説明に対する相手の理解のスピードが速い、といったところがちょっとした違いだろうか。そんなわけで、私はいつもの接客スタイルをあまり崩すことなく、少しだけ駆け足で淡々と説明をしている。

思いがけない出会いが多数あり、展示会に参加することの意義をすでに見出せている。この記事を書いている水曜の夜はちょうど折り返し地点を過ぎたところだが、すでに参加してよかったと思えている。あと2日、どんな新たな出会いがあるか楽しみでならない。


ところで、展示会において、不思議な“慣習”があることに気がついた。これはもしかしたら、多くの人にとっては当たり前のことかもしれないが、私には若干の違和感を抱かせるものだった。

バイヤーが各スタンドを観察しながら会場内をゆっくり歩いている。気になるスタンドを見つけてそこに近づいていく。その時にそのスタンドを担当している人がバイヤーに近づいていき、「このブランドは〜…」と説明をはじめる。

私には上記の流れに微妙な違和感を覚えるのだが、どうだろう?


まず最初の一言は、「こんにちは」等の挨拶であるべきではないだろうか。

挨拶なしにいきなりブランドや商品説明を開始するというのは、実際の店頭でもよくあることかもしれない。ただ、お店の場合は入店時等に「いらっしゃいませ」と挨拶を済ませておくのが一般的なので、そこに違和感はなかった。

今回のように、その最初の挨拶がない状況で、急に説明を開始するというのは、それが失礼にあたるのかどうかはよくわからないが、私にはなんだか“ちょっと変”であるように感じずにはいられなかった。

また、それと同様に、バイヤーの側から挨拶が返ってこないケースも多い。こちらが「こんにちは」といったのに対し、「これは何ですか?」とダイレクトに質問で返ってきたことが何度もあった。それはこういった展示会では一般的なのだろうか。正直なところ、私にはよくわからない。


ポップアップの店頭に立っていると、挨拶が返ってこないことはしょっちゅうである。私はそれをとても失礼に感じる。そんなことを友人にこぼすと、「恥ずかしいからなんじゃないかな」という回答が返ってくることがままあるが、恥ずかしいから挨拶をしなくていいわけではないし、そもそも私の肌感覚としては、それが理由で挨拶を返さないのではないように感じる。

結局のところ、モノを売る人に対して、挨拶をする習慣がないのだと思う。販売員には挨拶をしなくていい、と考えている人が年齢問わず多いという印象を、ポップアップのたびに私は受けるのだ。

これは「そういうものだから」で片付けていいことなのだろうか。基本的にコミュニケーションの最初の一歩は、何がどうあれ挨拶なのではないだろうか。それとも私は、もうすでに小うるさいクソ親父になってしまったのだろうか。


挨拶をすべきかどうかに対しては、各人の考え方があるので、私の主張を押し付けるつもりはないものの、「まずは挨拶」というのは、幼少期から口酸っぱく言われていることであるはずだ。それがモノの売買というコンテクストになると無効化する背景には、とあるヒエラルキーの存在が透けて見えるように思われる。私はそれは、本来は存在すべきではないものだと考えているが、きっとそれを当然のことと捉えている人も多いのだろう。

また、展示会に出展している側が挨拶をせずにダイレクトに説明から入るのも、バイヤーの、とある無言の圧力によるところであるように感じている。これに関してはこれ以上書くと角が立ちそうなのでこれくらいに留めておく。


いずれにしても、挨拶を返してこない人がどんなに多かろうと、私はまず最初に「こんにちは」と言い続けるだろう。それに対する相手の一言は、多かれ少なかれ、その人を判断するための一材料となるのだから。

そして私は、挨拶をきちんと返してほしい人なので、「こんにちは」と言われたら、小さな声でもいいから、「こんにちは」と返してください。

お願いしますよ。


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